1.Sep.1999 NO.48 Sincerely やまねこの絵本箱 by 生方 頼子
俳句のイメージをさらに広げてくれる絵は、どれもみな日本風。キーツ氏は日本に住んでいたことがあるのかしらと思ってしまうほどです。全体的に渋めの色使いや、にじみ、かすれ具合などが、まるで和紙を使っているかのようで、疲れた体と心にやさしい絵です。 「大螢ゆらりゆらりと通りけり」(一茶)。最後のページには、夏の宵闇の中でぼうっと光っている1匹のホタルが描かれています。過ぎゆく夏をふり返りながら、冷たい麦茶のグラスを片手に(あ、ビールでもいいです)この絵をながめるというのも、なかなか乙なものですね。 秋風が吹いたら、実家の母にも同じ絵本を贈ろうと思います。 |
※本の表紙は、出版社の許可を得て使用しています。
[やまねこの絵本箱]
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