*本よりもサッカーや野球の好きな子
*昆虫や恐竜のことなら何でも知ってる子
*パソコンをスイスイ操る子
*テレビゲームに夢中の子
そんな子どもたちが、きっと夢中になりそうな本をご紹介します。
************************** 『謎の足跡事件―恐竜探偵フェントン1』On the Tight Track B・B・カルホーン/作 千葉茂樹/訳 太田大八/絵 ************************** |
主人公のフェントン(11歳)は、恐竜が大好き。放課後になると古生物学者の両親の勤めるニューヨークの自然史博物館に行っては、恐竜のスケッチに没頭する毎日です。ところが両親の仕事の都合で、母さんはインドに、父さんとフェントンはワイオミング州にわかれて1年間を過ごすことになってしまいました。
大自然の広がるワイオミング州モーガンでフェントンを待ち受けていたのは何だったのでしょう。新しい友達ウィリー、恐竜の化石の発掘現場、そこではたらくお父さんの同僚たち、そして、恐竜の足跡の謎ーー白亜期前期の地層から恐竜の足跡の化石が見つかったのですが、恐竜の種類が特定できないのです。フェントンは、自分がその謎を解いてみせると決意します。
ニューヨークの友達でコンピューターの大天才マックスの助けを借りて(二人はコンピューターで交信します)、フェントンは何とか恐竜の検索プログラムを作りあげますが、ことはそう簡単には運びません。さあ、フェントンはどんな推理を働かせるのでしょう。
探偵モノといっても、殺人も誘拐も泥棒も出てきません。フェントンは、自然科学の知識を使って謎を解決していきます。新しい種類のミステリーです。また、都会育ちの男の子が田舎で経験する戸惑い、母親と別れて暮らすことのさみしさなどもうまく描かれています。
このような本が、ファミコンやアニメに夢中の子どもたちの心をつかんで、本の世界へと誘うきっかけになってくれるのではないでしょうか。
作者のカルホーンは、アメリカの作家で、子ども向けの作品をたくさん書いています。この恐竜探偵フェントン君のシリーズはもう8巻まででているそうです。
日本での続刊が楽しみです。
こんな本もあります『狼とくらした少女ジュリー』の作者ジーン・クレイグヘッド・ジョージも、エコロジーミステリーと銘打った作品をいくつか書いています(未訳)。私が読んだのは、The Fire Bug Connection (1993)という作品です。チェコ共和国からアメリカ・メイン州へ連れてこられた“fire bug”(体の一部が炎のような赤い色をした虫)が次々と不思議な死に方をしてく謎を、植物学者の母と樹木学者の父を持つ昆虫好きの12歳の少女が、生態系からの手がかりをもとに解決していきます。お話を楽しみながら環境問題や生物の神秘も考えさせられました。 |
担当:ワラビ *表紙の写真は出版社の許可を得て使用しています。
copyright © 1998, 1999, 2002 yamaneko honyaku club