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※こちらは「書評編」です。「情報編」もお見逃しなく!!
児童文学翻訳学習者による、児童文学翻訳学習者のための、
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編集部:mgzn@yamaneko.org
2004年7月15日発行 配信数 2340
もくじ◎注目の本(邦訳絵本):〈ガラスのうし モリーのおはなし〉シリーズ 『モリーは にんきもの』アントニオ・ヴィンチェンティ作 ◎注目の本(邦訳読み物):『ダルシマーを弾く少年』 トア・セイドラー作/ブライアン・セルズニック絵 ◎注目の本(未訳絵本):"Bob Robber and Dancing Jane" アンドリュー・マシューズ文/ビー・ウィリー絵 ◎注目の本(未訳読み物):"Sisterland" リンダ・ニューベリー作 ◎Chicoco の親ばか絵本日誌:第28回「こんな子になりました」 ●このページでは、書店名をクリックすると、各オンライン書店で詳しい情報を見たり、本を購入したりできます。 |
『モリーは にんきもの』 『ダルシマーを弾く少年』 "Bob Robber and Dancing Jane" "Sisterland" Chicoco の親ばか絵本日誌 MENU |
注目の本(邦訳読み物)
―― 双子の兄弟を幸せに導く、甘美で懐かしい音色 ――
双子のウィリアムとジュールは、赤ちゃんのときに母親を亡くし、カーバンクル家に引き取られた。養父母の目的は周囲に慈善をひけらかすことだけ。兄弟は愛情を注がれることもなく、最低限の世話しか受けられないまま大きくなった。弟のジュールは言葉を話さず、兄のウィリアムには葉に文字を書いて思いを伝えている。兄は弟をかばい、守りながら暮らしていた。 (井原美穂)
【作】トア・セイドラー 米国ニューハンプシャー州生まれ。スタンフォード大学で英文学を学ぶ。27歳で本書を発表後、現在まで20年以上にわたってアメリカを代表する児童文学作家となっている。邦訳作品に『10万ドルの大作戦 ニューヨークのネズミ』(作家名表記T・シードラー/フレッド・マルチェリーノ絵/きったかゆみえ訳/金の星社)などがある。代表作のひとつ "Mean Margaret" は、1997年全米図書賞児童書部門最終候補作となった。ニューヨーク在住。 【訳】大島英美(おおしま えみ)NJFK(Not Just For Kid's Books)コミッティを通して、英語の本を翻訳や書評など様々な形で紹介。東京広尾でキッズブックスという店舗の経営にも携わる。他の翻訳作品に『おじいさんの旅』(アレン・セイ文・絵/ほるぷ出版)がある。 【参考】◇トア・セイドラー作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室) http://www.yamaneko.org/bookdb/author/s/tseid.htm ◇ブライアン・セルズニック作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室) http://www.yamaneko.org/bookdb/author/s/bslznck.htm ◆キッズブックス http://www.kidsbks.co.jp/
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注目の本(未訳絵本)
―― 闇の盗人が抱いた淡い恋心 ――
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注目の本(未訳読み物)
―― 愛と憎しみは時代を越えて ――
現代のイギリス人少女ヒリーをめぐる物語の間に、第2次世界大戦直前にドイツからイギリスへ疎開した、ユダヤ人少女サラの物語が挿入されている。2つの物語はやがてひとつに結びついていく。 ヒリーの祖母、ハイジおばあちゃんはドイツ出身。第2次大戦中に孤児になり、戦後イギリスへ来たらしい。アルツハイマー病を発症して一人暮らしができなくなったため、ヒリーの家族に引き取られた。おばあちゃんは最近のことはすぐに忘れるのに、昔のことはよく覚えていて、ユダヤ人は悪者だからつきあうなと言い、ドアに鍵をかけないと怖い人たちが入ってくると慌てる。そしてヒリーのことを、ときおり、レイチェルと呼ぶ。レイチェルとは誰なのか? ある日、ヒリーは、祖母の持ち物の中に、自分に似た少女の写真を見つける。写真の裏にはレイチェルと書いてあった。 (赤塚きょう子)
【作】Linda Newbery(リンダ・ニューベリー) 1952年、英国エセックス州生まれ。子ども向けやYA向けの作品を20冊以上発表しており、邦訳に『口笛ジャックをおいかけて』(長滝谷富貴子訳/矢島眞澄絵/文研出版)がある。前作 "The Shell House" は2002年度カーネギー賞、ガーディアン賞の両方でショートリストに入った。ノーサンプトン在住。 【参考】 ◆リンダ・ニューベリーの公式サイト http://www.lindanewbery.co.uk/ ◇リンダ・ニューベリー作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室) http://www.yamaneko.org/bookdb/author/n/lnewbery.htm
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●Chicoco の親ばか絵本日誌●
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●編集後記●
たとえ重苦しい内容を扱っていても、結末に救いがあるのが児童文学作品の魅力のひとつだと思います。今月ご紹介した
"Sisterland"、つらいエピソードも多いですが、ぜひ一読してほしい本です。
(あ)
発 行: | やまねこ翻訳クラブ |
発行人: | なかつかさひでこ(やまねこ翻訳クラブ 会長) |
編集人: | 赤塚きょう子(やまねこ翻訳クラブ スタッフ) |
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