13.Jan.2000 NO.66 Sincerely やまねこの絵本箱 by 柳田 利枝
この絵本の作者は訴えます。あなたがもし奴隷だったらと、想像してみよう、と。そして、さらに、奴隷をムチうつ側の気持ちになってみよう、ともいっています。奴隷の気持ちがわかれば他人への理解が生まれるし、奴隷をムチ打つ側に立って考えてみれば、人間の心の醜さに気づくことができるというのです。 黒人奴隷制度をつくりだしたのは、人間の心の醜い部分でした。人間の歴史が続くかぎり、このようなあやまちは、これからも形を変えて、果てしなく繰り返されるおそれがあります。ただ、もし、傷つける者が傷つけられる者の気持ちを想像することができれば、理解することができれば、悲劇が起こるのを避けられるのかもしれません。 全編をとおして、黒人たちの苦痛の叫び声がきこえてくるような気がしました。魂を大きく揺さぶられる一冊です。 |
※本の表紙は、出版社の許可を得て使用しています。
[やまねこの絵本箱]
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