●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━      月刊      やまねこ      A C T I V A T O R (FA-TEXT)      やまねこ翻訳クラブ・アクチベーター                       (2007年3月20日)                           No.171 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  編集・発行……やまねこ翻訳クラブ http://www.yamaneko.org/ ------------------------------------------------------------------------ 【目次】 ●What's LTN? ●第2次ファンタジーマラソン 弥生版   暑さ寒さも彼岸まで……か? ●掲示板ア・ラ・カルト ●メープルストリート新刊情報 ------------------------------------------------------------------------ What's LTN? ------------------------------------------------------------------------  出版翻訳ネットワーク(LTN)をご存じだろうか? やまねこ翻訳クラブの ほか、ミステリのフーダニット翻訳倶楽部、ノンフィクション翻訳クラブなど、 さまざまなジャンルの系列クラブによって構成される情報交換、相互交流のネッ トワークだ。LTNのウェブサイトには、各クラブの情報や翻訳関連のニュース をはじめ、「YouTube 翻訳関連コレクション」(動画)や「翻訳者のための一問 一答雑学問題集」など、楽しくてためになるコンテンツが並んでいる。  さて先頃、そのLTN内に「出版翻訳ネットワーク初等学校」が開校した。 mixi 風の SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)システムを利用し た翻訳初心者向けの無料オンライン翻訳学校だ。数行程度の短い課題に毎日取り 組み、自分の訳文と他の生徒の訳文を比較検討しながら、翻訳の基礎力を磨いて いこうというもの。入会条件は特になく、系列クラブ会員はもちろん、一般から の参加も歓迎だ。現在15名の生徒が勉強中。何から勉強したらいいか、どこで勉 強したらいいか迷っている人は、思い切って入学してみては?  もうひとつ、新たに始まったのが、「英日翻訳実力判定テスト」。VOAニュ ースから出題される課題文を訳して送信すると、ABC3段階評価による成績と 一言コメントが個別に知らされる。(各参加者の訳文と評価は、出版翻訳ネット ワーク初等学校にて公開。)A評価がもらえるのは全体の5%と予想されるとか。 主宰小野仙内氏を「うまい!」とうならせることができるかどうか、ぜひ挑戦し ていただきたい。 ▽出版翻訳ネットワーク(LTN) http://www.litrans.net/                               (えみりい) ------------------------------------------------------------------------ 第2次ファンタジーマラソン 弥生版   暑さ寒さも彼岸まで……か? ------------------------------------------------------------------------  早春の風物詩、奈良東大寺のお水取りもすみ、やっと暖かく……と思いきや、 寒風の吹きすさぶ今日この頃。椿、山茶花、白木蓮、紅梅に雪柳。冬の花も、春 の花も健気に共演中だ。  さて、そんな3月、話題の一冊は「懐かしい!」と一斉に歓声が上がった『小 さなスプーンおばさん』。シリーズ物なので続きが楽しみ。このほかにはロシア 人形の物語や、スウェーデンの動物ファンタジー、ロシアの民話から『石の花』 などもあり、ファンタジー好きたちの北方びいきは続行中だ。早々と冬眠から目 覚め、ラストスパートにかけるランナーも頼もしい。残された期間はあと1か月 余り、春の野の花など愛でながら、最後まで楽しく走ろう! (文中掲載図書) 『小さなスプーンおばさん』     (アルフ・プリョイセン作/大塚勇三訳/学習研究社/1966年) 『ふしぎなロシア人形バーバ』     (ルース・エインズワース作/多賀京子訳/福音館書店/2007年) "Pekka Topohanta Amerikassa"(Topohanta の o と a すべてにウムラウト) (原題 "Pelle Svanslos i Amerika"〔Svanslos の o にウムラウト〕/  仮題『ペッカ・シッポナシ アメリカへいく』/  Gosta Knutsson〔Gosta の o にウムラウト〕作/Terttu Liukko 訳/  Gummerus/1993年) 『石の花』(パーヴェル・バジョーフ作/島原落穂訳/童心社/1985年) ▽学習室「ファンタジーマラソン」案内 http://www.yamaneko.org/gakushu/open/fm_guide.htm ▽「ファンタジーマラソン」特設掲示板(会員限定) http://yamaneko.or.tv/member/c-board/c-board.cgi?id=fanta2                    (おちゃわん/ぎねびあ/はるはな) ------------------------------------------------------------------------ 掲示板ア・ラ・カルト ------------------------------------------------------------------------    「#」のうしろの数字は、各掲示板での発言番号を表しています。 ★読書室掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=dokusho 【主なトピック】 #1106〜 発言の際のご注意 #1108〜 『ヘリオット先生奮戦記』(続き) #1112〜 ファンタジーマラソン快走中! #1116〜 初めての洋書 #1129〜 小学生の読書マラソン(オーストラリア) #1131〜 『アル・カポネによろしく』読みました(続き) #1132〜 『タイの少女カティ』読みました(続き) #1133〜 カーネギー賞ロングリスト発表! #1134〜 ケイト・グリーナウェイ賞ロングリスト発表! #1138〜 2月に読んだ本 #1155〜 ボローニャ・ラガッツィ賞発表! #1158〜 ゴールデン・カイト賞発表! #1159〜 アストリッド・リンドグレーン記念文学賞発表! #1162〜 『母からの伝言』(続き)  賞関連の情報は、速報掲示板もご利用ください。 ▽「速報(海外児童文学賞)」掲示板 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=award 【新刊読み物】 #1119〜『14歳。焼身自殺日記』(ブレント・ラニアン作/小川美紀訳/小学館): ブレントは、ガソリンに浸したガウンを着て、マッチを擦った。火がついて初め て自分のやったことの意味に気がつき、バスルームを飛び出す……。その後ブレ ントは、全身の85%に及ぶ火傷を克服するため、病院で辛い日々を過ごすことに なる。衝撃のノンフィクションは、意外にも軽快なノリ!? #1128〜『キキ・ストライクと謎の地下都市』(キルステン・ミラー作/三辺律 子訳/理論社):不思議な転校生キキを中心に、主人公のアナンカをはじめ、そ れぞれに特技を持った子どもたちが探偵団を結成し、謎の都市「シャドウ・シテ ィ」へ探検に出かけた! わくわくドキドキの冒険ミステリー。 #1146〜『カーテンの陰の悪魔』(ピーター・エイブラハムズ作/奥村章子訳/ ソフトバンククリエイティブ):サッカーと演劇に夢中な13歳の少女が大活躍す る「イングリッドの謎解き大冒険」シリーズ第2作は、前作以上にハラハラ、ド キドキの連続! 2007年アガサ賞候補作品。 #1150〜『銃声のやんだ朝に』(ジェイムズ・リオーダン作/原田勝訳/徳間書 店):「おじいちゃんはドイツ人を何人殺したの?」孫息子の問いに、ジャック は忌まわしい過去を語り始めた。50年前、当時17歳だったジャックが見た第一次 世界大戦の「現実」とは? #1156〜『月あかりのおはなし集』(アリソン・アトリー作/こだまともこ訳/ 小学館):お日さまが出ていない日もついてくるかげぼうしを持っていたトムの 話や、子ブタを町に売りに行く途中で妖精に会ったディッコンの話など、童話の ようなファンタジー6編を集めた短編集。 #1175〜『一緒にいようよ! ステファニーとふたりの親友』(ジュディ・ブル ーム作/中山利野訳/バベルプレス):ずっと親友どうしだったふたりの女の子 の間にもうひとりの女の子が入ったら? 女の子3人組という、ちょっと微妙な 友情関係や恋の話など、13歳の少女の心理が見事に描かれている。 【新刊絵本】 #1107〜『公爵夫人のふわふわケーキ』(ヴァージニア・カール作/灰島かり訳 /平凡社):公爵夫人がケーキ作りに挑戦。ケーキはおいしそうに膨らんで、膨 らんで……。原書は50年前の絵本ながら、まったく古さを感じさせない。いつの 時代の子どもも夢に見そうな楽しい話をリズミカルな訳が引き立てている。 #1142〜『ネコとサカナ』(ジョーン・グラント文/ニール・カーティス絵/辻 信一訳/アールアイシー出版):星いっぱいの夜空に一艘のボート。乗っている のはネコとサカナ……。大胆かつ繊細なモノトーンの版画で表現された幻想的な 世界。2004年オーストラリア児童図書賞絵本部門受賞作品。 【邦訳読み物】 #1113〜『水曜日のうそ』(C・グルニエ作/河野万里子訳/講談社):おじい ちゃんは毎週水曜日の午後、イザベルのうちにやってくる。それは家族の決まり ごと。あるとき、父親の仕事の都合で一家は転居することになったが、高齢のお じいちゃんにはそのことを知らせず、毎週水曜日のその時間だけ、誰かが元の家 に戻ってくることにした……。 ▽『水曜日のうそ』のレビュー(「月刊児童文学翻訳」3月号) http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/2007/03.htm#hyomi 【未訳読み物】 #1111〜 "Sold"(by Patricia McCormick, Hyperion Books):13歳の少女ラク シュミはネパールの田舎の貧しい家庭に育った。ある日、ラクシュミは継父に売 られ、着いた先はインドの売春宿だった……。ネパール、インドでの取材をもと にした作品。 ▽このほかにも、メープルストリートで紹介されている新刊書の話題などで盛り 上がっています。掲示板の「トピック表示」もどうぞご利用ください。 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?cmd=tpc;id=dokusho                               (えみりい) ★喫茶室掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=kissa #292〜 みんなで話そう、本のこと #303〜 【重要】投稿制限のお知らせ(新) #306〜 「月刊児童文学翻訳」3月号 html 版公開 ▽作品リストの更新情報などは「更新履歴」掲示板でどうぞ。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=rireki ▽リストに関する追加・訂正等の情報は「やまねこ資料室:メモ用掲示板」まで。 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=siryo ▽「イベント情報掲示板」はこちら。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=event ★お菓子掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=okashi #85〜 ライスプディング #92〜 新管理人仲間入りのお知らせ #97〜 プロフィトロール ★おはなし小部屋掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=ohanashi #74〜 3月・新宿・ジュンク堂・ミニおはなし会 ★広場掲示板★(会員限定) http://www.yamaneko.or.tv/member/c-board/c-board.cgi?cmd=tre;id=hiroba #1596〜 第2次ファンタジーマラソンご案内(途中参加表明ツリー) #1598〜 【勉強会のお知らせ】出版翻訳ネットワーク初等学校 #1599〜 春のオフはいかが? #1602〜 読み聞かせの会「子供の広場」終わりました #1604〜 出版翻訳ネットワーク「英日翻訳実力判定テスト」がはじまります! #1606〜 CLCD ニュースレター3月号 #1619〜 いたばし国際絵本翻訳→大賞発表がありました! #1625〜 いたばし事後勉強会→終了しました #1633〜 講座の案内@東京 #1634〜 4月の定例チャット ▽現在進行中または予定されている勉強会の情報はこちらでどうぞ。 http://www.yamaneko.org/gakushu/open/index.htm(勉強会の予定) ▽非会員で、勉強会に興味のある方は入会案内ページへ。 http://www.yamaneko.org/info/guide.htm                                (ラッテ) ------------------------------------------------------------------------ メープルストリート新刊情報 ------------------------------------------------------------------------ http://www.litrans.net/maplestreet/index.htm <朔北社> http://www.litrans.net/maplestreet/p/sakuhoku/index.htm 『ボッケ』(ハリエット・ヴァン・レーク作/野坂悦子訳):ヴァン・レーク氏 が『レナレナ』(野坂悦子訳/リブロポート)で衝撃的なデビューをはたしてか らはや17年。ついにあの奇妙なほんわか感が日本にもどってきた。今度の作品は 奇妙に奇怪を織り交ぜ、前作以上の独創的な物語となっている。なんとなくアヤ シイ世界でのんびりまったり暮らすボッケとリーの家は、妖怪めいたじいさんヤ ナギの木の中。ここをベースに、筋肉むきむきのちいさなおにいさんにお仕置き したり、こびとに気味悪い枝をごちそうになったりするふたりの日常(!)が14 の短い話にまとめられている。じっくり絵本を味わった後は、ヴァン・レーク氏 の公式サイトにいってもうひとつの深いボッケの世界に触れてみることをおすす めする。 ▼ハリエット・ヴァン・レーク公式サイト(テキストはオランダ語、画像は世界 共通語、つまりイラスト) http://www.harrietvanreek.dds.nl/index.html                                  (NON) <光村教育図書> http://www.litrans.net/maplestreet/p/mitumura/index.htm 『ジェイミー・オルークとおばけイモ』(トミー・デ・パオラ再話・絵/福本友 美子訳):ジェイミー・オルークは、アイルランドいちのなまけもの。ある日、 はたらきもののおくさんがけがをしてしまった。それでもはたらきたくないジェ イミーが、偶然つかまえた妖精レプラコーンにもらったのは、伝説通りの金貨の つぼではなく、じゃがいもの「たね」だった……。おはなしはおおげさに語った 方がおもしろい、という作者が、短い昔話をもとに、ジェイミーと彼をとりまく 人々を、こっけいに語り上げている。妖精にじゃがいも、グリーンを基調とした 表紙は、いかにもアイルランドだ。そういえば、3月17日はアイルランドの聖人、 聖パトリックの命日、セント・パトリックス・デイ。「聖パトリックさまの名に かけて」村人が行ったこととは? なまけものなのにどこか憎めない、ジェイミ ーの行く末やいかに。 ▼トミー・デ・パオラ公式サイト(英語) http://www.tomie.com/                               (ぎねびあ) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 発行人 美馬しょうこ(やまねこ翻訳クラブ 会長) 編 集 えみりい/ち〜ず/NON/ラッテ 協 力 出版翻訳ネットワーク管理人 小野仙内(http://www.litrans.net/)     ファンタジーマラソン進行役 おちゃわん/ぎねびあ/はるはな  年度替わりで何かと忙しい今日このごろ、こんな時こそ、就寝前のひととき に本を読んで、心の栄養にしてはいかがでしょうか? 本の情報がいっぱい詰 まった当アクチベーターを、ぜひご利用ください!(ちなみに、わたしは今、 『モモ』を読書中です〜)(ち) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●