●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━      月刊      やまねこ      A C T I V A T O R (FA-TEXT)      やまねこ翻訳クラブ・アクチベーター                       (2006年9月20日)                           No.165 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  編集・発行……やまねこ翻訳クラブ http://www.yamaneko.org/ ------------------------------------------------------------------------ 【目次】 ●新企画「翻訳家とチャット」開催! ●第2次ファンタジーマラソン 読書の秋、爽快に走り続けるランナーたち ●掲示板ア・ラ・カルト ●メープルストリート新刊情報 ------------------------------------------------------------------------ 新企画「翻訳家とチャット」開催! ------------------------------------------------------------------------  今年6月にシリーズの邦訳最新作が刊行された、当クラブでも大人気のファン タジー「盗神伝」(M・W・ターナー作/金原瑞人&宮坂宏美訳/あかね書房) の感想を語り合うチャットが、9月29日に行われる。しかも訳者のおひとりで、 当クラブ会員である宮坂宏美さんを交えて、心ゆくまで語りつくそうという超豪 華なイベントだ!  参加資格は、やまねこ翻訳クラブ会員か、出版翻訳ネットワーク・プラス会員 であること。そして、シリーズ全5巻を読破していること。詳細については、下 記 URL をそれぞれご参照いただきたい。  今回、当クラブ読書室掲示板に書き込まれた、最新刊『盗神伝IV 新しき王 〈前篇〉―孤立―』『盗神伝V 新しき王〈後篇〉―栄光―』の感想から話題が 広がり、企画が生まれた。この新しい試み、これからも回を重ねて開催されるこ とが期待される。興味のある方は、当誌「やまねこアクチベーター」や各掲示板 などで、クラブの動きにご注目を! ▽広場掲示板(会員限定) http://www.yamaneko.or.tv/member/c-board/c-board.cgi?cmd=one;no=1116;id=hiroba ▽読書室掲示板 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?cmd=one;no=683;id=dokusho ▽出版翻訳ネットワーク http://www.litrans.net/                                (ち〜ず) ------------------------------------------------------------------------ 第2次ファンタジーマラソン 読書の秋、爽快に走り続けるランナーたち ------------------------------------------------------------------------  5月に開始したファンタジーマラソンも、はや3分の1が過ぎ、やまねこラン ナーたちはそれぞれのペースをつかんで走り続けている。  今月はイラク戦争をテーマにした『弟の戦争』で幕が開け、『雪のひとひら』、 "Tom's Midnight Garden"(邦訳『トムは真夜中の庭で』)などの名作が続いた かと思うと、今をときめく「いたずら魔女のノシーとマーム」シリーズ、「ダレ ン・シャン」シリーズが続々アップされた。同じ本を読んだランナー同士が、感 想を語り合って盛り上がることもしばしば。これぞ、読書マラソンの楽しみ。こ の秋は、ますますファンタジー色に染まってゆきそうだ。 〈文中掲載図書〉 『弟の戦争』(ロバート・ウェストール作/原田勝訳/徳間書店/1995年) 『雪のひとひら』(ポール・ギャリコ作/矢川澄子訳/新潮社/1997年) "Tom's Midnight Garden"(Philippa Pearce作/Harper Trophy/1958年) (邦訳『トムは真夜中の庭で』フィリパ・ピアス作/高杉一郎訳/岩波書店[岩  波少年文庫]/1990年) 「ダレン・シャン」シリーズI〜XII (ダレン・シャン作/橋本恵訳/小学館/2001年〜2004年) 「いたずら魔女のノシーとマーム」シリーズ1〜6 (ケイト・ソーンダズ作/相良倫子・陶浪亜希訳/小峰書店/2005年〜2006年) ▽学習室「ファンタジー・マラソン」案内 http://www.yamaneko.org/gakushu/open/fm_guide.htm ▽「ファンタジー・マラソン」特設掲示板(会員限定) http://yamaneko.or.tv/member/c-board/c-board.cgi?id=fanta2                    (はるはな/ぎねびあ/おちゃわん) ------------------------------------------------------------------------ 掲示板ア・ラ・カルト ------------------------------------------------------------------------    「#」のうしろの数字は、各掲示板での発言番号を表しています。 ★読書室掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=dokusho 【主なトピック】 #633〜 夏休みに読む本 #654〜 7月、8月に読んだ本 #658〜 『盗神伝』訳者とチャット(会員限定) #659〜 カーネギー賞ロングリスト作品の邦訳刊行 #676〜 オーストラリア児童図書賞発表!  賞関連の情報は、速報掲示板もご利用ください。 ▽「速報(海外児童文学賞)」掲示板 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=award 【新刊絵本】 #694〜『戦争をくぐりぬけたおさるのジョージ 作者レイ夫妻の長い旅』(ルイ ーズ・ボーデン文/アラン・ドラモンド絵/福本友美子訳/岩波書店):レイ夫 妻は、ともにドイツに生まれたユダヤ人。ふたりはブラジルで出会い、結婚して フランスに住んだ。しかし、戦争が始まり……。『ひとまねこざる』の作者夫妻 がアメリカへ渡るまでを、綿密な調査や資料をもとに追う。 #687〜『ステラのえほんさがし』(リサ・キャンベル・エルンスト作/藤原宏之 訳/童心社):図書館で借りた絵本の返却期限は今日の5時! 町じゅうの人を 巻き込んで、ステラの本探しが始まった。表見返しから裏見返しまで、おはなし がぎっちりつまった楽しい絵本。 【新刊読み物】 #642〜『天使のすむ町』(アンジェラ・ジョンソン作/冨永星訳/小峰書店): マーリーは、家族や友人の愛情に包まれて幸せな毎日を送っていた。ところが、 両親が自分の本当の親でないことを知り……。14歳の少女の揺れ動く心が、少女 自身の言葉で丁寧に語られる、読後感のさわやかな作品。 #686〜『海の島 ステフィとネッリの物語』(アニカ・トール作/菱木晃子訳/ 新宿書房):第2次世界大戦の始まるころ、ユダヤ人の姉妹ステフィとネッリは 親元を離れ、ウィーンからスウェーデンの寂しい漁師町に疎開してきた。引き取 られたのは別々の家。言葉も文化も違う土地でふたりは……。4部作の第1作。 #701〜『エリックの青春』(ヤン・ギィユー作/柳沢裕美子訳/扶桑社):父の 暴力を受けて育ってきた14歳のエリックは、学校では人一倍けんかが強い。だが、 万引きをして退学処分になり、暴力といじめがはびこる全寮制の学校に送られる。 リンドグレーンに次ぐスウェーデンの国民的作家、ギィユーの自伝的作品。 【未訳読み物】 #634〜 "Molte lettere per Sei"(by Roberto Piumini, Edizione EL):『ラ ウラの日記』(よしとみあや訳/さ・え・ら書房)の続編で、今回は11月末から 3月にかけての日記。親友のこと、転校生のこと、新しく始まった演劇のレッス ンのこと……。母の妊娠を知ったラウラは、母親のお腹の中の赤ちゃんに〈セイ〉 と名づけ、日記の中で〈セイ〉に宛てた手紙を書き始める。 #705〜 "Small Steps"(by Louis Sachar, Delacorte Press):『穴』(幸田敦 子訳/講談社)では脇役だった少年、通称〈脇の下〉のその後を描いた青春小説。 まっとうな人生を歩もうと、今は地道に努力を重ねていた〈脇の下〉が、人気少 女歌手と知り合い、恋が芽生え……。手に汗握るクライマックスの先は? ▽このほかにも、メープルストリートで紹介されている新刊書の話題などで盛り 上がっています。掲示板の「トピック表示」もどうぞご利用ください。 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?cmd=tpc;id=dokusho                               (えみりい) ★喫茶室掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=kissa #151〜 実写版「ゲド戦記」(続き) #161〜 『あらしのよるに』英語+20か国語放送(NHK World) #165〜 映画「ゲド戦記」、MOE9月号に、特集記事 #167〜 「ユリイカ」8月号臨時増刊号「ル・グウィン特集」 #169〜 「月刊児童文学翻訳」9月号 html 版公開 ▽作品リストの更新情報などは「更新履歴」掲示板でどうぞ。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=rireki ▽リストに関する追加・訂正等の情報は「やまねこ資料室:メモ用掲示板」まで。 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=siryo ▽「イベント情報掲示板」はこちら。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=event ★お菓子掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=okashi #37〜 ぞうの耳 ★おはなし小部屋掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=ohanashi ★広場掲示板★(会員限定) http://www.yamaneko.or.tv/member/c-board/c-board.cgi?cmd=tre;id=hiroba #942〜 8月の定例チャット & 「訳者とチャット」 #966 〜 じゃあ、名古屋オフも〜 #970 〜 上京します!→ありがとうございました(続き) #976 〜 「絵本作家ワンダーランド」に行ってきました #996 〜 はじめまして(会員の自己紹介) #1007〜 2006おかやま文学フェスティバル、行ってきました(続き) #1008〜 【重要】会員登録更新手続きについて #1010〜 ★☆★新会長・新副会長のご紹介★☆★ #1020〜 ファンタジーマラソン月間報告のご案内7月分 #1068〜 関西お盆オフ→お礼 #1084〜 NHKラジオ・ジャパン 21言語の『あらしのよるに』 #1115〜 ジブリのゲド戦記:ル=グウィンの見解 #1116〜 「翻訳家とチャット」参加者募集! #1121〜 ボローニャブックフェア in いたばし & 翻訳大賞表彰式 #1141〜 ブラティスラヴァ世界絵本原画展 #1142〜 CLCD ニュースレター9月号 #1144〜 イタリア・ボローニャ国際絵本原画展 関西オフ→お礼 #1153〜 読書の秋! ファンタジーマラソンの月間報告8月分 #1156〜 ヤングアダルト文学講座 #1158〜 教文館での金原瑞人さんの講演 #1161〜 会員オフ in 池袋 #1179〜 (会員の)自己紹介 #1191〜 レビュー勉強会しませんか? #1207〜 会員オフ、ありがとうございました #1217〜 第2回レビュー勉強会の参加者募集 #1227〜 10月の定例チャット ▽現在進行中または予定されている勉強会の情報はこちらでどうぞ。 http://www.yamaneko.org/gakushu/open/index.htm(勉強会の予定) ▽非会員で、勉強会に興味のある方は入会案内ページへ。 http://www.yamaneko.org/info/guide.htm                                (ラッテ) ------------------------------------------------------------------------ メープルストリート新刊情報 ------------------------------------------------------------------------ http://www.litrans.net/maplestreet/index.htm <光村教育図書> http://www.litrans.net/maplestreet/p/mitumura/index.htm 『雲をみようよ』(トミー・デ・パオラ作/福本友美子訳):雲のでき方にはじ まり、10種類の雲がきちんと正式名称で紹介される科学絵本……。こう書くとお 堅い絵本と思ってしまうけれど、実はそれだけではない。雲をカリフラワーと並 べてみたり、もこもこの魚や羊を空に並べてみたりと、ユーモアいっぱい。デ・ パオラ氏のイラストの味を損なわずして、それぞれの雲の特徴がきちんと表現さ れているところが素晴らしい。雲に関する神話やことわざにも触れているほか、 雲の形で天気を知る方法も載っている。晴れた日にはこの絵本を持って、秋空の 下に出て行こう! 『りんご ぽいぽい』(デビッド・マッキー作/なかがわちひろ訳):りんごを 4つも使ってお手玉ができるなんて、ぼくってすごい! うさぎのスターは得意 顔。ところが、ぶたも、ひつじも、いぬも、ねこも……なんとみんなお手玉がで きるではないか。さて、スターはショックから立ち直れるか? ぼくって、わた しって、すごい! と心から思えた子ども時代の自分が、ちょっといとおしくな るかもしれない。なお訳者によると、うさぎは本当はビートルズのリンゴ・スタ ーからとった「リンゴ」という名前だった。だが「りんご」と「リンゴ」が重な るので、作者の承認を得て名前を「スター」に変えたとのこと。実は、他の動物 にも大物スターやレーサーの名前がついている。例えばかえるは……。それは表 紙をめくってからのお楽しみとしておこう。 『ちびうさ にいちゃん!』(ハリー・ホース作/千葉茂樹訳):成長を見守る のがもうすっかりこの絵本の楽しみの一部となってしまった。だから、にいちゃ んになった! と聞くとやはり「そうか、大きくなったな」とお決まりのせりふ をひとりごちてしまう。そして表紙を見ると、例の「ちびうさ」然としたコスチ ューム。「おいおい、にいちゃんだいじょうぶかい?」と心配してしまうが、オ ープニングのちびうさは、ママうさのお腹をみながら赤ちゃんを楽しみに待って いる。さてさて、どんな赤ちゃんがうまれることか。にいちゃん、がんばれ! <ソニー・マガジンズ> http://www.litrans.net/maplestreet/p/sonymgz/index.htm 『ぼくとバブーン まちへおかいもの』(ベッテ・ウェステラ作/スザンネ・デ ィーデレン絵/野坂悦子訳):ぼくは、ママと大好きなクマのぬいぐるみのバブ ーンといっしょに、夏の服を買いにいったんだ。バブーンは、ぼくと同じぐらい 大きなぬいぐるみなんだよ。いろんな服を試着したり、おもちゃ売り場であそん だり。買い物って楽しいな。でもね、帰るとき、大変なことに気がついて……。 本を閉じた後、ハッピーエンドの安堵感と共に、なんともやさしい絵の印象が心 に残る。さりげない幸せを感じさせてくれる絵本。 <徳間書店> http://www.litrans.net/maplestreet/p/tokuma/index.htm 『ひとりぼっちのねこ』(ロザリンド・ウェルチャー作/長友恵子訳):「わた し」は、春に生まれたこねこ。夏の間は、別荘にきていた人に飼われていた。で も休暇がおわった家族は、「わたし」をおいて町に帰ってしまう。それからは、 無垢なこねこに悪いことがたくさん起きる。寒い冬のある日、こねこが鳥の群れ についていくと……。表紙を開くと、セピア色のシンプルな線画と、同色の文字、 そしてピュアな文章が、やわらかに目にとびこんでくる。ねこ好きでなくても、 心をぎゅっと捕まれてしまいそうだ。                                  (NON) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 発行人 井原美穂(やまねこ翻訳クラブ 会長) 編 集 えみりい/ち〜ず/NON/ラッテ 協 力 出版翻訳ネットワーク管理人 小野仙内     おちゃわん/ぎねびあ/はるはな  メールマガジン「月刊児童文学翻訳」編集部では、ただいま9月号別冊として 「徳間書店大特集号」の編集の真っ最中! 数か月にわたり準備を重ねてきた集 大成を9月25日にお届けします。どうぞお楽しみに! http://www.yamaneko.org/mgzn/(購読のお申し込みはこちらからどうぞ)  また、9月15日に配信された9月号では、「新人応援」コーナーに登場してく れたおふたりの訳書「いたずら魔女のノシーとマーム」シリーズのプレゼント企 画を行っています。購読者のみなさまは誌面をご確認の上、どしどしご応募くだ さい!(ち) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● ・このメールマガジンは「まぐまぐ!」(http://www.mag2.com/)を利用して 配信しています。 ・購読のお申し込みと解除は http://www.yamaneko.org/mgzn/acti/index.htm でどうぞ。バックナンバーもご覧いただけます。 ・ご意見、ご感想は、このメールマガジン宛てに、お気軽にご返信ください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●