●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━      週刊      やまねこ      A C T I V A T O R (FA-TEXT)      やまねこ翻訳クラブ・アクチベーター                       (2003年6月13日)                           No.113 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  編集・発行……やまねこ翻訳クラブ mail……m_acti@yamaneko.org ------------------------------------------------------------------------ 【目次】 ●キーワードは「わらべうた」 ●掲示板ア・ラ・カルト ●メープルストリート新刊情報 ------------------------------------------------------------------------ [おはなし小部屋・子どもの本のページ] キーワードは「わらべうた」 ------------------------------------------------------------------------ おはなし小部屋掲示板 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/c-board/c-board.cgi?id=04 子どもの本のページ掲示板 http://www.litrans.net/c-board/c-board.cgi?id=05  ここ数年、全国的におはなし会が盛んになってきた。子どもと本を結びつける 大人の語りが、子どものその後の読書に与える影響は大きい。小さい時に言葉の 楽しさ、美しさを知った者はしあわせだ。  さて、ものごとはつきつめていくとはじめに帰る。最近ふたつの掲示板を賑わ せている日本のわらべうたと、英語のナーサリーライムの話題は、子どもといっ しょに絵本を読むというスタイルが極まった表われではないか。そんなことを徒 然に考えた。絵本の世界は、簡潔な言葉と物言う絵が互いに支えあい、豊かな世 界を作り出す。共にページを繰る親子の時間をふくよかにしてくれるすばらしい ものだ。けれどもその歴史は150年に満たない。まだ若い文化といえる。そして 活字になることを前提に書かれたテキストは、その精錬された美しさ故に、時と してすました表情をみせることがある。一方、連綿と歌い継がれてきた「わらべ うた」は、人の魂に訴える。わたしたちが古くから体内に持っている、原始的な 面に触れるからだろう。そこには、口にのぼらせて快い、耳に入れて心地よい調 べがある。とすれば、声を出して読むことの快感を覚えた大人が「わらべうた」 に心引かれていくのは自然なことといえるだろう。  ふたつの掲示板の「わらべうた」ツリーの始まりは、それぞれ別な話題だった かもしれない。けれどもそこには、そろそろ人の目が「わらべうた」に集まりだ したという気配が感じられる。 ------------------------------------------------------------------------ 掲示板ア・ラ・カルト ------------------------------------------------------------------------ @読書室掲示板@ http://www.yamaneko.org/cgi-bin/c-board/c-board.cgi?id=02 ・【未読読み物】"Spider" (by William Taylor, Longacre Press):父の顔を知 らずに育ったマシューだが、彼はふつうの青春を楽しむ高校生。ただし、人とは 違うものを持っていた。それはピアノの才能。ニュージーランドで多くの賞を受 けている実力派作家の作品だ。 ・【未訳読み物】"My Heartbeat" (by Garret Freymann-Weyr, Houghton MifflinCompany):エレンは兄を敬愛し、その親友にはひそかな恋心を抱いてい る。女の子の憧れの存在のふたり。しかし、そんな彼らが親友以上の関係だとい う噂が流れる。果たして真相は? ・【新刊読み物】『13ヶ月と13週と13日と満月の夜』(アレックス・シアラー作 /金原瑞人訳):カーリーはある日、転校してきたメレディスから、たいへんな 秘密を打ち明けられ、魔女と戦うことになってしまう。「おもしろくって一気に 読んでしまった」という感想があがっている。 ・【新刊絵本】『すてきなあまやどり』(バレリー・ゴルバチョフ作/なかがわ ちひろ訳/徳間書店):すっごいあまやどりをして、びしょぬれでやってきたブ タくん。ヤギさんは、その話に納得するのか?  ・オルファースファンのつぶやき??「彼女の描く愛らしいうさぎは、うちの子 そっくり!」 ・『おさるのボーボたこをあげる』(ハンス・デ・ビア絵/セリーナ・ロマネリ 作/今福仁訳)、ノルドズッド・ジャパンから6月に刊行。オランウータンの子 どもが主人公だ。 ・ノルドズッド・ジャパンから出た作品をもうひとつ。『うさぎのデイビー あ かちゃんうまれたよ』、『うさぎのデイビー デイビーのひみつ』(共にイブ・ タルレ絵/ブリジット・ヴェニンガー作/辻和音訳)はウサギの大家族の物語。 ・ロアルド・ダールの孫娘が大人向けファンタジーを出版! さらに驚き、彼女 はなんとスーパーモデル!? ・トミー・デ・パオラ作品リスト更新。新作はテキサス州の昔話を元にした、 『青い花のじゅうたん』(いけださとる訳/評論社)。 http://www.yamaneko.org/bookdb/author/d/tdepaola.htm ・メルマガ「ちゃいるどぶっく・あっとらんどく」は、記事を読んだ後の作品の 再読がまた楽しい。今月紹介されたのは、『マーガレットとメイゾン』(ジャク リーン・ウッドソン作/さくまゆみこ訳/沢田としき絵/ポプラ社)。  ↓ ・ジャクリーン・ウッドソンの未訳作品 "If You Come Softly" のハードカバー は表紙もすばらしい。ぜひごらんあれ。 ・国際子ども図書館サイトの「児童書デジタル・ライブラリー」では、現在、 「かぐやひめ」「蜘蛛の糸」などを読むことができる。 ・『きいてほしいのあたしのこと?ウィン・ディキシーのいた夏?』(ケイト・ ディカミロ作/片岡しのぶ訳/ポプラ社)を読みました! ・『HOOT ホー』(カール・ハイアセン作/千葉茂樹訳/理論社)と、『お おきな きかんしゃ ちいさな きかんしゃ』(マーガレット・ワイズ・ブラウ ン文/アート・セイデン絵/小池昌代訳/講談社)の感想が寄せられている。 ・小野出版翻訳勉強会BBS内の「翻訳絵本をたくさんたくさん読むフォーラム では、「あなたのお薦め、お気に入りは?」と題する絵本の話が進行中だ。のぞ きにいって、おすすめ絵本を紹介してきてはいかがだろう。 ▽小野出版翻訳勉強会BBS http://www.litrans.jp/phpbbtwo/index.php ・6月5日、メールマガジン「月刊児童文学翻訳あるふぁ」2003年6月号が発行 された。 ・「ダレン・シャン」シリーズのダレン・シャン氏が6月14日(土)・15日 (日)に来日! 東京周辺にいる方は、明日、明後日原宿へ走れ!    @喫茶室掲示板@ http://www.yamaneko.org/cgi-bin/c-board/c-board.cgi?id=03 ・「月刊児童文学翻訳」2003年5月号のホームページ版を公開。 ▽情報編 http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/2003/05a.htm ▽書評編 http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/2003/05b.htm ・今度の「子どもの本だより」はどちらもかわいい末っ子対決。ウンネルスタッ ドの『すえっこOちゃん』とリンドクレーンの『ロッタちゃんのひっこし』をお 楽しみあれ。 ▽子どもの本のページ>子どもの本だより http://www.litrans.net/maplestreet/kodomo/index.htm ・日本の子どもの本を英訳したいです! ・『アーサーとミニモイたち』(リュック・ベッソン作/松本百合子訳/角川書 店)は、映画『グラン・ブルー』の監督リュック・ベッソンによるファンタジー の邦訳だ。 ・「映画になった児童文学」のケストナーのページを更新した。 http://www.yamaneko.org/bookdb/gen/eiga/kesto.htm ・ドイツ児童文学賞の特別賞が発表になった。受賞したのは、『うんちしたのは だれよ!』(ヴェルナー・ホルツヴァルト文/関口祐昭訳/偕成社)の画家、ヴ ォルフ・エールブルッフ。 @お菓子板掲示板@ http://www.yamaneko.org/cgi-bin/c-board/c-board.cgi?id=05 ・『ポスおばあちゃんのまほう』(メム・フォックス文/ジュリー・ヴィヴァス 絵/加島葵訳)にもでてくるオーストラリア、ニュージーランドのお菓子、パブ ローバとは?  ↓ ・ラミントン、ワッティのトマトソース、ラムチョップミントソース……どんど んでてくるオーストラリアとニュージーランドの食べ物たち。 ・食文化の似ている2つの地域。沖縄ぜんざいと台湾カキ氷の共通点はダンウニ ング。 @おはなし小部屋掲示板@ http://www.yamaneko.org/cgi-bin/c-board/c-board.cgi?id=04 ・英語絵本を子どもといっしょに楽しめる人、楽しめない人。   ・入梅の時期、こんな雨の絵本を読んでます。 ・学校の図書アンケートの話題は続く。好きな本の1位は? ・子どもに読みながら、ぐっと胸が詰まる絵本。 ・マザーグースがいっぱい詰まったカセット&CD、'Wee Sing' シリーズはお すすめ。 ・池袋にある書店の児童書売り場にて、読み聞かせをしました! ・学校での読み聞かせデビュー体験談。 @広場掲示板@(会員限定) http://www.yamaneko.org/cgi-bin/l2/c-board/c-board.cgi?id=202 ・いずみさん(WYN-2098)、じゅんこひめさん(WYN-2094)、ニャン公さん (WYN-2099)が自己紹介をしてくれた。  ↓ ・あこがれの作家/訳者は輝いて見える! ・やまねこの語り部として知られる、えみりいさんがスタッフに加わった。 ・出版翻訳ネットワーク週報発刊! 子どもの本も大人の本も、翻訳に関する情 報は、こちらを読めば、ばっちりゲットできる。 ▽出版翻訳ネットワーク http://www.litrans.net/ ▽『出版翻訳ネットワーク週報』登録・解除ページ http://www.litrans.jp/mag/mag04/index.cgi ・紙芝居に挑戦してみない? 6月14日、東京・吉祥寺で紙芝居講座が開かれる。 ・6月5日(木)から17日(火)まで、兵庫・神戸で「いわむらかずお絵本の世 界展」が開かれる。 ・京都の関西オフは、原画三昧、おしゃべり三昧、ランチも美味で大満足。 ・子どもたちによる英語の朗読劇の詳しい報告がされている。 ・以下のリストを更新した。 ▽エルサ・ベスコフ賞受賞作リスト(スウェーデン) http://www.yamaneko.org/bookdb/award/sw/beskow.htm ▽ニルス・ホルゲッソン賞受賞作リスト(スウェーデン) http://www.yamaneko.org/bookdb/award/sw/holgers.htm ▽日本絵本賞受賞作リスト http://www.yamaneko.org/bookdb/award/jp/nehon/index.htm @学習室掲示板@(会員限定) http://www.yamaneko.org/cgi-bin/l2/c-board/c-board.cgi?id=201 ★現在進行中または予定されている勉強会の情報はこちらでどうぞ★ http://www.yamaneko.org/gakushu/open/index.htm @子どもの本のページ@ http://www.litrans.net/c-board/c-board.cgi?id=05 ・わらべうたを、もっとしりたい、たのしみたい! 楽譜のついたわらべうたの 本も紹介されている。 ・ロッタちゃんはみんなのヒロイン。 ------------------------------------------------------------------------ メープルストリート情報 ------------------------------------------------------------------------ http://www.litrans.net/maplestreet/index.htm <偕成社> http://www.litrans.net/maplestreet/p/kaisei/index.htm 『風に向かっての旅』(ペーター・ヘルトリング作/井江栄絵/上田真而子訳) :戦争で両親をなくし、カルラおばさんに引き取られたベルント少年。ふたりは ウィーンを目指して旅立つが、途中ラーという町で足止めをくうことになる。戦 後の焼け跡を走り回る子どもの姿は人間の生きるエネルギーを感じさせてくれる。 『いたずら王子バートラム』(アーノルド・ローベル作/ゆもとかずみ訳):ま た、ローベル作品が邦訳された。バートラム王子はみんなが手を焼くいたずら好 き。ところがそれが限度を越えて、魔女を怒らせてしまったからたいへん! <評論社> http://www.litrans.net/maplestreet/p/hyoron/index.htm 『青い花のじゅうたん』(トミー・デパオラ再話・絵/いけださとる訳):多く の人の命を奪った過酷なひでり。村を救ったのはひとりの少女だった。テキサス 州に伝わる昔話をパオラが見事な絵本に仕立て上げた。 <平凡社> http://www.litrans.net/maplestreet/p/heibon/index.htm 『どうぶつえん』(アンソニーブラウン作/藤本朝巳訳):この絵本、休日に家 族4人、仲良く動物園に行った……という平凡な家族団らんでおわるはずがない。 なにしろブラウンなのだから。しかも作者が自分で一番気にいっていると聞けば、 これは読んでみたくなる。どんなシュールで皮肉な世界がまっているのだろう。 みたいような、こわいような……。本作品の原書は現在進行中の勉強会の課題本 になっている。 <求龍堂> http://www.litrans.net/maplestreet/p/kyuryudo/index.htm 『13ヶ月と13週と13日と満月の夜』(アレックス・シアラー作/金原瑞人訳): 赤毛でそばかすの女の子は、ことばで人をひきつけるときまっているのだろう か? 赤毛のアンに『みんなワッフルにのせて』(ポリー・ホーヴァート作/代田 亜香子訳/白水社)のプリムローズ……。そして、本作のカーリーの語り口は不 思議な魅力にあふれている。どんな風に不思議かは、ぜひご自分で味わってほしい。 <原書房> http://www.litrans.net/maplestreet/p/hara/index.htm 『三つの冠の物語 ヒース、樫(オーク)、オリーブ』(ローズマリ・サトクリ フ作/山本史郎訳):ケルト部族のヒース、ローマ軍のオーク、古代ギリシャの オリーブ。時代も背景も違う物語に共通するのは、それぞれの植物で作った冠。 各時代で育まれる友情を、冠がそっと見つめる。 <あすなろ書房> http://www.litrans.net/maplestreet/p/asunaro/index.htm 『すえっこ おおかみ』(ラリー・デーン・ブリマー文/ホセ・アルエゴとアリ アンヌ・デューイ絵/まさきるりこ訳):なにをやってもだめなすえっこおおか み。だけど、そのうちできればいいじゃないか。親おおかみの、子どもを見つめ る温かい目がうれしい。 『大いなる河の流れ――よみがえれ、サン・ローラン――』(クロード・ヴィル ヌーヴ文/フレデリック・バック絵/寺岡襄訳):バックがカナダの大河から、 環境保護を訴える。広島で行われた「国際アニメーションフェスティバル」で、 グランプリを受賞たアニメーションを元にした絵本だ。  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● やまねこ翻訳クラブ http://www.yamaneko.org/ 執筆 NON 編集 さかな ひとめ ふため みやこし よめご♪わらべうたは、本当に楽しい。小さい 人ほど心から楽しんでいる様子がみられるんですもの。(さ) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●