Page 34 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼【グ】The Puddleman くるり 05/8/14(日) 8:13 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 【グ】The Puddleman ■名前 : くるり ■日付 : 05/8/14(日) 8:13 -------------------------------------------------------------------------
"The Puddleman" by Raymond Briggs Jonathan Cape Book, Random House Children's Books 2004, ISBN 0224070096 36pp. http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0224070096/yamanekohonya-22/ref=nosim 『みずたまりおじさん』 レイモンド・ブリッグズ作/青山南訳 BL出版 2005.06 2288円(税込) 2005.06 36ページ ISBN 4776401282 http://www.bk1.co.jp/product/2560847/p-yamaneko01386 手元にあるのは原書です。邦訳は図書館で読みました。 おじいさんが、外を気にしながら家に逃げ込んできて、ほっと一息。新聞を読み始めたのも束の間、小さな男の子が先っぽが輪っかになった長いひもを持ってドアをばーん!と開けて入ってきます。 "Comon, Collar! I'm taking you for a walk." 男の子はおじいさん= Collar の孫。どうして彼がおじいさんを Collar と呼んでいるかというと、こうやっていつもひもでつないでひっぱりまわしているから、なんです(この説明は本文にはなくて、表紙カバーの見返しにしか載っていません)。 とまあ、そんなふうに突然このユーモラスなおじいさんと孫息子の日常にひっぱりこまれるわけですが、初めこそ戸惑うものの、すぐにふたりのリアルな会話に「あるある、こんなこと」と笑って読み進めてしまいます。 ふたりは、家の近所の水たまりをみに出かけていきます。男の子が、家族の名前をつけた水たまりがあるのです。でも、Collar の水たまりはありません。なぜかというと "It's only for people." なんですって。 さて、もう長いこと雨がふっていないので、水たまりは全部干上がっていました。そして、おじいさんがご近所の人と話しこんでいる間にひとりで歩き出した男の子は、背中にふしぎな透明なものをしょったおじさんに出会います。これが、タイトルの The Puddleman(水たまりおじさん)です。 Puddleman と男の子がそのあと何をするかは、読んでのお楽しみ。とはいえ、多分予想はつくはずですが、それでも、実際に読むとびっくりして、笑ってしまうと思います。道ばたの水たまりで、これほど豊かに想像力を働かせることができるなんて、子どもってやっぱりすごい! だからきっと、Puddleman にも会えるのでしょうね。 おじいさんを Collar と呼び、誰よりも慕って信頼している小さな孫息子、そんな孫息子にふりまわされて、ぶつぶつ文句を言いながらもかわいくて仕方のないおじいさん。ふたりの様子はほほえましく、なんだかどこかで見たことのあるような光景ばかりです。一方、Puddleman の存在はとてもファンタスティック。それでも、当の男の子にとっては、どちらもまったく同質の「日常」なんですね。これぞ、ブリッグズのリアリズム、というストーリーです。 絵も、柔らかな色鉛筆の重ね塗りと、おなじみのコマ割の画面構成。あたたかさとユーモアが同居した、心にしみてくるようなタッチです。 暑い夏、ちょっと涼しく、そしてほんわかさせてくれる絵本でした(^^) @ くるり @ WYN-1005 |