Page 9 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼SISTERLAND 小湖 (WYN-1014) 04/5/26(水) 9:49 ┣Re:SISTERLAND ニャン公 04/5/26(水) 21:23 ┃ ┗Re^2:SISTERLAND hanemi 04/5/26(水) 21:33 ┃ ┗Re^3:SISTERLAND 小湖 (WYN-1014) 04/5/27(木) 11:02 ┗Re:SISTERLAND hanemi 04/6/12(土) 20:03 ┗Re:SISTERLAND ニャン公(WYN-2099) 04/6/13(日) 19:29 ─────────────────────────────────────── ■題名 : SISTERLAND ■名前 : 小湖 (WYN-1014) ■日付 : 04/5/26(水) 9:49 -------------------------------------------------------------------------
Sisterland by Linda Newbery David Fickling Books ISBN: 038560470X, 2003, 371pp. 月と太陽のように違うヒリーとゾーイ。長身でモデルにでもなれそうなくらい美しく、スリムなゾーイは金髪で母にそっくり。一方のヒリーときたら、眼鏡をかけて、黒髪、棒っきれみたいな体型で全然男の子にもてない、しかも家族の誰にも似てない。「ボーイフレンド」のふりをしている親友のルーベンも本当はゲイなんだ。今はパレスチナ人のサイードという大学で知り合った男の子に恋をして、ヒリーはそののろけ話の聞き役。妹のゾーイは人種差別的な荒っぽい連中とつきあっていて、親に隠れていろいろ無茶をやってる。 ある夏、両親が新婚旅行できた、というフランスの町を家族四人で訪れることになり、そこにある旧ナチの収容所を見学してヒリーは異常なほどの衝撃をうける。そして帰宅後、母方の祖母、ハイジばあちゃんが同居することになった。ハイジはアルツハイマーになって、ひとり暮らしが不可能とされたからだ。 ハイジの中ではいろいろと遠い記憶がよみがえってくる、そして遠く昔に消え去った、消し去ったはずの「レイチェル」というひとのことがあたまにこびりついて離れない。ピアノが上手だったレイチェル、やさしかったレイチェル。いったいレイチェルは誰なのだろう? チェンバースの『二つの旅の終わりに』と類するところをもつこの小説は、高校三年生のヒリーと、祖母のハイジというふたりの人物の視点から、ふたつの時代を生きながら、60年経っても未解決な人間の憎しみ合い、不理解などのテーマを提唱する。ミステリータッチ(といっても、かなり早い段階から読める設定になってますが)を織り込むことによって、また読者をひく。 個人的にはニューベリーはあまり好きな作家ではないのですが、姉妹に特有な愛憎関係と国や人種の関係を対比して語ることにより面白い視点から人間の、国民や人種間の憎しみ合いの問題を見せてくれていると思いました。心理描写も説得力があり、またラストにも無理がなく、しかも前向きなものとなっています。長いですし、かなり読書力のある子どもでないと、ちょっと難しいかもしれませんが、二重丸作品です。 |
うーーーむ、あんなに厚い本を読まれたんですね。うちでは、届いて2週間(でも間違ってUS版を注文してしまいました)、ずっと机の上に積読になってます。小湖さんに脱帽です。 今読みかけの本を読んだら読もうっと・・・・・買ったんだから読まなくちゃ。すみません、ちっとも読後感想になってなくて。がんばります。 ニャン公 |
小湖さん、ニャン公さん、こんにちは。 私もこの本、手元にあります。でも、日常の雑務に追われて、取り掛かれずにいます。 あと、図書館から借りた本の返却期限にも追われているし……。 がんばって読まなきゃ。 ** hanemi (WYN-1036) ** |
ニャン公さん、hanemiさん、 いやいや、これが日本語だったら私なんか一年くらいかかるかも(^^;)。 結構長いですからね。 でも、「どうなるの?」と気持ちをうまく引くところのある 作品だから、ついつい読み進むかんじかしら。ゆっくりじっくり 考えながらよむタイプの作品ではないからね。 七月まではまだまだ時間もありますし、どうぞゆっくりよんで くださいませ(^^)。 |
小湖さん、 ようやく読み終えました。最後のほうは一気に……(貧血で起き上がれなかったため、今日は読書がはかどりました)。読み応えのある1冊でした。 アルツハイマー、ホロコースト、民族紛争、人種差別、姉妹の愛憎関係、恋愛、家族の秘密……本当に盛りだくさんの内容でした。これだけのページ数になるのも納得です。読後感はさわやかです。 「こんなの、あるの?」と思える部分もあったのですが(ネタバレになるので、詳しくは書けないのですが……ハイジおばあさんが長年隠していた秘密についてです)、日本でも似たような話を聞かないわけでもないので、あるのかなあ……あるのかも。 小湖さんも書かれていますが、ヒリーの視点で描かれた部分と、少女時代ハイジおばあちゃんの視点で描かれた部分が交互に出てくるあたり、エイダン・チェンバーズの『二つの旅の終わりに』(原田勝訳/徳間書店)を思わせますね。あと、アルツハイマーのおばあさんとの同居という点では、読書室#911で紹介した『おばあちゃんの記憶』(エルヴェ・ジャウエン作/小野ゆり子訳/さ・え・ら書房)ともイメージが重なりました。 レイチェルが弾いてくれた思い出の曲として、「エリーゼのために」が登場します。大昔に習った曲なので、読みながらときどき弾いていました。 ** hanemi (WYN-1036) ** |
hanemi 様、小湖 様; まだ読み始めてもいません。ごめんなさい。hanemiさん、お疲れ様でした。貧血はいかがですか? 早く治りますように。 今している仕事を予定では月曜日中に終わらせるつもり(あくまで、つ・も・り・・・)なので、その後に、きっと! 絵本ですが、「"I Rmenber !" Cried Grandma Pinky」が、やっぱり物忘れのひどくなっていろいろと問題を起こすおばあちゃんと温かく見守る家族(特に孫)の話で、何年も前に買って、大事にとってあります。どうしてこんないい絵本が日本では訳されないのかなあ。残念です。hanemiさん、興味おありでしたら、夏のオフ会のときにもっていきますので、見てくださいませ。 ニャン公 |