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   やまねこ翻訳クラブ  児童書リファレンスブックガイド

最終更新日 2003/08/01 『国際アンデルセン賞の受賞者たち』 追加

(タイトル50音順)

         


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AERA Mook No.47  童話学がわかる。
 朝日新聞社 1999年 1,050円 176pp.
言語・文化圏別総論
童話地球儀:ロシア(沼野充義) 北欧(菱木晃子) ドイツ(天沼春樹) イギリス(脇明子) イタリア(和田忠彦) フランス(末松氷海子) ユダヤ(母袋夏生) アフリカ(さくまゆみこ) アラブ(片倉もとこ) ラテンアメリカ(田村さと子) アメリカ(青山南) インド(田中敏雄) 中国(中由美子) 他 哲学、歴史、フェミニズム、スピリチュアリズム、心理学、文化人類学、教育、アイヌ・沖縄の童話、絵本、絵草紙、マンガ、アニメ、ゲーム、など、その分野の一人者の評論を掲載しながらも、ムックというメディアを最大限に利用した形態で読みやすくわかりやすい内容。ブックガイドやキーワードも掲載してあり、子どもの本の全体像を手早く見渡すのに最適。

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イギリスの絵本の歴史
 三宅興子著 岩崎美術社 1995年 6,680円 195pp.
通史言語・文化圏別(イギリス)/ジャンル紹介

巻頭には、48ページに渡ってカラーの図版が掲載されている。 各章で取り上げた作品を紹介し、この部分だけで視覚的に「絵本の歴史」をたどることができる。絵本を「まるごと一つの世界」と定義づけたあと、17世紀に教育目的に作られたABCや数の本に始まり、大人が「子ども時代」を認め、楽しみとして読む絵本が発展した(チャップブックの流行なども含む)19世紀から、現代絵本芸術が確立されていった20世紀について豊富な図版ととともに解説。時代別に章立てしてあり、時代背景を解説した後に当該時代の代表作家や作品を個別に紹介する構成がわかりやすい。さらにおもしろいのは、「イギリス絵本にみる「日本」」の章。当時のイギリスでの日本のイメージがうかがい知れると同時に、子どもたちにとって絵本は異文化に通じる窓であるという認識がされていたことがわかり、興味深い。

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英米児童文学ガイド ―作品と理論 
 日本イギリス児童文学会編 研究社出版 2001年 2,500円  278pp.
作品紹介総論
比較的古い(「古典」の類にも入る/最も新しい作家でウェストール、ダール、マーヒー)作品について、それぞれに違った筆者が語る作品論。作品が書かれた時代的背景、近年における評価などにも触れており、1冊通して読むことで児童文学の全体像が見えてくるので、作品紹介としてだけではなく入門書としても役に立つ。また、批評の方法論について、心理学、フェミニズム、インターカルチュアルなどの様々な社会学的アプローチの仕方があることを紹介。児童文学を多角的に見るための指南書。

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英米児童文学辞典
 定松正・本多英明編著 研究社出版 2001年 6,400円 562pp.
辞典・事典
「リーダーズ」「リーダーズ・プラス」の児童文学関連項目をまとめるという案をもとに編纂されただけあり、「辞典」色の濃い内容。シンプルかつ直截で、知りたい項目にダイレクトにアクセスできる使い勝手のよさがある。作家や作品名のみならず、作中に出てくる登場人物、架空の地名、モチーフとして頻出する神話や伝説の人物、妖精の名前、主な児童図書館や児童文学を理解するために必要な用語などを掲載している。「英米」というタイトルだが、その他の英語圏はもちろん、非英語圏の作品にかかわる項目も多い。巻末に年表、英米加豪の主な児童文学賞受賞作リストもついている。

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絵本の世界 ――作品案内と入門講座
 森久保仙太郎、偕成社編集部編 偕成社 1988年 4,800円
児童文学の世界 ――作品案内と入門講座
 西本鶏介、偕成社編集部編 偕成社 1988年 4,200円
総論

絵本、児童文学の定義、歴史といった基礎知識から、ジャンルやテーマごとに分類された内外の代表的な作品論、さらには著名な児童文学作家たちの生の声まで掲載されている。この2冊で入門書、参考書としてはほぼ十分ともいえる。資料として年表、用語集、主な児童文学賞、参考文献リストまでついているという充実振り。ただし1988年出版のため、やや情報が古い。

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オックスフォード世界児童文学百科
 ハンフリー・カーペンター、マリ・プリチャード著 神宮輝夫監訳 原書房 1999年 9,500円 1,003pp.
 The Oxford Companion to Children's Literature, Humphrey Carpenter & Mari Prichard, 1984)
辞典・事典

英国人の児童文学研究家であるオーピー夫妻からマリ・プリチャードが引き継いで完成させた児童文学の大百科。「事典そのものが興味 ぶかく面白く読める」ものでなくてはという夫妻の意図のとおり、事典とはいえ執筆者の個性が大いに発揮されている内容。取り上げた項目も幅広い研究活動を行っていた執筆者らしく、多岐にわたりまた膨大。作家、作品、物語の主人公、さし絵画家など、項目数は2,000以上にのぼる。ただし、原書が1984年初版のため、作家や作品についての情報が古い。

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韓国・朝鮮児童文学評論集
 仲村修編訳 明石書店 1997年 8,000円 676pp.
言語・文化圏別(韓国・朝鮮)

日本の植民地支配のもと、苦悩の中で独自性を求めた草創期から、現代までの評論を収録。代表的な作家・作品論、児童文化運動史など、内容は学術的ながら比較的短い論文が多数収録されており、朝鮮・韓国児童文学を総合的に学べる。

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かんこのミニミニ世界児童文学史
 赤木かん子著 図書館流通センター、リブリオ出版(発売) 1996年 1,796円 206pp.
通史

さらりと読める軽い文体で、世界(文字通り英米以外の文化圏も含む)の児童文学史を学べる。概論としての一般論にとどまらず、個々の作家について取り上げたり、その作家の存在が時代によってどのような意味を持ったかにまで踏み込む。エッセイ集を読む感覚で児童文学史を学べる貴重な資料。

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現代イギリスの児童文学
 神宮輝夫著 理論社 1986年 1,500円 299+19pp.
言語・文化圏別(イギリス)

1920年代〜1980年代の60年の「英国児童文学現代史」。20年〜50年代は個々の作品ではなく、時代の精神や価値観、後世への影響などが中心に述べられ、60年代以降は作品を多く取り上げることで 現代児童書の流れの変化がダイナミックに記されている。また、1970年以降の「マイノリティブループ」によるリアリズム小説について総括的な論述がなされている点が特徴。

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国際アンデルセン賞の受賞者たち [NEW]
 IBBY編著 さくまゆみこ、福本友美子訳 メディアリンクス・ジャパン (発行および問合せ先) 2003年
  2,000円 112pp.
 The Hans Christian Andersen Award 1956-2002
  International Board on Books for Young People (IBBY), 2002
総論

1956年から2002年までの「国際アンデルセン賞」を受賞した、すべての作家・画家44人の業績を紹介している。見開きページ片側に、作者顔写真と代表的な作品と原書表紙を1点紹介。もう片側に、作家・画家の略歴、国際アンデルセン賞受賞スピーチなどを引用し、業績をコンパクトにまとめている。原書表紙が紹介されていることで、画家の仕事はより視覚的にみることができるのもうれしい。代表的な作品紹介では、原書にはない、日本国内で翻訳出版されている作品も一部追加されている。世界の作家・画家の仕事を半世紀にわたって見渡せ、資料価値の高いものとなっている。

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子どもの本の歴史 ―英語圏の児童文学 上・下
 J・R・タウンゼンド著 高杉一郎訳 岩波書店 1982年
  上・下巻とも 2,000円 上333pp. 下229+53pp.
 Written for Children--an outline of English-language children's literature,
  John Rowe Townsend, 1965, 1974
通史

19世紀半ばの黎明期から第二次大戦後までの英米児童文学を包括的かつ詳細に論じた児童文学研究書の「古典」ともいうべき定番の資料。時代ごとに大きく区切っているが、さらに「家族」「学校」「動物」「ファンタジー」「リアリズム」などの具体的な主題に沿って理論を展開。また、原書出版当時まだ出版ジャンルとして定着していなかった「ヤングアダルト」(思春期の文学)について詳しい論評を上げている。膨大な数に上る作家や作品が時代やテーマに沿って次々に紹介される。時代の流れの中で個々の作家や作品が果たした役割が総体的に学べる。

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子どもの本の歴史 ―写真とイラストでたどる
 ピーター・ハント編 さくまゆみこ、福本友美子、こだまともこ訳 柏書房 2001年 9,500円 479pp.
 Children's Literature--an illustrated history, Peter Hunt, 1995
通史
18世紀初頭からごく近年までの児童書の歴史と主要作品および作家を、英米以外の英語圏の国も含めて広範かつ深奥に解説。タイトルのとおりの豊富な図版、また明晰な記述によって、学術的な内容が一般読者にもわかりやすくまとめられている。240点におよぶ図版の中には、19世紀のロンドンに暮らす労働者階級の子どもの写真など、児童書をより立体的に知るための貴重な情報も含まれる。また、訳者三氏はそろって児童書の研究、翻訳でも活躍。従来の学術書とは違った「読ませる」訳文となっている。さらに、邦訳版独自の巻末付録資料は、翻訳学習者にとっては有益情報の宝庫だ。英米の主要児童文学賞の受賞作リスト、本文に登場する膨大な量の児童書(新聞や雑誌の類も含む)の索引は、すべて邦訳データつき。原題や邦訳の有無、詳しい書誌情報を調べたいときなどには、辞書感覚で使える。

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世界児童・青少年文学情報大事典
 藤野幸雄編訳 勉誠出版 2000年〜刊行中 16,000円
 Major Authors and Illustrators for Children and Young Adults/ Something About the Author, 1993-
辞典・事典

米国のゲール・リサーチ出版(Gale Research Inc.)の児童文学事典である Something About the Author (1976-現在100巻まで刊行中)およびこれをもとに編纂された Major Authors and Illustrators for Children and Young Adults: A Selection of Sketches from Something About the Author (complied by Laurie Collier and Joyce Nakamura, 1993, 全6巻)の項目中、とくに日本で知られている作家および画家を選び出し、翻訳・編集した事典。各作家・画家ごとの略歴、職歴、主な受賞歴、邦訳作品リスト、著作全リストに加え、作者情報として、主要作品の背景や作者と子どもの本 との関わり、および作品に対する評論等も掲載されている。海外の児童文学人名事典としてはおそらく最大規模のもの。
2002年4月現在、第5巻(サーステ)まで刊行。

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児童文学入門(英語・英米文学入門シリーズ)
 谷本誠剛著 研究社出版 1995年  2,136円 163pp.
総論

「安易な文学」ではない「児童文学」の定義と起源から、昔話や伝承文学〜近代ファンタジー・リアリズム児童文学の成立〜二大世界大戦時代〜現代ファンタジー・リアリズムの流れで具体的な作品をあげながら児童文学史をたどる。また児童文学(絵本論)と児童発達論の関わり、児童詩なども題材になっている。各章ごとに、とりあげた作品の原文が一部掲載されているのがおもしろい。

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児童文学の世界 ―作品案内と入門講座
 西本鶏介、偕成社編集部編 偕成社 1988年 4,200円
総論
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だから読まずにいられない ―5つのキーワードで読む児童文学の〈現在〉新セレクト53
 神宮輝夫監修/上原里佳、神戸万知、鈴木宏枝、横田順子著 原書房 2000年 1,800円 237+8pp.
作品紹介

ほんとうはこんな本が読みたかった!』の続刊として出版された作品案内。「いつも一緒に」「子どもたちの広場」「明日へつづく道」「物語は時をこえて」「回廊―さまざまな人生」の5つのキーワードに基づき、20世紀の児童文学を鳥瞰してセレクトした53冊。英語圏だけではなく、スペイン、スウェーデン、フランス、韓国の作品も紹介している。

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たのしく読める英米児童文学――作品ガイド120
 本多英明、桂宥子、小峰和子編著 ミネルヴァ書房 2000年 2,800円 286pp.
作品紹介

児童文学の誕生期からごく最近まで、時代ごとに章立てにして各時代の代表作を紹介する(あらすじ、感想・評価、作者情報、邦訳情報、原文一部紹介)。最低これだけは読んだほうがいい、とされる作品をほぼ網羅、さらには詳しい作品紹介があるため、読まずに重要作品の基本的知識が得られるお役立ち本。原文が一部紹介してあるので、翻訳と読み比べてみるのもおもしろい。巻末資料の文献リストは目的別に分類してあり、参考になる。

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童話の国イギリス―マザー・グースからハリー・ポッターまで
 ピーター・ミルワード著 小泉博一訳 中央公論新社 2001年 840円 293pp.
言語・文化圏別(イギリス)/作品紹介

筆者は日本在住のイギリス人学者/牧師。「マザー・グース」「グリム童話」や「ピーター・ラビット」「プーさん」といった古典から、ディケンズの「子どものためのイギリスの歴史」や「黄金詞華集」など異色の作品まで、作品解説+作者紹介と、筆者独自の視点で語られるエッセイ風評論。

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ドイツの子どもの本 ――大人と本のつながり
 野村滋著 白水社 1991年 1,845円 258pp.
言語・文化圏別(ドイツ)

歴史的流れに即したドイツ児童文学の特徴を、とくに「大人の本」との関わりという視点を軸に、論理立てて丁寧に解説している。具体的な内容は、(1)ドイツ児童文学の通史 (2)ドイツ文学の特徴ともいえるファンタジーおよび戦争文学の発展と推移 (3)主に一般向け作品を書いている作家による児童書の特徴と歴史 (4)一般向け作品の歴史や主な作品・作家紹介。

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ファンタジーの大学
 ディーエイチシー 1995年 1,500円 247pp.
ジャンル紹介

桂宥子、猪熊葉子、井村君江、鷲津名都江、森省二、上野瞭、小原信、横川寿美子、田中貴子、吉田新一、松田司郎が、それぞれの専門分野であるトーキン、キャロル、マザーグース、伝承文学、ピーターパン、星の王子様、赤毛のアン、絵本とファンタジー、日本の幻想文学、宮沢賢治などについて述べるファンタジー解説集。

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ブッシュに消えた子どもたち
 牟田おりえ著 中教出版 1989年 1,553円 249pp.
言語・文化圏別(オーストラリア)

「ブッシュ」(潅木の藪)に象徴されるオーストラリア独特の自然との対峙、アボリジニ文化への偏見と融合で形成されてきたオーストラリアの児童文学の特徴が、時代を追って述べられている。個々の作品に関わりのある事物や動植物の写真なども豊富に掲載され、オーストラリア文化と文学の関わりについても具体的な知識が得られる。

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フランス児童文学の研究
 石澤小枝子著 久山社 1991年 6,796円 352+18pp.
言語・文化圏別(フランス)

フランス児童文学略史から、ペローの作品およびペローの影響を受けて登場した19世紀後半以降の作家(エッツェル、ヴェルヌ、フォシェ、トゥルニエ、クリストフ(漫画))論を展開、さらに仏児童文学の現在について、I・ジャン、G・パットの論文を掲載している。また巌谷小波の「驢馬姫」の原典である仏文学論、ミットフォードの行った日本昔話の翻訳出版の経緯や内容などについての詳細な紹介、パットによる日本児童文学についての論文などもあり、日仏児童文学比較文化論として読んでも興味深い。

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フランス児童文学への招待
 末松氷海子著 西村書店 1997年 2,800円 279pp.
言語・文化圏別(フランス)

フランス児童文学の歴史を作ってきた作家とその作品を、詳細なエピソードと明晰な解説で紹介。歴史の流れの中で、とりわけ重要な節目となったいくつかの年を基準にし、ペロー、ユゴー、ドーデ、ヴェルヌ、ブリュノフ、サン=デグジュベリ、ドリュオン、デュマなど、主要な作家たちをとりあげている。文学にとどまらず、雑誌やマンガなどの新しいメディアについても論じられ、歴史を踏まえた「今」も見えてくる。

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フランスの子どもの本 ―「眠りの森の美女」から「星の王子さま」へ
 私市保彦著 白水社 2001年 2,500円 287+21pp.
言語・文化圏別(フランス)
全体を「揺籃期」「隆盛の時代」「成熟の時代」と分け、さらに細かに時代ごとに章立て、それぞれの時代に特徴的な作品や作家を取り上げ、具体的かつ詳細にフランス児童文学の歴史をたどる。英独という「児童文学大国」に比べて注目されることの少ないフランス児童文学の特徴がよくわかる。

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ほんとうはこんな本が読みたかった!―児童文学の〈現在〉セレクト57
 神宮輝夫監修/上原里佳、横田順子、鈴木宏枝、神戸万知著 原書房 2000年 1,800円
作品紹介

新進気鋭の児童文学研究者・翻訳者たちが選んだ新旧の「おもしろい」本。バラエティに富みながらも、文学史的視点に基づいたバランスの良い選本。いわゆる「研究書」とは一味違った、筆者の生の声を感じられる作品論である。続刊に『だから読まずにいられない』がある。

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物語る力―英語圏のファンタジー文学:中世から現代まで
 シーラ・イーゴフ著 酒井邦秀他訳 偕成社 1995年 4,500円 613+48pp.
 Worlds Within--Children Fantasy from the Middle Ages to Today, Sheila A. Egoff, 1988
言語・文化圏別(英語圏)/ジャンル紹介

「アーサー王物語」から1980年代後半に書かれた作品まで、時代の流れをたどりながらファンタジーを徹底的に研究できる1冊。中世の伝説や英雄伝、妖精譚などの原初的な幻想物語や、リアリズムに裏打ちされた現代の異世界物語などを、著者独自の視点で作品と時代ごとの社会背景を結びつけて論じている。現在のブームにつながるファンタジー作品の本質を学ぶことができる。

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物語る人びと ――英米児童文学18人の作家たち
 デヴィッド・リーズ著 白坂麻衣子訳 偕成社 1997年 2,800円 315+23pp.
 The Marble in the Water--Essays on Contemporary Writers of Fiction for Children and Young Adults,
 David Rees, 1980
言語・文化圏別(英米)/作品紹介

ペネロピ・ファーマー、カニグズバーグ、ポール・ジンデル、ピアス、ガーナー、E・B・ホワイト/ドリス・ブキャナン・スミス、ル=グウィン、サドベリ/クリアリー、テイラー、フォックス、ボーデン、ジル・ペイトン・ウォルシュ、コーミア/ジル・チャニー、ジュディ・ブルーム、ペロピ・ライブリーの18人。英国、米国で活躍する作家について、比較文化論的見地から論じる。

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