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※こちらは「情報編」です。「書評編」もお見逃しなく!!
児童文学翻訳学習者による、児童文学翻訳学習者のための、
M E N U
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プロに訊く 第9回 |
今回は、11月に来日されたアメリカ在住の絵本作家マイケル・グレイニエツさんと、グレイニエツさんの絵本の翻訳をなさっているほそのあやこさんのおふたりに、合同インタビューという形でお話をうかがいました。ほそのさんにはインタビューの通訳もしていただきました。おふたりとも、お忙しいところありがとうございました。
【マイケル・グレイニエツ(Michael Grejniec)さん】 1955年ポーランド生まれ。ヨーロッパでイラストレーターとして活躍。1985年アメリカに移住。『お月さまってどんなあじ?』(セーラー出版)で1996年日本絵本賞翻訳絵本賞受賞。ニューヨーク在住。 ※グレイニエツさん作品リスト http://www.yamaneko.org/bookdb/author/g/grejniec.htm 【ほその あやこ(細野綾子)さん】 1969年東京生まれ。1983年アメリカに移住。ニューヨークのスクール・オブ・ビジュアル・アーツ卒業後、グラフィックデザイナーとして活躍。今年日本で出版されたグレイニエツ氏の絵本の翻訳を3冊手がけている。ニューヨーク在住。 ※ほそのさん作品リスト http://www.yamaneko.org/bookdb/int/ls/ahosono.htm |
※【イ】インタビュアー 【グ】グレイニエツさん 【ほ】ほそのさん
【イ】グレイニエツさんにおうかがいします。伸縮自在の不思議ないきものが主人公の絵本『クレリア』(セーラー出版)が話題になっていますね。この作品を読んだ日本の子どもたちから作文や絵がたくさん送られてきたそうですが、それについてはどう思われましたか。
『クレリア』 (セーラー出版) |
【グ】
子どもたちが「クレリア」という実在しないものを色や形も含めて素直に認めてくれたこと、また、クレリアがほかの虫たちに自分の寝床をゆずっていって最後には消えてしまうというストーリーを何の問題もなく受け入れてくれたことには、正直いって驚きました。というのも、アメリカでは宗教的な観点から「消える」ことが「死」をイメージさせるという理由で出版されなかったからです。
この絵本を読み終えたあと、子どもたちがそれぞれの方法で前向きに『クレリア』という物語をとらえ、お話の続きを考えてみたり、絵に描いてみたり、外に飛び出して実際にクレリアを探してみたりしてくれたことは、うれしいことでした。そんなとらえ方をしてくれることを、作者として多少は期待していましたが、ここまで大きな反応を得られるとは思いませんでした。
【イ】この作品にはどんな思いが込められているのでしょうか。
【グ】
クレリアは架空の生きものですが、消えてしまったことを子どもたちに受け入れられ、絵や工作などで呼び戻された時点で、実在したことになります。なぜなら、実在しないものを呼び戻すことはできないからです。このように、目の前にいないものに思いを馳せることで、それを現実にひきつける、あるいは、そばにいなくて寂しいと思うのではなく、そばにいないからこそ、その存在を強く感じるということは、大切なものを大切に思えるすばらしさにつながるのではないでしょうか。
何かを失うということは悪いことではありません。「あるもの」は良くて、「ないもの」は悪いということはないのです。現実とは「あるもの」と「ないもの」が混ざり合って成り立っています。こうした物事の持つ二面性も表現したいと思いました。
ただし、クレリアは決して道徳的な存在ではありません。人間ではなく虫で物語を表現したのも、教訓的な面が強調されないようにという配慮からでした。
【イ】ご自分の絵本のスタイルをどのように考えていらっしゃいますか。
『いちばんたかいのだあれ?』(金の星社) |
【グ】
私の絵本のスタイルはアメリカでは受け入れられにくいと考えています。アメリカでは、絵本の中に必ず教訓が求められる傾向がありますし、商業的にも勝算がなければ出版されることはまずありません。虫たちが背比べをする話『いちばんたかいのだあれ?』(金の星社)も、最後に一番小さなテントウムシが空を飛んで自分が一番だというのは不公平で背比べにならないと受け入れられませんでした。
白黒をはっきりさせるアメリカと違って、日本は物事に寛容で、読者の許容範囲も広いように思います。とりあえずなんでも受け入れてくれるような国民性、いい意味でのあいまいさは、私の作品に合っているように思います。
【イ】ほそのさんにおうかがいします。『クレリア』の翻訳の際、特に苦労されたところはありますか。グレイニエツさんにご相談なさることはあったのでしょうか。
【ほ】
『クレリア』に限ったことではないのですが、いつも出だしの言葉には苦労します。訳し方について、グレイニエツさんに相談することはありました。たとえば、「にょろにょろ」というクレリアの言葉は、原文では「イイイイ〜〜ーッ」というような音だったのですが、これでは日本人にはピンとこないのではないかと思い、「にょろにょろ」の言葉の持つイメージを伝えて了解をもらいました。逆に、虫たちのお礼の言葉"Thank you"については、グレイニエツさんの方から「日本語にはお礼の表現の仕方がいろいろあるのだから、訳し分けてみたらどうか」と提案があり、虫のキャラクターに合わせて言い回しを変えて訳してみました。
『どのあしがさき?』 (鈴木出版) |
【イ】『どのあしがさき?』(鈴木出版)では、文章を担当されていますね。
【ほ】
私が英文で書いたお話にグレイニエツさんが絵をつけてくださった作品で、私の試訳をつけて持ち込んだのですが、もりひさしさんの訳で出版されることになりました。もりさんの訳には、私の試訳とは違った良さを感じて気に入っています。できあがった絵本の表紙に「ほそのあやこ/作 もりひさし/訳」とあるのを見て、日本人の作品なのに別人の邦訳がついたという、おもしろい現象を実感しました(笑)。
【イ】グレイニエツさん、ご自分の作品が翻訳という作業を通してから他国の子どもたちの手に届くという意味で、翻訳者に求めていらっしゃるものはありますか。
【グ】
私は翻訳された国の言葉を知らないわけですから、どう訳されているのか確かめることはできません。翻訳者というのは音楽でいえば編曲者のようなものではないでしょうか。同じ曲でもピアノ曲にしたりオーケストラにしたり。翻訳する過程で原文に付け足す部分も、削る部分もでてくるでしょう。私としては翻訳者を信頼し、ベストをつくしてほしいと思うだけです。
【イ】おふたりの今後の予定を教えてください。
【グ】
今、フレスコ画の技法を使った絵本を制作中です。
今までは、作品の表面の仕上がり具合は紙の材質にたよるしかありませんでした。けれども、この技法を使い、紙にあたる漆喰の部分から自分の手で作成することで、できあいの紙では表現できなかったような、まったくオリジナルな形状の表面をもった作品を作ることができるのです。実際に絵本にするには、できあがった作品を写真にとって印刷することになりますが、フレスコ画法を使った絵本は初めての試みなので楽しみです。
【ほ】
これからもグレイニエツさんの作品を翻訳していきたいと思っていますが、機会があれば他の方の翻訳もやってみたいです。他の方の作品を翻訳する場合も、グレイニエツさんのときと同じように、原作者が存命の方であれば、ファックスやEメールなどでコミュニケーションをとりながら、やっていきたいですね。
(インタビュー・文 谷川倫子)
★おふたりが仕事を始められたきっかけや、日本の子どもたちの印象などもうかがっています。ぜひインタビューのノーカット版をご覧ください。 | ||
『どうして かなしいの?/どこに いるの?』(ポプラ社) | 『お月さまってどんなあじ?』(セーラー出版) |
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出版社研究 第6回 |
第6回は、日本児童文学の名作を世に送り続け、最近ではヤングアダルト向けの翻訳書にも力を入れ始めている「理論社」。東京・新宿のオフィスを訪ね、編集部の小宮山民人さんと平井拓さんに、理論社の歴史や出版傾向についてお話をうかがった。 |
★会社概要 〜「理論」の理論社から「子ども」の理論社へ〜
理論社は、創業者であり小宮山民人さんの父親でもある小宮山量平氏の「戦後日本の活字文化を建て直したい」という考えに基づき、1948年に設立された。当初の出版傾向は、社名の通り、学術書、思想書、社会科学書が中心だった。子どもの本に関わるようになったのは1950年代後半。その原点といえるのが、このころから刊行を引き継いだ『きりんの本』だった。子どもたちの詩をまとめたこの雑誌は、表紙の絵に長新太氏、和田誠氏、宇野亜喜良氏、井上洋介氏らが、執筆に灰谷健次郎氏らが参加するなど、後に日本の代表的な作家や画家となる人々の手によって作られていた。小宮山量平氏は、『きりんの本』で子どもの持つ力に魅了されることとなる。
1960年代に入ると、理論社は出版の中心を学術書から児童書へ移行させていく。戦後、児童文学という言葉さえ馴染みのなかった時代、子どもの本といえば、大人の本を子ども用に書き直したもの、しかも海外のものがほとんどだった。そこで、小宮山量平氏は「日本の作家による日本の子どものための文学」を出そうと考える。その情熱にひかれて優秀な人材が自然と集まり、「国産」の質の高い作品、今もなお読みつがれるロングセラーが次々と生まれた。1970年以降は、『兎の眼』(灰谷健次郎作/1974年)、『北の国から』原作シナリオシリーズ(倉本聰作/1981年〜)など、大人の読者にもアピールする作品も出版、絶えず日本の児童書界に新風を送り続けている。
【「国産」の子どもの本を】
ここに1960年代半ばまでに出版された理論社の創作児童文学を一部ご紹介する。
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★出版傾向 〜風通しのいい作品を〜
『日本の書き手による、日本の子どもたちに手渡す文学』。理論社の旗印は今も基本的には変わらない。しかし、近ごろでは海外の情報がリアルタイムに手に入るようになり、日本と諸外国とのずれが少なくなってきているため、「今なら日本の子どもも海外の本を“同時代人”として読めるのではないか。そう思って児童書の翻訳ものを手掛け始めました」(小宮山さん)
理論社は1998年9月に『犬のウィリーとその他おおぜい』(ペネロピ・ライヴリー作/神宮輝夫訳)を出版して以来、ヤングアダルトの翻訳作品を計5冊出している(99年12月現在)。児童書の中でも、高学年向けを揃えているのは、子どもも大人も自由に楽しめるジャンルだからだという。『カラフル』(森絵都作)などの日本のヤングアダルト作品と合わせて、全体的に「理論社」のカラーが出せればと考えている。
「“児童書はこうあるべき”という枠は外していきたいですね。テーマを追うだけの押しつけがましい話ではなく、作品世界そのものを楽しめるもの、つまり“風通しのいいもの”を出したいと思っています」(平井さん)その言葉通り、例えば『ひねり屋』(ジェリー・スピネッリ作/千葉茂樹訳)は、既存の児童書のイメージからするとかなり重いテーマを扱っているが、作者の筆に勢いがあるのびやかな作品で、独特の世界を作っている。また、『レーナ』(ジャクリーン・ウッドソン作/さくまゆみこ訳)は、児童書には珍しい英字のみの表紙。背景の印象的な黄色は原書とは違うが、本のイメージから決めたそうだ。理論社が内容、装丁とも、本の持ち味を生かそうとしていることがうかがえる。
「悩みながら、様子を見ながら、1冊1冊出してきました」そう語る小宮山さんだが、同時に読者からの手応えも確かに感じているという。「今後も手探りで少しずつ進んでいきたいと思います」“風通しのいい作品”が、これからどんな理論社のカラーを作っていくのか、大いに期待したい。
【翻訳家を目指すみなさんに求めたいこと】
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★今後の出版予定
これからも大人も子どもも気持ちよく楽しめる翻訳ものを出していきたいとのこと。12月にはロサンゼルスの少女たちの生活をポップに描いた短編集『「少女神」第九号』(F・L・ブロック作/金原瑞人訳)を刊行。2000年には、ジョーン・エイキンの"THE FELIX TRILOGY"の第1部『海に鞍を』、カレン・ヘッセのニューベリー賞受賞作"Out of the Dust"、クラウス・コルドンの大作"Berlin"を出す予定。
住所 〒162-0056 東京都新宿区若松町15-6 電話 (03)3203-2577 FAX (03)3203-5741 |
(取材・文 田中亜希子)
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展示会/セミナー・講演会情報 |
◎いわむらかずお絵本の丘美術館「竹田津実写真展/いわむらかずお絵本原画展――里のくらしと生きものたち・キツネ」 | |
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所在地: | 栃木県那須郡馬頭町大字小砂3097 |
電 話: | 0287-92-5514 |
会 期: | 平成12年2月13日まで |
休館日: | 月曜日、12月13日〜31日 ※正月は元旦から開館(1/3(月)も開館) |
入場料: | 一般900円 中・高生700円 小学生500円 幼児300円 |
内 容: | 里のくらしと生きものたちの姿をやさしいまなざしでとらえる、写真家竹田津実と、絵本作家いわむらかずおの作品展。 |
◎丸善大阪心斎橋店「第37回せかいの絵本展」 | |
所在地: | 大阪市中央区博労町3-3-2(地下鉄心斎橋駅1番出口から北へ5分) |
電 話: | 06-6251-2700 |
会 期: | 平成11年12月29日まで |
休館日: | なし |
入場料: | 無料 |
内 容: | ヨーロッパ、アメリカ、アジアなど世界各国の絵本約5,000冊を展示即売。 |
◎京都高島屋「ディック・ブルーナの世界展 Miffy うさこちゃんとなかまたち」 | |
所在地: | 京都市下京区四条河原町角 京都高島屋グランドホール(7F) |
電 話: | 075-221-8811 |
会 期: | 平成11年12月19日から12月29日まで |
休館日: | なし |
入場料: | 一般・大学・高校生500円 中・小学生・幼児300円 3歳以下無料 |
内 容: | うさこちゃん(ミッフィー)の絵本で有名なオランダの絵本作家、ディック・ブルーナの世界を紹介。日蘭交流400周年記念。 |
(瀬尾友子)
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―― セミナー・講演会情報 ―― |
◎クレヨンハウス 子どもの本の学校講座 | |
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講 師: |
1月 岡田 淳(児童文学作家) 「物語と演劇と現実と」(演劇、『こそあどの森』などの物語、現実の子どもたちについて) 2月 今江祥智(児童文学作家) 「40年目のごあいさつ」(児童書の世界に入ってからの40年間を振り返って) |
場 所: | クレヨンハウス(東京 港区北青山3-8-15 大阪 吹田市江ノ木町5-3) |
日 時: | 1月 東京 8日 大阪 15日、2月 東京 5日 大阪 12日(いずれも土曜)16:00〜17:30(15:30開場) |
参加費: | 非会員 2,500円 会員は無料(年会費に含まれる) |
問合せ: | クレヨンハウス(東京 03-3406-6492 大阪 06-6330-8071) |
その他: | 非会員は、当日の朝11時から子どもの本売場にて販売される当日券を購入。全席自由。会員のみで定員に達した場合は立ち見になることもあり。 |
◎サークル子どもの本と図書館 講演会「子どもの本と子どもの現在」 | |
講 師: | 清水真砂子(児童文学翻訳家) |
場 所: | つくば文化会館アルス(茨城県つくば市吾妻2-8)アルスホール |
日 時: | 平成12年1月22日(土)10:30〜12:30(10:00開場)申込不要 当日先着順 |
入場料: | 無料 |
定 員: | 150名(小学生以下の入場不可) |
内 容: | 情報化社会のなかで子どもの文学に何ができるかを考える。 |
◎時をつむぐ会 エリック・カールさんの実演とおはなし | |
お 話: | エリック・カール(絵本作家) |
場 所: | 高崎シティギャラリー(群馬県高崎市高松町35-1)コアホール |
日 時: | 平成12年1月23日(日)1回目 13:00〜15:00 2回目 16:00〜18:00 |
入場料: | 2,000円 |
定 員: | 各回300名 |
内 容: | カール氏の絵本づくりの秘密など、楽しいお話と夢いっぱいのステージ。 |
申 込: | 時をつむぐ会事務局(群馬県高崎市中居町4-31-17 TEL 027-352-4613) |
その他: | エリック・カール絵本原画展も開催(1/22〜2/8) |
◎いわむらかずお絵本の丘美術館 エリック・カール+いわむらかずおミュージアム・トーク | |
対談者: | エリック・カール(絵本作家)いわむらかずお(絵本作家) |
場 所: | いわむらかずお絵本の丘美術館(栃木県那須郡馬頭町大字小砂3097) |
日 時: | 平成12年1月26日(水)18:00〜(要予約) |
参加費: | 大人 2,105円 小学生 1,105円 |
問合せ: | いわむらかずお絵本の丘美術館(TEL 0287-92-5514 FAX 0287-92-1818) |
その他: | エリック・カール/いわむらかずお絵本原画展も開催(2/17〜3/20) |
(中野伊都子)
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世界の児童文学賞 第8回 |
〜カナダの歴史ある文学賞の児童書部門〜
名 称 : |
カナダ総督文学賞 児童書部門(物語/絵) (Governor-General's Awards for Children's Literature Text and Illustration) |
対 象 : | カナダ国籍あるいは永住権を持つ作家/画家の作品。出版国は問わない。 |
創 設 : | 1975年/1977年 |
選 考 : | カナダ・カウンシル(The Canada Council for the Arts) |
発 表 : | 毎年11月(1999年は11月16日) |
関連サイト: | http://www.canadacouncil.ca/prizes/ggla/ |
カナダ総督文学賞は、文学者でもあったジョン・バッカン(John Buchan)外交官の総督任官を記念して、1936年にカナダ作家協会(The Canadian Authors Association)によって創設された。当初は一般書のみが対象だったが、47年にジュブナイル部門(Juvenile category)が設けられた。57年、国内の芸術活動の支援を目的に設立されたカナダ・カウンシルに賞の主催が引き継がれ、このジュブナイル部門はいったん廃止される。その後75年に、独立した児童文学賞としてカナダ・カウンシル児童文学賞(Canada Council Children's Literature Prize)が創設された。同賞は、77年に物語と絵の2部門となり、さらに87年にカナダ総督文学賞に児童書部門(物語/絵)として組み込まれて、現在に至っている。
対象となるのは、カナダ国籍あるいは永住権を持つ作家/画家の作品で、出版社から推薦のあったもの。選考委員会は作家や評論家など専門家からなり、文学的、芸術的側面から評価を行う。各部門とも、英語、フランス語の両言語について贈られる。
■1999年度の受賞作(上記URL参照のこと)
Rachna Gilmore "A Screaming Kind of Day"(物語/英語) Gary Clement "The Great Poochini"(絵/英語) Charlotte Gingras "La Liberte(´)? Connais pas..."(物語/フランス語) Ste(´)phane Jorisch "Charlotte et l'ile du destin"(絵/フランス語) ※アクサン・テギュ(´)は、前の文字の上につく。 |
■主な受賞作家/画家(英語作品) <物語部門> ◎Tim Wynne-Jones ティム・ウィン=ジョーンズ イギリスに生まれ、カナダのオタワで育つ。93年に"Some of the Kinder Planets"(『火星を見たことありますか』山田順子訳/岩波書店)、95年に"The Maestro"で受賞。いずれもカナダ国内で複数の賞に輝き、前者は米国のボストングローブ=ホーンブック賞も受賞した。 <絵部門> ◎Ludmila Zeman ルドミラ・ゼーマン 旧チェコスロバキア生まれ。1984年に家族とともにカナダに移住、テレビの動画の仕事などを経て、絵本の世界に入った。95年、"The Last Quest of Gilgamesh"(『ギルガメシュ王さいごの旅』松野正子訳/岩波書店)で受賞。"The First Red Maple Leaf"(1997)は、昨年の「いたばし国際絵本翻訳大賞」課題作品。 |
(森 久里子/植村わらび)
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◆ニューベリー賞読破マラソン ◆バベル絵本翻訳コンテスト勉強会(12/28まで) |
発 行: | やまねこ翻訳クラブ |
発行人: | 生方頼子(やまねこ翻訳クラブ 会長) |
編集人: | 宮坂宏美(やまねこ翻訳クラブ スタッフ) |
企 画: | 河まこ キャトル くるり 小湖 Chicoco どんぐり BUN ベス YUU りり ワラビ MOMO つー さかな こべに みーこ きら Rinko SUGO わんちゅく みるか |
協 力: |
@nifty 文芸翻訳フォーラム 小野仙内 ながさわくにお |
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