●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━      月刊      やまねこ      A C T I V A T O R (FA-TEXT)      やまねこ翻訳クラブ・アクチベーター                       (2005年11月18日)                           No.156 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  編集・発行……やまねこ翻訳クラブ mail……m_acti@yamaneko.org ------------------------------------------------------------------------ 【目次】 ●秋は読書! 冬も読書! ●「月刊児童文学翻訳」11月号より     特別企画【シノプシス・アンケート】、新企画【やまねこカフェ】 ●掲示板ア・ラ・カルト ●メープルストリート新刊情報 ------------------------------------------------------------------------ 秋は読書! 冬も読書! ------------------------------------------------------------------------  秋といえば、「やまねこ賞」。やまねこ会員が、過去1年間に読んだ未訳・邦 訳の児童書の中から、これぞという My Best 5を選んで投票する一大イベント だ。投票前の駆け込みで、気になっていたあの本この本をまとめて読破したひと も、特設掲示板に並ぶ熱〜い推薦文を読み、「あれも読みたい」「これも読まな きゃ」と、投票後はますます読書熱が上がっていることだろう。  そんな勢いに乗ってか、「やまねこ賞」投票開始と同時に「第2次原書読破マ ラソン」もスタートを切った。今月から来年3月までの5か月間で児童書読み物 3000ページ読破を目標とするこのマラソンも、当クラブの恒例行事となるかもし れない。和気あいあい、おしゃべりと情報交換を楽しみながらの読書三昧は、ク セになること間違いなし。秋も、冬も、そして春まで、読んで読んで読みまくろ う! ▽「やまねこ賞受賞作品リスト」(やまねこ翻訳クラブ資料室) http://www.yamaneko.org/bookdb/award/yn/index.htm ▽やまねこ賞投票所(現在閲覧のみ可能) http://www.yamaneko.org/yn_award/index.htm  なお、大賞を含む投票結果は、12月15日発行の「月刊児童文学翻訳」12月号に て発表の予定。どうぞお楽しみに! ▽「原書読破マラソン」案内ページ http://www.yamaneko.org/gakushu/open/rm10.htm ▽「第2次原書読破マラソン」特設掲示板(会員限定) http://yamaneko.or.tv/member/c-board/c-board.cgi?id=gensho                               (えみりい) ------------------------------------------------------------------------ 「月刊児童文学翻訳」11月号より    特別企画【シノプシス・アンケート】、新企画【やまねこカフェ】 ------------------------------------------------------------------------  メールマガジン「月刊児童文学翻訳」編集部では、クラブ内のシノプシス勉強 会から生まれた疑問をもとに、リーディング経験のある会員を対象としたアンケ ートを実施した。その結果、仕事獲得のきっかけや、どのような点に留意してシ ノプシス作成にあたったらよいのか等、興味深い回答が得られた。集計結果は記 事としてまとめ、11月15日発行の11月号で紹介している。関心のある方はぜひご 一読されたい。  また同号では、新コーナーが誕生した。その名もお洒落な「やまねこカフェ」。 読者のみなさんにリラックスして読んでもらえるような翻訳周辺の話題を、国内 外問わず取り上げていく予定だ。注目の第1回は、ロンドンでストーリーテリン グの会に参加した会員からの海外レポート。9月から新体制で企画・編集を行っ てきた、新生「月刊児童文学翻訳」の目玉のひとつでもあるこのコーナーに、乞 うご期待! ▽「月刊児童文学翻訳」11月号 http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/2005/11.htm                                (ち〜ず) ------------------------------------------------------------------------ 掲示板ア・ラ・カルト ------------------------------------------------------------------------    「#」のうしろの数字は、各掲示板での発言番号を表しています。 ★読書室掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=dokusho 【主なトピック】 #39 〜 ドイツ児童文学賞発表!(喫茶室掲示板#22にも掲載) #43 〜 ★やまねこ賞★開催(続き) #50 〜 もうすぐやまねこ賞・わたしのおすすめ #79 〜 ★やまねこ賞★投票開始! #90 〜 10月に読んだ本 #93 〜 ブックトラスト・ティーンエイジ賞発表! #103〜 ウィットブレット賞ショートリスト発表! #104〜 カナダ総督文学賞発表! #106〜 全米図書賞(児童書部門)発表! 【新刊読み物】 #37 〜『海のむこうのサッカーボール』(モーリス・グライツマン作/伊藤菜摘 子訳/ポプラ社):アフガニスタンの小さな村に住むジャマールの夢は、サッカ ーでワールドカップに出ること。危険も規制も多いこの国で次々にトラブルに見 舞われたジャマールの一家は、安全なオーストラリアを目指し、旅立つ……。 #82 〜『金のブレスレット』(エミリー・ロッダ作/岡田好惠訳/童心社):お ばあちゃんがなくした宝物のブレスレットを探していたジェシーが迷いこんだの は、おしゃべりする馬やエルフの住む妖精の世界! 秘密と冒険、夢と魔法の 「フェアリー・レルム」シリーズ第1巻。 #82 〜『花の妖精』(エミリー・ロッダ作/岡田好惠訳/童心社):「フェアリ ー・レルム」シリーズ第2巻は、さらにテンポよく軽やかなストーリー。妖精の 世界と人間の世界の両方で困った出来事が起こってしまう。どうする、ジェシー? 【新刊絵本】 #38 〜『綱渡りの男』(モーディカイ・ガースティン作/川本三郎訳/小峰書店): ニューヨークの街で一番高い建物、ツインタワーにひそかに張られたロープ。大 道芸人フィリップは、朝日を浴びて、ゆっくりとその上に進み出た……。大胆な 構図、抑え気味ながら美しい色使いが、心を惹きつける。 #83 〜『そらをとんだ本』(ピエール・ロリ作/レベッカ・ドートゥルメール絵 /中井珠子訳/講談社):表紙の沈んだ色調から一転、中にはステキな世界が広 がっている。赤い本からこぼれ落ちる小さなアルファベットのおしゃべりが耳に くすぐったい。 #95 〜『マーシャと白い鳥』(ミハイル・ブラートフ再話/出久根育文・絵/偕 成社):女の子が白い鳥にさらわれた弟を連れ戻しにいくというロシアの民話に、 幻想的で、どこかもの悲しさの漂う出久根さんの絵がしっくりとなじんでいる。 ほぉっとため息の出る美しさ。 【新刊未訳絵本】 #47 〜 "Diary of a Spider"(text by Doreen Cronin, illustrations by Harry Bliss, Joanna Cotler Books):『ミミズくんのにっき』(もりうちすみ こ訳/朔北社)に続いて、クモくん登場! 友だちと仲よく遊び、学校で楽しく 学ぶクモくんの日常を見ていると、嫌われ者のイメージも薄らいでくる? #72 〜 "Leaf Man"(by Lois Ehlert, Harcourt Children's Books):『あかい はっぱきいろいはっぱ』(阿部日奈子訳/福音館書店)の作者ロイス・エイラト の新刊。目はドングリ、口はモミジバフウの小さな実、葉っぱの体の "Leaf Man" は、風に乗ってどこへ行く? #86 〜 "Wolves"(by Emily Gravett, Macmillan):ウサギが図書館で借りてき た本のタイトルは "Wolves"。これを読めばオオカミの生態がわかるはず? ス トーリーにも絵本のつくりにも、二重三重の仕掛けがある。今年度スマーティー ズ賞候補作品。 【未訳絵本】 #80 〜 "Le magasin de mon pere"[最初の e の上にアクサン・グラーヴ](by Satomi Ichikawa, L'ecole[最初の e の上にアクサン・テギュ] des loisirs): ムスタファのお父さんはじゅうたん売り。外国人の観光客には「ウェルカム」と 英語で話しかける。お手伝いするムスタファの、元気で無邪気な様子がかわいい、 フランスの絵本。英語版は来年3月刊行予定。作者市川里美さんは、パリ在住の 国際的画家である。 #80 〜 "Das Geheimnis des Affenbrotbaums"(by Satomi Ichikawa, Moritz): こちらは、市川里美さんのフランス語絵本のドイツ語訳。子どもと動物と自然の 3つが調和した、アフリカが舞台の楽しい絵本。 ▽この他にも、メープルストリートで紹介されている新刊書の話題などで盛り上 がっています。掲示板の「トピック表示」もどうぞご利用ください。 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?cmd=tpc;id=dokusho                               (えみりい) ★喫茶室掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=kissa #15〜 『ハワードと七人の魔法使い』DVD 発売 #18〜 第50回ドイツ児童文学賞、受賞作発表 #25〜 ベルゼンブラット/フランクフルト書籍見本市 #30〜 べネスエラの童話(切手の邦訳の報告) #32〜 【HP】メープルストリート:東京子ども図書館更新 #42〜 リサとガスパール絵本原画展 #45〜 映画『ポビーとディンガン』公開日繰り上げ #49〜 「月刊児童文学翻訳」11月号 html 版 公開 ▽作品リストの更新情報などは「更新履歴」掲示板でどうぞ。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=rireki ▽リストに関する追加・訂正等の情報は「やまねこ資料室:メモ用掲示板」まで。 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=siryo ▽「イベント情報掲示板」はこちら。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=event ★お菓子掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=okashi #4〜 お父さんとパンケーキ ★おはなし小部屋掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=ohanashi ★広場掲示板★(会員限定) http://www.yamaneko.or.tv/member/c-board/c-board.cgi?cmd=tre;id=hiroba #13 〜 古典読破マラソン(もしくは読書会)はいかがでしょうか? #21 〜 第2次原書読破マラソン 募集要項 #69 〜 11月の定例チャット #75 〜 やまねこ賞投票にむけてのつぶやき #89 〜 中部オフ? #96 〜 新潟の中学校に児童書を寄贈しませんか? #110〜 CLCD ニュースレター11月号 #111〜 スペイン語絵本翻訳コンテスト #140〜 早めの Mock Caldecott オフ??>関西やまねこ #146〜 ★やまねこ賞★投票終了&お礼 ▽現在進行中または予定されている勉強会の情報はこちらでどうぞ。 http://www.yamaneko.org/gakushu/open/index.htm(勉強会の予定) ▽非会員で、勉強会に興味のある方は入会案内ページへ。 http://www.yamaneko.org/info/guide.htm ★子どもの本のページ★ http://www.litrans.net/c-board/c-board.cgi?id=05                                (ラッテ) ------------------------------------------------------------------------ メープルストリート新刊情報 ------------------------------------------------------------------------ http://www.litrans.net/maplestreet/index.htm           <青萠堂>new! http://www.litrans.net/maplestreet/p/seihoudo/index.htm 『大好き!ヒゲ父さん いたずらっ子に乾杯!』 『ごめんね!ヒゲ父さん わんぱく小僧、どこ行った?』 『最高だね!ヒゲ父さん いつも一緒に歩いていこう』 (e.o.プラウエン作):たいていの大人は、子どもの頃の気持ちを忘れている。 だから子ども心がわかる大人というのは、子どもにとって貴重な存在だ。といっ ても、昨今よくあるピーターパンのまま社会にでてしまうオトナでは困ってしま う。ヒゲがはえてるお父さんってことが大事なんだ。みるからに立派な大人だけ ど、その外見とは裏腹に根っこのところは少年してる。これぞ理想の大人像。も ちろん究極の親の姿ともいえる。世界中の人の憧れヒゲ父さんが、20年ぶりに日 本に帰ってきた。 <求龍堂> http://www.litrans.net/maplestreet/p/kyuryudo/index.htm#200509 『いつもそばにいるから』(バーバラ・パーク著/ないとうふみこ訳):高齢化 社会の訪れをきっかけに、「記憶の喪失」はだれにでもあり得ることという認識 が高まってきている。『私の頭の中の消しゴム』、『博士の愛した数式』などの 作品が関心を集めるのもそういう時代の流れだろう。記憶を失う本人も切ないが、 痛みがもっとも大きいのは、その人を愛してきた人々だ。愛する人に「あなただ れ?」といわれる苦しみは想像にあまる。さて、バーバラ・パーク。等身大の子 どもの姿を描き、アメリカで絶大な人気を得ている。昔コメディアンになりたか った彼女は、実は辛くて試練だらけの子どもの日常を笑いに変える天才だ。だけ ど辛いにも限度がある。尊敬していた最愛のおじいちゃんが介護を要するように なり、しかも介護の負担が自分にまで及んだら……。パーク氏は、ジェイク少年 とアルツハイマーになったおじいちゃんの物語を笑いで表現しようとしている。 ……のだと思う。断定できないのは、読みながら涙がにじんでくる事実。人間っ て不可思議な生物だ。 <光村教育図書> http://www.litrans.net/maplestreet/p/mitumura/index.htm 『ちびうさ いえで!』(ハリー・ホース作/千葉茂樹訳):かわいいちびうさ が反抗期! パパうさとママうさにしかられて、家を飛び出すちびうさは、がら くたを集めて家までつくってしまう。大人はだいたいのオチが予想できるけど、 子どもたちはきっと「ちびうさがんばれ!」と応援したくなってしまうはず。3 作目のちびうさだが、絵本としての完成度がだんだん高くなってきていると感じ る。がらくたインテリアのディテールがまた楽しい。                                  (NON) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● やまねこ翻訳クラブ http://www.yamaneko.org/ 発行人 岩本みづ穂(やまねこ翻訳クラブ 会長) 編 集 えみりい/ち〜ず/NON/ラッテ 協 力 出版翻訳ネットワーク管理人 小野仙内  編集人交代のお知らせです。2年間ご一緒してくださった、りんたんさんに 代わり、今号よりラッテさんが、掲示板ア・ラ・カルトの執筆に参加してくれ ることになりました。今まで忙しいなか奮闘してくれた、りんたんさんに心よ り感謝申し上げます! そして、読書室にドイツ語の児童書を数多く紹介して くださっているラッテさん、これからどうぞよろしくお願いいたします〜(ち) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●