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『ハロウィーンのおばけ屋敷』The Halloween House エリカ・シルバーマン/文 ジョン・エイジー/絵 ************************** *表紙の画像は、出版社の許可を得て使用しています。
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日本でも少しずつ浸透しているハロウィーン。このレビューをお届けする11月には終わっているが、時期を過ぎても、一年中楽しめる絵本が『ハロウィーンのおばけ屋敷』だ。実はこうして書いている私自身もハロウィーンに詳しい訳ではない。けれど、ページをめくるたびに、ぐいぐい絵本の中に入り込み、何度も繰り返し読みたくなった。
物語は、やせっぽちのせいたかさんと、太っちょのちびさんの二人組が走ってるところから始まる。赤い縞模様の服を着た彼らは、どうやら脱獄囚らしい。逃げた先こそがハロウィーンの館、「くらく、ぶきみな おばけ屋敷……」である。 ハロウィーンの館に隠れているのは、様々な住人たち。合計10種の住人は、オオカミ、ミミズ、コウモリに、ゆうれい、吸血鬼、ガイコツなど。それらが発する声や音は実に生き生きとリズミカルだ。 例えば、ミミズ。「にょろにょろ、ぬるぬる、ぬらぬら、ぬめぬめ、にちゃにちゃ、ねちゃねちゃ、ねとねと、ねばねば。」のたくるミミズの音が聞こえてきそうである。 様々な音を楽しむには是非とも音読を薦めたい。しかし、読んでる者には楽しいこれらの音は、逃亡中の二人には恐怖そのもの。眠れぬ一夜をハロウィーンの館で過ごした二人の、戻るべき先は、監獄。そこで、彼らはなにやら思案……。この最後のページには大笑いしてしまう。 ハロウィーンが終わっても、絵本を開くと、いつでも愉快な気持になれるのがうれしい。 (林 さかな) |
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【作者】Erica
Silverman(エリカ・シルバーマン):ハロウィーンが大好きな作家。他にも"Big
Pumpkin"(1992/未訳)というハロウィーンをテーマにした絵本を出している。リズミカルな文体が特徴で、最新刊は"Raisel's
Riddle"(1999/未訳)。 【画家】Jon Agee(ジョン・エイジー):ニューヨークの芸術学院卒業後、絵本作家としてデビュー。『飛行士フレディ・レグランド』(セーラー出版)では絵もストーリーも書いていて、こちらもおすすめの1冊。 【訳】清水奈緒子(しみず なおこ):1965年、静岡県生まれ。常葉学園大学卒業。『きいろい家』(セーラー出版)が初の絵本翻訳書。以来、絵本翻訳は30冊以上。『砂の馬』『ストライプ』(いずれもセーラー出版)など。大人のための子どもの本の資料館「遊本館」(静岡市)スタッフでもある。 |
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