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月刊児童文学翻訳

─2003年2月号(No. 47 情報編)─

※こちらは「情報編」です。「書評編」もお見逃しなく!!

児童文学翻訳学習者による、児童文学翻訳学習者のための、
電子メール版情報誌<HP版>
http://www.yamaneko.org/mgzn/
編集部:mgzn@yamaneko.org
2003年2月15日発行 配信数 2620


「どんぐりとやまねこ」

     M E N U

◎新人応援!
第4回 永瀬比奈さん

◎展示会情報
木城えほんの郷「たからものの絵本と原画展」

◎セミナー・講演会情報
NCRCL「国際児童文学サマースクール(CLISS)」

◎お菓子の旅
第21回 英国伝統の風味は、多種多様 〜スコーン〜

◎読者の広場
海外児童文学や翻訳にまつわるお話をどうぞ!

 



新人応援! 第4回

―― 永瀬比奈さん ――

 

 新人応援の第4回は、昨年8月に『シャングリラをあとにして』(マイケル・モーパーゴ作/徳間書店)を出版された永瀬比奈さんです。作品の魅力や、デビューまでの経緯、今後の抱負などをうかがいました。

 

【永瀬比奈(ながせ ひな)さん】

 1963年生まれ。上智大学外国語学部英語学科卒業。航空会社勤務の後、夫の転勤に伴いアメリカ、テキサス州に住む。帰国後、子どもの頃から好きだった児童書の翻訳を志し、勉強を始める。いたばし国際絵本翻訳大賞英語部門において第1回審査員特別賞、第3回優秀賞を受賞。東京在住。

 

『シャングリラをあとにして』表紙

★まずは、『シャングリラをあとにして』のご出版、おめでとうございます。昨年のやまねこ賞読み物部門にも入賞した作品ですね。どのようなお話ですか?

 このお話の主人公は、11歳の女の子セシーです。ある日、今まで会ったこともなかったパパのお父さん、つまりおじいちゃんが突然家にやってきます。幼い頃に父親と別れたきりだったパパは、おじいちゃんにつらくあたりますが、セシーはすぐにおじいちゃんを好きになりました。そして、おじいちゃんが失った記憶をとりもどす手助けをし、やりのこした仕事をするために一緒に旅に出ます。

 この作品の魅力は、登場人物の優しさですね。特にセシーとおじいちゃんのせりふには、あったかいものを感じます。それに、200ページ余りの短いお話の中で、老人問題、親子の確執、戦争、いじめなど、深刻なテーマをたくさん扱っているのに、暗くなることもなく、すっきりとして読みやすいところは、さすがに力のある作家だと思います。意外と、セシーの両親ぐらいの年代の方、実際に介護問題に直面している世代の読者からの反応がいいんですよ。セシーと同年代の子どもたちだけでなく、幅広い年齢の読者が、自分と登場人物の誰かとを重ね合わせて読んでくださっているようです。


★翻訳書の出版は初めてということですが、どんな点で苦労なさいましたか?

 セシーにはすんなり感情移入できたので、せりふも訳しやすかったのですが、おじいちゃんの一人称や言葉づかいには悩みました。老人だからといって「〜なんじゃ」というしゃべりかたをするとは限りませんし、長く語る部分があるので、あまりしつこくなってもいけないと思って、気をつかいました。それから、実際にある詩や歌、人などが出てくるので、調べ物が大変でした。「ポパイ」だって、今の子は知らないんですね。編集の方から、セシーが運河で見かける遊覧船の名前まで調べるようにと言われたときは驚きましたが、本を出版してたくさんの方に読んでいただくには、そうやって細部にまで気をくばる姿勢が必要なのだということが分かり、とても勉強になりました。


★この作品を訳すことになった経緯を教えてください。

 1997年から徳間書店のリーディング(未訳の原書を読んで要約と感想をまとめる仕事)をさせていただいているのですが、ある日いつものように編集部にうかがったとき、「これはもう出るのが決まっている本なんだけど、訳してみない?」と渡されたのが『シャングリラ〜』だったのです。思いがけないお話でしたが、とても嬉しかったです。

 それが1999年の11月末のことで、3か月ほどかけてひと通り訳しました。そのあとハリー・ポッター・ブームが起こり、徳間書店としてもファンタジーに力を入れることになって『シャングリラ〜』の仕事は1年ぐらいお休みになり、2002年になってから、本格的に編集の方との原稿のやりとりが始まりました。


★翻訳の勉強を始める前は、航空会社にお勤めだったそうですね。

 はい、子どもの頃から空港に行く機会が多く、中学生の時から「スチュワーデスになりたい!」と思っていました。飛行機が好きだったのと、いろいろな国に行く仕事がしたかったからです。念願がかなって大学卒業後に航空会社に就職し、夫のアメリカ転勤を機に退社するまで5年間勤めました。

 アメリカから帰ってきたとき、さて何をしようか……とずいぶん考えました。何か英語に関わる仕事がしたいと思って、就職情報誌を見たりしていましたが、その頃ちょうど停年になって翻訳の勉強を始めていた父の影響で、わたしも翻訳に興味を持つようになり、通信教育を受けてみることにしました。


★高校時代にも2年間アメリカで暮らしていらしたそうですが、同時通訳などは考えなかったのですか?

 通訳になりたいと思ったことはありません。イベントや学会の受付の通訳をしたことはありますが、同時通訳などは、頭の回転が速くて、臨機応変に対処できる人でないと務まらないので、わたしにはとても向いていないと思います。それよりも、家で自分のペースでじっくりとできる翻訳のほうが合っているんです。


★翻訳の中でも児童書の翻訳を志そうと思われたのはなぜですか?

 最初に受講した翻訳学校バベルの通信教育の本科で、いろいろなジャンルの作品を訳す機会があったのですが、その中で児童文学が一番楽しくできたので、これに絞ろうと思い、坂崎麻子先生の児童文学翻訳のクラスに一期通いました。思い起こせば、わたしが一番本を読んでいた時期というのが小学生のときで、卒業文集には将来童話作家になりたいなどと書いていたので、やはりそこに戻っていったのだと思います。


★その後は、どのように勉強を続けてこられたのですか?

 坂崎先生の授業が終わって半年後くらいに、先生のクラスを修了した方々による勉強会が始まり、それに参加することになりました。それからしばらくして、先生に徳間書店のリーディングの仕事も紹介していただきました。わたしがしてきたのは、このふたつだけ。月1回の勉強会と月1冊のリーディングだけです。「やまねこ翻訳クラブ」のことも知りませんでしたし、あまり情報もなかったので、これでいいのだと思っていました。


★その後は、どのように勉強を続けてこられたのですか?

 坂崎先生の授業が終わって半年後くらいに、先生のクラスを修了した方々による勉強会が始まり、それに参加することになりました。それからしばらくして、先生に徳間書店のリーディングの仕事も紹介していただきました。わたしがしてきたのは、このふたつだけ。月1回の勉強会と月1冊のリーディングだけです。「やまねこ翻訳クラブ」のことも知りませんでしたし、あまり情報もなかったので、これでいいのだと思っていました。


★でも、地道に勉強を続けていらしたのですね。途中であきらめようと思ったことはありませんか?

 あります! コンテストに入賞したこともあったのですが、それも最初の頃だけで、あとは落選ばかりしていました。それで、勉強を続けていても実力がついている、目標に近づいているという手ごたえを感じられなくなってしまい、何でこんなことをしているんだろう、と放り出したくなったこともあります。

 それでも続けてきたのはなぜか。それはたぶん、励ましあえる仲間がいたからではないかと思います。それから、それまでほとんどまともに会話をしたことのなかった父と、30歳を過ぎてから初めて共通の話題が持てたことは、良い刺激になりましたね。父はビジネス翻訳の勉強をしていて、翻訳仲間の集まりに連れて行ってくれることもあるんですよ。


★本をよく読んだのは小学生の頃だとおっしゃっていましたが、どんな作品がお好きですか?

『ももいろのきりん』表紙

 子どもの頃に読んで印象に残っているのは、小学校入学の時に買ってもらった『ももいろのきりん』(中川李枝子さく/福音館書店)と高学年で夢中になった「ぽっぺん先生」シリーズ(舟崎克彦作)です。『ももいろのきりん』は突然「るるこは〜」で始まるんですよ。それまで「昔むかしあるところに〜」で始まる絵本ばかり読んでいたので、すごくびっくりして、ページが破れているに違いないと思い、何度も確かめた覚えがあります。

 今は、大人も子どもも楽しめる、哲学的なテーマなどを扱ったファンタジーが好きです。現実が重くのしかかってくるような話よりも、別世界を見せてくれて、読んだあとにほのぼのと心に残る作品が好きですね。作家で言うと、ミヒャエル・エンデやヨースタイン・ゴルデルなどです。絵本では、五味太郎やアンドレ・ダーハン、ドクター・スースなどの作品が大好きです。


★最近、やまねこ翻訳クラブの会員になられたということですが、入会の動機、入会後の感想など聞かせていただけますか?

 これまでお話ししてきた通り、わたしは本当に井の中の蛙でしたし、まだまだ勉強不足です。出版を目前にして、やっとそれに気づいたわけです。それからあわてていくつかの読書会に参加したり、かねてから友人に誘われていたやまねこ翻訳クラブに入会したりしました。まだオフ会ぐらいしか参加していないのですが、みなさん初対面でも気さくに話しかけてくださって、居心地がいいです。勉強家で物知りのみなさんから、いっぱい刺激をもらいますし、営業の仕方など貴重な情報もうかがえて、とても参考になります。翻訳って孤立しがちな作業ですけれど、横のつながりは大切だなと思いました。


★翻訳以外で、熱中していることはありますか?

 始めると夢中になってしまうので今はがまんしているのですが、一番好きなのは手芸です。子どもの頃から、外に出て体を動かすより、家の中にいるほうが好きでした。音楽を聴きながら編み物をしたり、ビーズアクセサリーなどを作っているときが、最高に幸せです。あと心にゆとりができたら、お休みしている絵も再開したいですね。


★今後の抱負、訳してみたい作家やジャンルがあったら教えてください。

 今回は幸運にもこのようなチャンスに恵まれましたが、また初心にかえって、日本語でも英語でもたくさん本を読もうと思います。まずは自分に合った作家やジャンルを探すことから始めなければ、と思っています。どうしても自分で訳したいと思えるような本と出会うことが目標ですね。『シャングリラ〜』は、幸い自分に合っていたと思います。心温まるモーパーゴの作品は、これからも読んでいきたいです。


◆     ◆     ◆     ◆     ◆

「わたしは、まだまだスタートラインに立ったばかり」とおっしゃる永瀬さん。にこやかで、控えめで、細かい心配りを忘れない方です。意欲的に勉強を始められた永瀬さんが、これからどんな風に成長していかれるのか、やまねこの仲間としても、とても楽しみですね。

(インタビュアー:笹山裕子)

 

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展示会/セミナー・講演会情報

―― 展示会情報 ――

 

◎木城えほんの郷「たからものの絵本と原画展」
所在地: 宮崎県児湯郡木城町石河内475
電 話: 0983-39-1141
会 期: 平成15年2月23日(日)まで
休館日: 月曜日(祝祭日のときは翌日休館)
入場料: 小学生以上300円
内 容: 木城えほんの郷のコレクションから、絶版となっていた絵本を復刻して紹介する。今回は『ヒマラヤのふえ』『まるのうた』『にげだしたひげ』『ちょうちんまつり』の4冊を復刻。
参 考: http://www.mnet.ne.jp/~ehon/index.htm
 
◎斑尾絵本美術館「イメージの魔術師エロール・ル・カイン絵本原画展」
所在地: 長野県飯山市斑尾高原11492-224
電 話: 0269-64-2807
会 期: 平成15年2月24日(月)まで
休館日: 火曜日(祝祭日のときは翌日休館)
入場料: 一律700円(飲み物付き・幼児無料)
内 容: 『ハイワサのちいさかったころ』でケイト・グリーナウェイ賞を受賞した絵本画家エロール・ル・カインの原画展。
参 考: http://www.shinshu.co.jp/museum/madarao_ehon.html
 
◎えほんミュージアム清里「瀬川康男絵本原画展」
所在地: 山梨県北巨摩郡高根町清里3545-6079
電 話: 0551-48-2220
会 期: 平成15年3月17日(月)まで(ただし2月末まで休館)
休館日: 火曜日
入場料: 一般700円 中学生・小学生400円
内 容: アメリカやデンマークなど海外でも広く知られる絵本作家、瀬川康男の原画展。全9巻に及ぶ『絵巻平家物語』から「祇王」と「俊寛」の原画を展示。
参 考: http://www.ehonmuseum-kiyosato.co.jp/event/now_index.htm
 
◎大丸ミュージアムKOBE「ピーターラビットの世界」
所在地: 兵庫県神戸市中央区明石町40番地 大丸神戸店9階
電 話: 078-331-8121
会 期: 平成15年2月25日(火)まで(会期中無休)
休館日: 会期中の休館日は12/15,23 12/28〜1/4まで
入場料: 一般700円 大学生・高校生500円 中学生以下無料
内 容: ピーターラビットの絵本出版100周年を迎えた2002年より、英国・国立ヴィクトリア&アルバート美術館と版元のフレデリック・ウォーン社の協力で世界主要都市を巡回している「ピーターラビットの世界」展。
参 考: http://www.daimaru.co.jp/museum/existing/kobe/peter.html

(瀬尾友子)

 

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―― セミナー・講演会情報 ――

 

◎株式会社イーウーマン『赤毛のアン』の英語セミナー3
講 師: 松本侑子(作家・翻訳家・日本ペンクラブ理事)
場 所: eWomanセミナールーム(〒107-0062 東京都港区南青山5-1-2 6階)
日 時: 第1回 平成15年3月1日(土)
第2回 平成15年3月15日(土)
第3回 平成15年3月29日(土)毎回13:30〜15:30 1回のみの参加も可。
参加費: 全3回分24000円 1回分12000円 下記サイトより申込むと割引あり。
申込み: 氏名、住所、電話番号、受講料振込み日、メールアドレスを記入して、FAX(03-5766-7801)/E-mail(univ@ewoman.co.jp)/郵送で申込む。
問合せ: 株式会社イーウーマン(〒107-0062 東京都港区南青山5-1-2 4階)
詳 細: http://member.nifty.ne.jp/office-matsumoto/
 
◎関東学院大学公開講座 「ファンタジーの世界」
講 師: 平成15年3月1日(土) 谷本誠剛
平成15年3月8日(土) ひこ・田中
平成15年3月15日(土) 上橋菜穂子
平成15年3月22日(土) 吉原高志
場 所: 関東学院大学金沢八景校舎(〒236-8501 横浜市金沢区六浦東1-50-1)
日 時: 平成15年3月土曜日 14:00〜16:00
参加費: 全4回4000円(当日支払)関東学院大学生は2000円
申込み: FAX(045-786-7893)/郵送で申込む。下記サイトに申込み用紙あり。
平成15年2月20日(木)締切り。定員は80名。
問合せ: 関東学院大学生涯学習センター(TEL 045-786-7892)
〒236-8501 横浜市金沢区六浦東1-50-1
詳 細: http://www.kgu-sanyohkai.gr.jp/topics/annai.html
 
◎クレヨンハウス 子どもの本の学校「ここだけの話」
講 師: 今江祥智(童話作家)
場 所: クレヨンハウス東京店(東京都港区北青山3-8-15)
劇団ひまわりビル(大阪府吹田市江坂町1-18-2)
日 時: 東京 平成15年3月15日(土) 大阪 3月8日(土) 16:00〜17:30
参加費: 2500円(会員は無料)
定 員: 東京 120名 大阪 150名
問合せ: 東京店(TEL 03-3406-6492) 大阪店(TEL 06-6330-8071)
その他: 非会員は、当日の朝11時から子どもの本売場にて販売される当日券を購入。
会員のみで定員に達した場合は立ち見になることもあり。
 
◎NCRCL 「国際児童文学サマースクール(CLISS)」
講 師: アンソニー・ブラウン(絵本作家)、エイダン・チェンバーズ(作家)、ピーター・ハント(批評家)らが予定されている。
内 容: 児童文学史、絵本論、民話、ファンタジー論などの講義(英語)
場 所: ロンドン、ローハンプトン大学
期 間: 平成15年7月25日〜30日
参加費: 625ポンド(朝食付き宿泊料、打ち上げパーティー、遠足代込み)
申込み: NCRCL University of Surrey, Roehampton, Digby Stuart College, Roehampton Lane, London SW15 5PH, UK
TEL/FAX +44(0)208-392-3819 Email ncrcl@roehampton.ac.uk
NCRCLのサイトにある申込み用紙にて、電話/ファックス/Emailで申込む。
3月31日締切り。費用はクレジットカードで支払う。
詳 細: http://www.ncrcl.ac.uk/cliss/index.htm (NCRCL)
http://www.roehampton.ac.uk/digby/ (Digby Stuart College)

(竹内みどり/吉村有加)

 

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お菓子の旅 第21回

―― 英国伝統の風味は、多種多様 ――
〜スコーン〜

 

A smell of baking, hot, dry, delicious, came out and made straight for Val. The woman was peering into the oven: 'Ah,' she said. 'Yes.' She opened the oven-door wide and took out two tin trays of scones, done to a turn.

Philippa Pearce
"What the Neighbours Did and Other Stories"
Puffin Books(1975)



 "What the Neighbours Did and Other Stories"(『真夜中のパーティー』/フィリパ・ピアス作/猪熊葉子訳/岩波少年文庫)は、英国の田園で暮らす子どもたちの日常生活が描かれた短編集。子どもの心情の機微をとらえたピアスの筆力が、どのお話でもさえわたっています。そのなかの1編 "The Great Blackberry-Pick"(「キイチゴつみ」)では、父親やきょうだいとキイチゴをつみに出かけた少女が、ふとしたことで父親たちから離れ、ある家庭でお茶をごちそうになります。引用部分は、少女の空腹感がピークに達した場面。原文から、香ばしいにおいが漂ってきそうですね。

 日本でも大人気のスコーンは、本場英国では母から娘へ伝えられる伝統的な家庭の味。発祥の地は、通説ではスコットランドとされ、大麦を使って鉄板で焼く bannock というお菓子の系統をひくものだといわれています。名前のルーツについては色々な説があり、定かではありません。スコットランドにある宮殿 Scone Palace に由来しているとか、ゲール語の sgonn(ひと口分の大きさ)がもとになっているとか……。

 スコーンの作り方は、家庭や人によってまちまちです。なかに入れる材料や出来上がりの形・大きさを変えることで無数のバリエーションができ、様々な味を楽しめます。今回は、基本となるプレーンスコーンをご紹介しますが、ご自分だけの味をみつけてみるのもいいかもしれません。焼きたてあつあつのスコーン、ぜひご賞味を。



*-* プレーンスコーンの作り方 *-*
材料:(直径6cmのもの8〜10個分) バター 50g
(冷やして細かく刻んだもの)
薄力粉 200g 砂糖 30g
ベーキングパウダー 小さじ2 牛乳 60cc
少々(約小さじ1/2) 1個
スコーン
  1. 薄力粉、ベーキングパウダー、塩をボールにふるい、砂糖を加える。そのなかにバターを入れ、さらさらしたパン粉状になるまで、両手の指先ですりあわせる。
  2. 溶きほぐした卵を加え、牛乳を少しずつ流しこんで全体を混ぜる。打ち粉をした台の上に生地をのせ、小麦粉をつけた手で粘り気の出ない程度に軽くまぜてひとまとめにする。生地がやわらかい場合には、冷蔵庫で30分ほど寝かせる。
  3. めん棒で2cmくらいの厚さにのばし、直径6cmの丸型で抜く。薄く油をぬった天板に、抜いた生地を間隔をあけて並べる。
  4. 200度に温めておいたオーブンで15分焼く。お好みのジャムやクリームなどを添えていただく。


★参考文献・ウエブサイト
『万国お菓子物語』(吉田菊次郎著/晶文社)
『英国おいしい物語』(ジェイン・ベスト・クック著/原口優子訳/東京書籍)
『イギリスのお話は、おいしい。』(白泉社)
"Coffeehouse Scones" http://www.joyofbaking.com/SconesCoffeehouse.html
"Tea Time Traditions" http://www.oldfashionedliving.com/scones2.html
"baking 911.com" http://www.baking911.com/quikbrds_scones.htm

(吉村有加/竹内みどり)

 

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