ヨーロッパのその他の国の賞 レビュー集一覧 |
このレビュー集について 10周年記念「世界の児童文学賞ラリー」においてやまねこ会員が個々に書いたレビューを、各児童文学賞ごとにまとめました。メルマガ「月刊児童文学翻訳」や「やまねこのおすすめ」などに掲載してきた〈やまねこ公式レビュー〉とは異なる、バラエティーあふれるレビューをお楽しみください。
なお、レビューは注記のある場合を除き、邦訳の出ている作品については邦訳を参照して、邦訳の出ていない作品については原作を参照して書かれています。
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やまねこ10周年記念「世界の児童文学賞ラリー」レビュー集
アイスランド文学賞(アイスランド) レビュー集 |
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最終更新日 2009/01/23 新規公開
アイスランド文学賞の概要
授 賞 者: アイスランド大統領 |
このレビュー集について 10周年記念「世界の児童文学賞ラリー」においてやまねこ会員が個々に書いたレビューを、各児童文学賞ごとにまとめました。メルマガ「月刊児童文学翻訳」や「やまねこのおすすめ」などに掲載してきた〈やまねこ公式レビュー〉とは異なる、バラエティーあふれるレビューをお楽しみください。
"Sagan af blaa hnettinum 〔Sagan af bláa hnettinum〕"『青い惑星のはなし』
"Sagan af blaa hnettinum 〔Sagan af bláa hnettinum〕" by Andri Snaer Magnason
〔Andri Snær Magnason〕 アンドリ・スナイル・マグナソン 『青い惑星のはなし』 土師明子訳 学習研究社 2007年 |
その他の受賞歴 |
宇宙のはるかかなたにある、ごく普通の青い惑星には、ひとつだけ他の青い惑星と違うところがあった。子どもだけしか住んでいないのだ。なぜ子どもしかいないのか、子どもたちはどこからやってきたのか、なぜ大人にならないのか、それはだれにもわからない。
満月の時に高いがけで風と波を聞くのが一番楽しくて、空から雨が落ちてくるだけでも楽しい、そんな暮らしをしていた子どもたちのところに、「夢かなえ人」の大人、グロイムルがやってきた。グロイムルが「かなえる」夢は、たしかに子どもたちが望んだものではあったが、それは最初から子どもたちの頭にあったものではない。グロイムルが「ヒント」を与え、そこから子どもたちが「たしかにそうなればいいな」と思い始めるのだ。そして、実現すると、さっきまでの小さな喜びはたいくつなものとなり、ほんの少し前まで楽しかった暮らしが、もう二度と戻りたくない世界になっている。グロイムルは子どもたちにこのうえなく上手にヒントを与え、子どもたちはグロイムルに感謝し続ける。どんどん深みにはまっているとも気づかずに。どこかで聞いたような、見たような、なんとも空恐ろしい情景だ。 (冬木 恵子) 2009年1月公開 |
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