メニュー>「月刊児童文学翻訳」>バックナンバー>2006年6月号 オンライン書店
もくじ◎特別企画:やまねこ翻訳クラブ「活用事典」◎特別企画連動レビュー:『ペリー・Dの日記』 L・J・アドリントン作/菊池由美訳 ◎注目の本(邦訳読み物):『ベラスケスの十字の謎』 エリアセル・カンシーノ作/宇野和美訳 ◎注目の本(未訳読み物):"Once" モーリス・グライツマン作 ◎賞速報 ◎イベント速報 ◎世界のお祭り&やまねこカフェ特別編::ヴァルプルギスの夜(ドイツ) ◎読者の広場:海外児童文学や翻訳にまつわるお話をどうぞ! ●このページでは、書店名をクリックすると、各オンライン書店で詳しい情報を見たり、本を購入したりできます。 |
●特別企画●やまねこ翻訳クラブ「活用事典」本誌を発行しているやまねこ翻訳クラブは、1997年にパソコン通信の会議室から出発し、4年前にはインターネット上に活動場所を移して、徐々にコンテンツを増やしてきた。今回は、大きくなった当クラブサイトの活用方法をご紹介する。 ■メールマガジン 〜活動の要、ふたつのメールマガジン〜1998年に創刊した本誌も、おかげさまで今月号が80号となった。最近は英語以外の言語を学習している会員が増え、とりあげる情報の幅も広がっている。 ▽「月刊児童文学翻訳」バックナンバー&コーナー別インデックスhttp://www.yamaneko.org/mgzn/bncorner.htm 「やまねこアクチベーター」は、クラブ内の最新情報を毎月お届け。注目の本や、勉強会開催のお知らせなど掲示板の話題がひと目でわかる。 ▽「やまねこアクチベーター」登録ページ(7月より配信スタンドが変わります。これから変更される方もこちらからどうぞ!) http://www.yamaneko.org/mgzn/acti/index.htm ■資料室 〜情報の宝庫〜 当クラブが誇る資料室では、会員たちがこつこつと集めた情報を整理して公開している。現在「作家・画家の作品リスト」にあるリストは197人分。もうすぐ200人目のリストが完成する。リスト作成勉強会も開催しており、リスト作成者を常時募集中だ。 ▽「作家・画家別作品リスト」http://www.yamaneko.org/bookdb/author/index.htm 「翻訳家訳書(作品)リスト」では、本誌インタビューにご協力いただいた方々のリストを公開してきたが、今年4月より範囲を広げて随時増やしていくことになった。それにともない五十音順のインデックスも公開され、利用しやすくなっている。 ▽「翻訳家インデックス」http://www.yamaneko.org/bookdb/int/index2.htm ■学習室 〜講師のいない自主勉強会〜 当クラブの活動の中心でもある「読んで、書く」を実践する「読破マラソン」は、6回目となる「第2次ファンタジー・マラソン」を現在開催中。期間は来年の4月までなので、これからの参加も可能。また、参加者が同じ作品を読んでシノプシスを書く「初級シノプシス勉強会」も開催中。初級に参加すると、自分で作品を選ぶところからはじまる「中級シノプシス勉強会」にも参加できるようになる。コンテスト事後勉強会も盛んだ。今年開催された「いたばし国際絵本翻訳大賞事後勉強会」では、参加者のなかから受賞者がでて盛り上がった。 ▽「勉強会の記録」(ピンクが参加可、黄色が受付終了で開催中、青が勉強会終了)http://www.yamaneko.org/gakushu/rireki.htm ■読書室 〜新刊の話題が満載〜 勉強会よりも気楽に本の感想を話したいという方は、読書室掲示板へ。会員以外の方も読み書きできるので、ときには翻訳家の方が遊びにいらして、濃い話が飛び交うこともある。今年は「カーネギー賞&ケイト・グリーナウェイ賞、候補作を読もう会」を読書室掲示板で開催中。来月の受賞作発表まで予想も交えておしゃべりしよう! ▽「読書室」http://www.yamaneko.org/dokusho/index.htm ■やまねこ工房 〜会員の成果を発表〜 このようにクラブ内の勉強会や活動で力をつけた会員が、翻訳家として活躍するようになった。そんな会員たちの実績を紹介するページを今年4月に公開。また、来月1日から8月末までの2か月間、東京新宿の書店、ジュンク堂にやまねこ会員の訳書を展示するコーナーが設けられる(詳細はイベント情報を参照のこと)。 http://www.yamaneko.org/honyaku/jisseki/kaiin.htm ▽「イベント情報」 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?cmd=one;no=38;id=event ■クラブの歩み 〜さらなる飛躍へ〜 この9年間の歴史は「クラブの歩み」にまとめてある。クラブに興味を持った方、仲間を探している方、いっしょに勉強したい方はいつでも大歓迎だ。 ▽「クラブの歩み」http://www.yamaneko.org/info/ayumi.htm ▽「入会案内」 http://www.yamaneko.org/info/guide.htm クラブサイト内の更新状況は、RSS リーダーで読むことができるので、ご活用いただきたい。 ▽更新履歴(RSS フィード)http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?cmd=rss;id=rireki 奥にいくほど、中身が濃くなるやまねこ翻訳クラブ。これからもますます活動の幅は広がるだろう。やまねこ翻訳クラブの発展に、乞うご期待! (竹内みどり)
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●特別企画連動レビュー●
――― 日記に書かれた少女の未来―― ―――
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●注目の本(邦訳読み物)●
―― 少年の信念は、名画の中に生き続ける ――
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●注目の本(未訳読み物)●
―― 想像力とユーモアを心の盾に、苦境を生きた子どもたち ――
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●賞速報●★2006年ニュージーランド・ポスト児童書及びヤングアダルト(YA)小説賞発表★2006年アンデルセン賞発表 ★2005年度アメリカス児童・ヤングアダルト文学賞発表 ★2005-2006年ビスト児童図書賞発表 ★2006年ガーディアン賞ロングリスト発表(受賞作の発表は9月28日の予定) ★2006年チルドレンズ・ブック賞発表 ★2006年ボストングローブ・ホーンブック賞発表 海外児童文学賞の書誌情報を随時掲載しています。「速報(海外児童文学賞)」をご覧ください。 |
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●イベント速報● |
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★展示会情報 |
木城えほんの郷「野間国際絵本原画コンクール入賞作品展」 |
安曇野ちひろ美術館「ファッションで楽しむ世界の絵本」など |
★セミナー・講演会情報 |
大阪府立国際児童文学館「東欧の絵本―BIBの現場から―」 日本子どもの本研究会「全国子どもの本と児童文化講座 愛知・伊良湖大会」など |
★イベント情報 |
国立国会図書館国際子ども図書館「北欧からのおくりもの 子どもの本のあゆみ」 ジュンク堂書店「金原瑞人プロデュース 金原書店」など |
詳細やその他の展示会・セミナー・講演会情報は、「速報(イベント情報)」をご覧ください。なお、空席状況については各自ご確認願います。
(笹山裕子/井原美穂) |
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●世界のお祭り&やまねこカフェ特別編● |
魔女伝説に彩られたドイツのハルツ山地。その最高峰であるブロッケン山には、毎年4月30日の夜になると、どこからともなく魔女たちが集うといいます。今回は魔女たちの秘密のお祭り、「ヴァルプルギスの夜」をご紹介します。 *〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜* 「こん夜はワルプルギスの夜よ。そいつが、しゃくのたねだわ。こん夜はね、ありとあらゆる魔女たちが、ブロッケン山にあつまっておどるのよ。」 *〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜* さて、この祭りは、魔女狩りが頻繁に行われた時代は中断されましたが、19世紀末になって再開され、現代でも引き続き開かれています。そして、この年に1度の魔女の集まりに、今年は、ドイツ在住のやまねこ会員が参加しました。現代版「ヴァルプルギスの夜」の現地リポートをお楽しみください。*********************************************************************
〜ヴァルプルギスの夜〜 ドイツでは年間を通して全国各地でお祭りが行われていますが、なかでも「ヴァルプルギスの夜」は、ドイツを代表するお祭りのひとつです。現在、このお祭りはハルツ地方の数十の町で行われていますが、規模ではシールケとターレが最大。今回見に行くにあたって、どの町で見るか迷った末、結局ターレに決めました。 さて、お祭り前日の4月29日、夫の運転で一路ハルツへ。行くからにはお祭りの伝説の地ブロッケン山も見たいと思い、山麓の町ヴェルニゲローデに宿を取りました(19世紀末から20世紀初めまでは、実際にお祭りはこの山頂で行われていましたが、山が荒れて中止になったのだそうです)。翌朝、この町が始発の蒸気機関車に乗りこみ、いよいよブロッケン山へ出発です。町をぬって走る列車から外を見ると、民家の玄関先や窓や屋根に魔女が! 等身大の魔女人形があちこちの家に飾られていたのです。魔女探しに興じているうちに、列車は山を登り始め、ハルツの森をぬけ、ついに山頂に着きました。なんて素晴らしい眺めでしょう。ハルツ一帯が360度見渡せます。でも山頂そのものは殺風景で、木もほとんどなく、あるのはテレビ塔や博物館などいくつかの建物だけ。けれどこの荒涼とした感じがかえって「魔女が集まってきた場所」という雰囲気を感じさせます。実は東西ドイツ統一前、ここには旧ソ連の軍事基地があり、民間人は足を踏み入れることができませんでした。山頂には高い壁が張り巡らされていたそうです。ブロッケン山はそんな重い歴史をもつ場所でもあります。 山を降りたわたしたちは、お祭りの開催地ターレから十数キロ離れた2泊目の宿へと向かいました。近くの宿はどこも一杯で予約が取れなかったのです。宿で荷物をおろし、フロントで現地までの行き方を尋ねたところ、車は駐車できない恐れがあるとのことで、電車で行くしかないようです。 さて、ターレで電車を降りると、駅構内も駅前も仮装した人たちであふれていて、もうびっくり。まずは観光案内所へ行き、「入場券+臨時バス往復」のチケットを買いました。乗ったバスはあっという間に魔女と悪魔で一杯になり、山の上の会場ヘクセンタンツプラッツ(「魔女の踊り場」の意)へと出発しました。バスは森の中をぐんぐん登り、雑木林の中で停車。えっ、こんな所で本当にお祭りが? と思いながらも、みんなの行く方向に歩いていくと、音楽が聞こえてきました。会場入り口で手に入場証明のスタンプを押してもらい、そこを抜けると突然視界が開けました。すごい人出です。顔を緑や赤に塗り、黒いマントやとんがり帽子を身にまとい、ほうきや三叉を手にした、大人や子どもがたくさん。なんでもターレには3万人もが集まるのだとか。会場で売っている鉤鼻や角で即席の仮装を楽しんでいる人もいますが、中には本物じゃないかと疑りたくなるほど気合の入っている人もいて、カメラを向けると「ヒーッ、ヒッヒッヒッ」と魔女笑いをしながらポーズをとってくれました。広場の前方と後方ではバンド演奏が行われていて、屋台がぎっしり並んでいます。焼きソーセージに、ワッフル、綿菓子、ビール、グリューワイン(香辛料入りのホットワイン) などなど。広場の左手奥には「魔女のリング」と呼ばれる、常設の巨石の輪があり、石にはブロンズの悪魔にしもべらしき動物、それに魔女が据えられています。輪の中ではすでに火が焚かれ、火を取り囲むように人垣ができていました。近くで賑やかな音楽が聞こえ、振り向くとカラフルな衣装を着た人たちが踊りながらパレードをしています。その様子をのんびり見ながら焼きソーセージを食べていると、向こうから巨大なドラゴンがやって来ました。そして何を思ったのか、首を大きく一振りすると、なんとわたしのソーセージにかぶりつこうとするではありませんか! 逃げ回るわた しをみんながゲラゲラ笑って見ています。そのあとドラゴンはテレビ局のカメラマン?の前でしっかりポーズをとっていました。にっくき相手ながら、正直、仮装大賞ものでした。9時を過ぎたころ、ようやく辺りが暗くなってきました。夕焼けが本当にきれいです。わたしたちは記念に魔女人形を買おうと、屋台や土産物店を見て歩きました。ほとんどの魔女がつぎはぎの服にスカーフという格好で、一般的にイメージされる全身黒ずくめの魔女とは少し様子が違います。でも鉤鼻で強面の顔はやはり魔女。結局、あちこち探して見つけた、いくらか優しげな顔の人形を買うことにしました。 日が落ちたころから、だんだん焚き火が勢いを増してきました。真夜中のクライマックスまであと少しです。ところが――悲しいかな、わたしたちはここで時間切れ。最後までいると終電に間に合わないため、引き上げることに……。帰る途中、フィナーレを見にやって来る大勢の人たちとすれ違いました(ちなみに昨年のフィナーレは、魔女と悪魔のパフォーマンスのあと、騎士とドラゴンが戦い、ドラゴンの噴いた火で松明に火が点き、同時に花火が上がってお開きだったようです)。「次に来るときは、絶対に開催地で宿を取って、フィナーレまで見るぞ!」と誓ったわたしたちでした。 (村上利佳&蒲池由佳/笹山裕子)
★参考文献・ウェブサイト |
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●読者の広場●海外児童文学や翻訳にまつわるお話をどうぞ! |
このコーナーでは、海外児童書にまつわるお話、ご質問、ご意見等を募集しています。mgzn@yamaneko.org までお気軽にお寄せください。
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