●特別企画●みんなどんなシノプシスを書いているの?
調査方法
2005年9月末のやまねこ会員にメールにて質問を配信。回答期間は10月3日〜16日まで。仕事でリーディングをしたことのある人、21名からメールで回答をいただいた。その中から、さらに自由記述式で回答いただけるという15名に、追加質問をメールで配信し、10月18日から24日に15名より回答をいただいた。 *絵本は全訳を添付する場合が多いため、今回の調査では対象外とした。
回答者プロフィール
●質問1 あなたご自身についてうかがいます。
1.主にお仕事されている分野は何ですか?(複数回答)
児童読み物 | ヤングアダルト | その他 |
17名 | 14名 | 14名 |
※その他の内訳(複数回答)は、ノンフィクション7名、絵本2名、一般書2名、実用書2名、ミステリ1名、ロマンス1名である。
2.リーディング歴はどれくらいですか? 冊数か年数でお答えください。
1冊〜20冊 | 21冊以上 | 5年以内 | 6年〜9年 | 10年以上 |
8名 | 3名 | 4名 | 2名 | 4名 |
◎アンケート概要
回答者プロフィール
シノプシスの書式について
仕事のきっかけや次へのつなげかた
シノプシス提出後
翻訳の仕事への発展
作品評価の基準や調査
シノプシスを書くコツ
シノプシスを書くときの工夫
取り引き出版社数・報酬
もくじ
シノプシスの書式について
●質問2 シノプシスについてうかがいます。
1.これまで経験された納期はどのくらいですか?
最長で
14日 | 17日 | 21日 | 30日 | 31日 | 40日 | 45日 | 60日 | 90日 | 半年以上 |
4名 | 1名 | 1名 | 7名 | 1名 | 1名 | 1名 | 1名 | 1名 | 1名 |
最短で
当日口頭 | 1日 | 3〜3.5日 | 4日 | 5日 | 6日 | 7日 | 10日 | 14日 | 30日 |
1名 | 1名 | 4名 | 1名 | 1名 | 1名 | 2名 | 4名 | 3名 | 1名 |
平均すると
5日 | 10日 | 14日 | 18日 | 21日 | 1か月 | 7日〜1か月 | 2週間〜1か月 |
1名 | 2名 | 9名 | 2名 | 2名 | 1名 | 1名 | 1名 |
2.受注の頻度はどのくらいでしょう。
月に1〜4本 | 年に1〜3本 | 年に5本以上 |
4名 | 5名 | 3名 |
※年や月によって、まちまちだという方がほとんどでした。
3.シノプシスの分量はどのくらいですか?(該当する分野だけで結構です)
A4用紙1枚を約1,200字として計算
| 児童読み物 | ヤングアダルト | その他 |
枚数 | 全体 | あらすじ | 感想 | 全体 | あらすじ | 感想 | 全体 | あらすじ | 感想 |
1枚まで | 0名 | 3名 | 12名 | 0名 | 0名 | 9名 | 1名 | 2名 | 7名 |
2枚まで | 3名 | 2名 | 2名 | 2名 | 3名 | 3名 | 0名 | 3名 | 2名 |
3枚 | 1名 | 7名 | 0名 | 1名 | 2名 | 1名 | 4名 | 2名 | 1名 |
4枚 | 3名 | 2名 | 2名 | 1名 | 2名
| 1名 | 0名 | 3名 | 1名 |
5枚 | 5名 | 1名 | 0名 | 1名 | 3名 | 0名 | 2名 | 0名 | 0名 |
6枚 | 3名 | 0名 | 0名 | 3名 | 0名 | 0名 | 2名 | 0名 | 0名 |
7枚 | 0名 | 0名 | 0名 | 2名 | 2名 | 0名 | 2名 | 0名 | 0名 |
8〜10枚 | 0名 | 1名 | 0名 | 3名 | 2名 | 0名 | 0名 | 1名 | 0名 |
10〜15枚 | 1名 | 0名 | 0名 | 1名 | 0名 | 0名 | 1名 | 0名 | 0名 |
その他、極端な要望を受けたことがあれば具体的に教えてください。
- 部分訳がほしい(6名)
- 1章ごとにあらすじがほしい(5名)
- あらすじはいらない(4名)
- あらすじだけでよい(3名)
- あらすじはできるだけ長く詳しく(3名)
- 目次の訳(2名)
- 簡単に1枚にまとめる
- どんな本なのか、どんな雰囲気なのかをつかみたいので、あらすじよりも感想や評価をはっきり書いてほしい
- 新語の解説
- 登場人物の一覧に年齢か学年をわかる範囲で記入
- 2冊読んで比べてほしい
- シリーズ作品を通して読み、あらすじは第1巻のみ、評価・感想はシリーズ全体について
- 5枚以上書くと、長すぎるのでもっと短くと言われた
4.シノプシスにはどんな項目をつけますか?
仮題 | 出版社 | 出版年 | 頁数 | 対象年齢 | 著者紹介 | 概要 | 登場人物一覧 |
20名 | 20名 | 20名 | 20名 | 18名 | 21名 | 21名 | 18名 |
その他
- 画家紹介(2名)画家のウェイトが高いとき
- 本国での評価(2名)
- 目次全訳
- 感想・分析・評価・所感
- 構成(一人称、日記形式、舞台、複数の語り手、散文詩、現在と過去の行き来があるかなど)
- 点数評価
- 類書との比較
- 受賞歴
- ISBN
- 舞台、時代、ジャンル
- シリーズ作品リスト(シリーズ作品の既刊タイトルのリスト)
5.納品はどのようにされることが多いですか?(複数回答)
縦書き | 横書き | テキストファイル | WORDなどワープロファイル | メール | 郵送(宅配便) | 持参 | 口頭 |
5名 | 19名 | 12名 | 16名 | 15名 | 10名 | 4名 | 2名 |
◎アンケート概要
回答者プロフィール
シノプシスの書式について
仕事のきっかけや次へのつなげかた
シノプシス提出後
翻訳の仕事への発展
作品評価の基準や調査
シノプシスを書くコツ
シノプシスを書くときの工夫
取り引き出版社数・報酬
もくじ
仕事のきっかけや次へのつなげかた
追加質問1
リーディングを初めて依頼されたきっかけを教えてください。(複数回答)
- 翻訳学校、翻訳会社に登録(6名)
- 知人(友人、翻訳学校の先生など)の紹介(6名)
- トライアルで合格、賞をとった(3名)
- 出版社の募集に応募
- 雑誌の企画に応募
また次のリーディングの仕事へのつなげ方や、依頼が途絶えたときの先方へのアプローチ方法なども、よろしければ教えてください。
- 機会があったら持ち込みや情報提供をしてみる(4名)
- 断らずに質のいい仕事をする(3名)
- 納品はなるべく持参して、次の仕事をもらう
- 先方からの連絡には常に迅速丁寧に応答する
- スケジュールの都合でやむなく断らざるを得なかったときは、理由を説明して丁寧にお詫びをする
◎アンケート概要
回答者プロフィール
シノプシスの書式について
仕事のきっかけや次へのつなげかた
シノプシス提出後
翻訳の仕事への発展
作品評価の基準や調査
シノプシスを書くコツ
シノプシスを書くときの工夫
取り引き出版社数・報酬
もくじ
シノプシス提出後
追加質問2
シノプシスを提出した後のことについてうかがいます。
・リーディングした本のその後について出版社から情報をいただくことはありますか?
・提出したシノプシスについて評価やコメントをいただいくことはありますか?
◎アンケート概要
回答者プロフィール
シノプシスの書式について
仕事のきっかけや次へのつなげかた
シノプシス提出後
翻訳の仕事への発展
作品評価の基準や調査
シノプシスを書くコツ
シノプシスを書くときの工夫
取り引き出版社数・報酬
もくじ
翻訳の仕事への発展
追加質問3
リーディングが翻訳の仕事に結びついたことはありますか? 以下の場合について教えてください。
・リーディングした本の翻訳をまかされた。
リーディング歴 | 1冊〜20冊 | 21冊以上 | 5年以内 | 6年〜9年 | 10年以上 |
ある | 1名 | 0名 | 1名 | 1名 | 1名 |
ない | 4名 | 2名 | 3名 | 0名 | 2名 |
・リーディングした本ではないが、依頼された会社から別の本の翻訳をまかされた。
リーディング歴 | 1冊〜20冊 | 21冊以上 | 5年以内 | 6年〜9年 | 10年以上 |
ある | 1名 | 1名 | 2名 | 0名 | 3名 |
ない | 4名 | 1名 | 2名 | 1名 | 0名 |
◎アンケート概要
回答者プロフィール
シノプシスの書式について
仕事のきっかけや次へのつなげかた
シノプシス提出後
翻訳の仕事への発展
作品評価の基準や調査
シノプシスを書くコツ
シノプシスを書くときの工夫
取り引き出版社数・報酬
もくじ
作品評価の基準や調査
追加質問4
作品を評価するときに基準を決めていますか?
- 単純に、自分がおもしろいと思うかどうか(7名)
- 類書(翻訳もの、日本の創作もの、どちらも)を調べる(類似本があるのに邦訳する価値があるかどうか)(5名)
- 有名な作品を挙げて、それと比較する(3名)
- 対象年齢に対する内容や語彙の難易度、文化的ギャップ、訳出する際の問題点(言葉遊び、政治性など)など(3名)
- 日本の子どもにとって、興味が持てるテーマかどうか、そして理解できるテーマかどうか(2名)
- 依頼先がどんな本を求めているかを考えて評価(2名)
- 同じ作者の邦訳作品は必ず調べる(2名)
- 作者の背景は、綿密に調べて書く
- 現地での反応を調べる(2名)
- 参考図書を紹介される場合もあるので、その場合は、それも絡めた内容にする
- 邦訳出版社の出版傾向に合致しているかどうか
- 当翻訳会社からレジュメ書式を渡されるので、それにしたがって作成する。一度はまったく新しい分野(日本語でまだ用語が定着していない)でしたので出版物の比較ではなく、社会的に受け入れられるかどうかの判断をした
また、関連情報はどの程度調べますか?
- 同じテーマの邦訳や話題の本(5名)
- 同じ作者の作品、話題の本、有名な本、邦訳の有無と(あればおもな作品名も)(5名)
- 作者の背景について(3名)
- 関連情報は、なんでも(2名)
- 有名な文学賞の受賞歴など(2名)
- 調べものの段階で、作品に深く関わる事項が見つかれば、評価にも書く
- 本のテーマについての参考文献とか、対象と考えられる読者層についての調査報告の類も、あれば入れる
- 新しい作家や日本で未紹介の作家の場合、プロフィールはできるだけ詳しく調べるようにしている
- 類似作品の日本での出版状況
- 事実関係や引用など、いわゆる「調べもの」が発生したときは必要に応じて別添資料として提出する
- インターネット検索をかけて、当該研究領域など。日本に同じジャンルの研究者や専門家がいれば、それも追跡する
◎アンケート概要
回答者プロフィール
シノプシスの書式について
仕事のきっかけや次へのつなげかた
シノプシス提出後
翻訳の仕事への発展
作品評価の基準や調査
シノプシスを書くコツ
シノプシスを書くときの工夫
取り引き出版社数・報酬
もくじ
シノプシスを書くコツ
追加質問5
シノプシスを書くときのコツがあれば教えてください。
- 章ごとにメモをとる(パソコンに入力する)(5名)
- メモを取りながら読む(パソコンに入力する)(5名)
- 登場人物や物語の背景について表のようなものを作っておく(3名)
- 書き込み可のときは本にも書き込みをする(2名)
- 付箋をはっておく(2名)
- 付箋をはってそこに短いメモを書いていく
- あとから必要な部分のみ読み返す(2名)
- 二度読み(2名)
- あらすじをまとめるときは、入力した内容を削るのではなく、まずおおざっぱな流れを考えて、それに肉付けしていく感じでやっています。(入力したものはあくまで参考用。)(2名)
- 章ごとというより場面ごとにあらすじや登場人物についての情報、気になる点(「感想」でふれようと思う点)をどんどんパソコンに打ち込みながら読む
- 邦訳出版社側の立場にたった記述と、主観的記述部分を明らかに分けて書く。その点を出版社側にもわかるようにしておく。(翻訳実績・職歴も「付録」で必ずつける)
- 全体を通してカギとなるいくつかの単語(キーワード)をピックアップ。その単語についての判断を誤らないように前後を熟読する
- メモは、あらすじ等に使わない事柄でも、何かを思い出すきっかけになりそうなキーワードなら、とりあえず書いておく
◎アンケート概要
回答者プロフィール
シノプシスの書式について
仕事のきっかけや次へのつなげかた
シノプシス提出後
翻訳の仕事への発展
作品評価の基準や調査
シノプシスを書くコツ
シノプシスを書くときの工夫
取り引き出版社数・報酬
もくじ
シノプシスを書くときの工夫
追加質問6
自分のシノプシスのここに自信があります、という点を教えてください。
- 読みやすさ(話の流れ)には特に配慮している。
- 調べものを念入りにする。
- 点数評価。
- 「よく調べていますね」と言われたことがある。これは編集の方が言った言葉ではなく、関連の専門家が言ってくださった。そのため、この人は安心できる、という印象を抱かれたらしい。
- あらすじがそれ自体面白く読めるように、という気持は持っています。
- あらすじで書ききれない部分は評価の方で補い、語り口のよしあし、特に魅力のある点、気になる点などをあげながら、「全体としてどんな本なのか」をできるかぎり伝えようと努力しています。
- 一人称の物語はそのまま一人称であらすじを書いたりして、なるべくその本の雰囲気を伝えるようにしていることでしょうか。あらすじがひとつの物語になるように心がけています。
- あらすじを詳しく丁寧にまとめている。
- 実際に本を1冊読んだ気になった、と言われることがあります。シノプシスのあらすじに、できるだけ原文の雰囲気を出そうとしています。
- 障害のある主人公が登場する作品を読んだとき、その障害について調べたことや、同じ作者の他の作品から作者が障害についてどのような考えを持っているのか感じたことをシノプシスの感想に盛りこんで、評価していただいたことがあります。
◎アンケート概要
回答者プロフィール
シノプシスの書式について
仕事のきっかけや次へのつなげかた
シノプシス提出後
翻訳の仕事への発展
作品評価の基準や調査
シノプシスを書くコツ
シノプシスを書くときの工夫
取り引き出版社数・報酬
もくじ
取り引き出版社数・報酬
追加質問7
よく依頼を受ける出版社は何社くらいでしょうか?
また、差し支えなければ1冊あたりのシノプシスの報酬の上限と下限を教えてください。
下限は5,000円
上限は30,000円
ページ数によって高くなった経験のある人がいた。
◎アンケート概要
回答者プロフィール
シノプシスの書式について
仕事のきっかけや次へのつなげかた
シノプシス提出後
翻訳の仕事への発展
作品評価の基準や調査
シノプシスを書くコツ
シノプシスを書くときの工夫
取り引き出版社数・報酬
もくじ
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