************************** 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』Harry Potter and the Chamber of Secrets J.K.ローリング/作 ************************** *表紙の画像は、出版社の許可を得て使用しています。 |
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いまや世界的な大ベストセラーとなったハリー・ポッター・シリーズ。『ハリー・ポッターと賢者の石』に続く第2作が、この『ハリー・ポッターと秘密の部屋』だ。 物語は、ホグワーツ魔法魔術学校での1年を終えたハリーの夏休みから始まる。意地悪なおじさん一家のもとに戻ったハリーは、ゆううつな毎日を送っていた。呪文の教科書や魔法の杖は物置きにしまわれてしまい、宿題をすることもできない。12歳の誕生日が来ても無視される。そんなハリーの前に、ある日、ドビーという“屋敷しもべ妖精”が現れ、「危険だから学校には戻らないように」と警告した。だが、どんなに恐ろしいことが待っているとしても、友だちのいる学校のほうがおじさんの家よりずっといいと、ハリーは聞き入れない。やがて夏休みは終わり、ハリーは親友ロンと一緒に、キングス・クロス駅9と4分の3番線ホームから出るホグワーツ行きの特急に乗ろうとする。だが、そこで思わぬアクシデントが! 波瀾を予想させる新学期の幕開けだ。学校では、ハリーだけにしか聞こえない無気味な声が響き、生徒がが何者かに襲われるという事件が次々と起きる。そしてハリーに疑いの目が向けられた。ハリーはロン、ハーマイオニーとともにこの事件の謎を探り始める――。 今回は第1作でおなじみの登場人物たちのほか、屋敷しもべ妖精のドビー、ミーハー新入生のコリン、女子トイレの幽霊“嘆きのマートル”など、新たにユニークなキャラクターが加わり、物語に彩りを添えている。新しい出会いを重ねて、だんだん広がっていくハリーの世界。それだけぶつかる困難も大きくなり、読んでいるほうは目が離せない。後半には、前作以上の驚きの展開が待っている。 子どもから大人まで多くの人がこのシリーズに夢中になるのは、スリルあふれるミステリ仕立てのストーリーと、愉快な小道具などもからんだ学校生活の楽しいエピソードを同時に味わえるから。そしてもうひとつ、決してスーパー・ボーイではないハリーの、仲間と力を合わせ困難に立ち向かっていく姿が魅力的だからに違いない。「勇気」と「友情」というシンプルだけど大切なことを、「ハリー・ポッター」シリーズは教えてくれる。 英米で今年7月に発売された第4作では、今回出てきた人物がふたたび登場し、活躍する。新しい作品を読んで、前作に張りめぐらされていたさまざまな伏線に気がつく、これもシリーズものならではの醍醐味だろう。第3作の日本語訳が読めるのは2001年夏とか。それまで、第1・2作を読み返してディープに浸るもよし、原書に挑戦するもよし、好きなようにハリーの世界を楽しもう。 (生方頼子) |
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【作者】J.K.Rowling
(ジョアン・キャサリン・ローリング):1965年英国生まれ。ウェールズ地方で育つ。ポルトガルで英語教師を務めるが、離婚後に帰国。シングルマザーとして幼な子を抱え、生活保護を受けながら執筆した『ハリー・ポッターと賢者の石』が世界的ベストセラーになった。現在はエジンバラ在住。 【訳】松岡佑子(まつおか ゆうこ):国際基督教大学卒業後、モントレー国際大学院大学にて国際政治学修士号を取得。同時通訳者として、また通訳教育者として活躍。現在は株式会社静山社社長を務めながら、ハリー・ポッター・シリーズの翻訳に取り組んでいる。 |
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