メニュー「月刊児童文学翻訳」バックナンバー>2009年12月号   オンライン書店
※1月は定期休刊です。次回は2010年2月号になります。どうぞお楽しみに!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2009年12月号
   =====☆                    ☆=====
  =====★   月 刊  児 童 文 学 翻 訳   ★=====
   =====☆   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ☆=====
                                No.116
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
児童文学翻訳学習者による、児童文学翻訳学習者のための、電子メール版情報誌
http://www.yamaneko.org                         
編集部:mgzn@yamaneko.org     2009年12月15日発行 配信数 2360 無料
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●2009年12月号もくじ●
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◎特集:第12回やまねこ賞──会員が選んだ、今年の児童書ベスト5は?
◎注目の本(邦訳絵本):『少年の木 希望のものがたり』
                   マイケル・フォアマン文・絵/柳田邦男訳
◎世界の本棚(フィンランド語):"Tytto jonka joki halusi vaimokseen"
               レーナ・ラウラヤイネン作/アドルフォ・ベラ写真
◎賞速報
◎イベント速報
◎世界のお祭り&お菓子の旅特別編:公現祭(キリスト教)&ガレット・デ・ロワ
◎読者の広場
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     ☆☆ FOSSIL 〜 Made in USA のカジュアルウオッチ ☆☆
「FOSSIL は化石って意味でしょ? レトロ調の時計なの?」 これは創業者の父親が
FOSSIL(石頭、がんこ者)というあだ名だったことから誕生したブランド名。オーソ
ドックスからユニークまで様々なテイストの時計がいずれもお手頃価格で揃います。
2005年より新しいスローガン "What Vintage are you?" を掲げ、更にパワーアップ
した商品ラインナップでキャンペーンを展開。Vintage を表現する重要なツールが
TIN CAN(ブリキの缶)のパッケージです。年間200種類以上の新しいTIN CAN が発表
され、時計のデザイン同様、常に世界中のコレクターから注目を集めています。
http://www.fossil.co.jp/      (株)フォッシルジャパン:TEL 03-5992-4611
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●特集●第12回やまねこ賞            協賛:(株)フォッシルジャパン
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 さる11月1日から15日の間、やまねこ翻訳クラブ恒例のやまねこ賞の投票が、当ク
ラブ特設掲示板にて開催されました。やまねこ賞は、前年10月から本年9月までに出
版された邦訳児童書、未訳・既訳・言語を問わない原書、および、過去に国内外で出
版された児童書を対象に会員がベスト5を選び、大賞作品を決定します。大賞に輝い
た邦訳作品の翻訳者には、賞状と副賞が贈られます。今年も株式会社フォッシルジャ
パンより、副賞の時計をご提供いただきました。

副賞の時計の写真1      副賞の時計の写真2

「読み物」「絵本」の分類については、原則として各出版社、書店などの種別を参考 に、当クラブの判断で決定しています。  記事中に記載した、本誌の過去のレビューについては、やまねこ翻訳クラブウェブ サイトに掲載のバックナンバーをご参照ください。 http://www.yamaneko.org/mgzn/  すべての投票と感想はこちらでご覧いただけます。 http://www.yamaneko.org/yn_award/index.htm  やまねこ翻訳クラブは、会員・非会員を問わず、海外児童書を主とした本の話題が 書き込める「読書室掲示板」を運営しております。 http://www.yamaneko.org/dokusho/index.htm      ★☆★☆【2009年 第12回やまねこ賞 読み物部門】☆★☆★ ★大賞 『トゥルー・ビリーヴァー』           ヴァージニア・ユウワー・ウルフ作 こだまともこ訳 小学館
Amazonで詳細を見る  bk1で詳細を見る  Amazonで原書の詳細を見る  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  15歳のラヴォーンは、暴力がはびこる貧しいスラム街で母親と2人暮らし。このす さんだ街を出て大学に行くという夢はあるけれど、明確なビジョンは見えず、悩みば かりがふえていく。親友との確執、片思いと失恋、母さんの恋人の存在、10代でシン グルマザーになった友だちへの思い……。世の中の厳しさや無慈悲さに、傷つき、お しつぶされそうになりながらも、希望を捨てず前向きに生きる少女の青春記。3部作 の2作目。シリーズ最終巻 "This Full House" の邦訳が待たれる。 (本誌増刊号No.1「ヴァージニア・E・ウルフ特集号」の未訳レビューをご参照くだ さい) ◎きびしい環境に暮らすラヴォーンが、恋や友情などに悩みながらも大学をめざして いこうとする姿が潔い。読後さわやかです。(shoko) ◎貧しく危険な地域で育つ子どもが大学を目指すのはどんなに大変なことか。それで も信じる心を持って進んでいくラヴォーンに勇気をもらいます。今の日本で、自分は 恵まれていないと思うティーンに読んでほしいです。(くらら) ◎今年のダントツ1位! ラヴォーンを応援しながら、10代の切ない気持ちを疑似体 験したようだった。はやく続きが読みたい!(SUGO) ◎原書を読んだときの感動そのままに、何度も何度も涙がこみあげてきた。貧しくつ らい環境から抜け出そうと努力する若者たちや、それを応援しようとする大人たち、 みんながステキだ。また、恋や友情に揺れる思春期の心の動きにも胸がきゅんとなっ た。(anya) ☆~~~~~~~~~~~~~~【受賞のことば】 翻訳家 こだまともこさん ~~~~~~~~~~~~~~☆ |                                    | |ありがとうございます。優れた読み手のみなさんに選んでいただき、こんなに嬉| |しいことはありません。作者のウルフさんも、主人公のラヴォーンも、きっと喜| |んでくれることでしょう。『トゥルー・ビリーヴァー』は『レモネードを作ろ | |う』に始まる3部作の2作目なのですが、最終巻の "This Full House" も既に | |出版されています。実は、そのなかで驚愕の事実が明らかになるんですよ。邦訳| |は、まだまだ時間がかかると思いますので、気になる方はどうぞ原書を読んでみ| |てください。                              | ☆                                    ☆  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ◆2位 『海の深み』『大海の光』(「ステフィとネッリの物語」シリーズ3、4)                    アニカ・トール作 菱木晃子訳 新宿書房 Amazonで『海の深み』の詳細を見る  bk1で詳細を見る Amazonで『大海の光』の詳細を見る  bk1で詳細を見る  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ナチス占領下のウィーンからスウェーデンに逃れてきたユダヤ人姉妹の物語も、4 作目『大海の光』で完結。姉のステフィは高校を、妹のネッリは小学校を卒業し、2 人とも人生の新たな段階を迎えていた。ちょうどその年に、長かった戦争が終わり、 スウェーデンの人々とともに歓喜する2人だが、収容所にいた父親の消息は不明だし、 今後の暮らしには不安がいっぱいだ。終戦は、ステフィとネッリに何をもたらすのか。 ◎シリーズ3巻まで読んで間違いなく生涯ベストに入りました。4巻ではネッリの心 のうちが描かれますが、3巻まではステフィが苦しみ抜きながらも心の葛藤を克服し ていく様がありありと描かれます。ステフィにはたくさんたくさん励まされました。 本の力というものをこれほど感じたことはありません。日本に紹介していただいて本 当に感謝しています。(ち〜ず) ◎ナチスのユダヤ人迫害の時代を描きながら、運命のうねりのなかでどう生きるかと いった普遍のテーマを持つ。ステフィとネッリの姉妹に共感して読める。いつまでも 読み続けていたかった。(ちゃぴ) ◎暗い時代にあって悩みながら成長していく姉妹が実在しているように感じられ、心 の中で2人を励ましたり、ときには励まされたりしながらこのシリーズを読んだ。読 了したいまも、2人はどうしているだろう、などと考えてしまう。長く読み継がれて いってほしい、骨太の傑作。(からくっこ) ◆3位 『殺人者の涙』アン=ロール・ボンドゥ作 伏見操訳 小峰書店 Amazonで詳細を見る  bk1で詳細を見る  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  多くの罪で指名手配中の冷酷な殺人者アンヘルは、チリ最南端に近い農場で夫婦を 殺し、そこを隠れ家として、夫婦の一人息子パオロと一緒に暮らし始めた。人里離れ た土地で、外の世界を遮断した生活を送るうちに、無垢な少年パオロとの間に絆がで きていく。都会を逃れてきたルイスという男も加わり、やがて、市場をめざして旅に 出る3人。それぞれの行く末は……。残忍な男を主人公に、人間愛を描いた児童文学。 ◎衝撃的なまでの秀作。人生の理不尽さがいやというほど詰まっているというのに、 生きるという営みに向けて静かに背中を押しだしてくれるのだ。(niki) ◎読み終えた後、止まらない涙の中、幸せとは何かを考えさせられた。(ワラビ) ◎言葉のもつ命を感じる物語でもあり、パブロ・ネルーダの詩が印象的に挿入され、 深い余韻を残します。(さかな) ◎人の魂をかたちづくるものは何かを教えてくれる、衝撃的で美しい物語。読んでい るあいだ、地の果てに吹きすさぶ風の音がずっと聞こえている気がした。(からくっ こ) ◆4位 『グリーンフィンガー 約束の庭』       ポール・メイ作 シャーン・ベイリー絵 横山和江訳 さ・え・ら書房 Amazonで詳細を見る  bk1で詳細を見る  Amazonで原書の詳細を見る  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  主人公ケイトは、読み書きがうまくできないことで長年苦しんできた。ロンドンか ら、緑豊かな田舎に家族で移り住み、新生活を始めるが、転校先でもケイトの居場所 はない。両親は、新居での暮らしのことでぶつかり合い、別居状態になってしまう。 ふさぎがちになるケイトの心をいやしてくれたのは、庭の土と植物だった。かつてそ の庭の持ち主だった老人ウォルターに教わりながら、荒れ果てた庭を再生していく。 ◎主人公ケイトの傷ついた心が庭作りを通して癒され、ケイト自身も成長していく、 その過程が丁寧に描かれていた。美しい庭園までが目に浮かぶようだった。(ゆま) ◎悩み、迷いながらも、家族、友達、自分自身と向き合い、しっかりと次の一歩を踏 み出したケイトの勇気とパワーに感動。(asayaka) ◎ケイトの心の成長や庭の美しさも心に残りましたが、わたし自身も田舎へ移住して いるので、ケイトパパのなんでもやろう精神やママの焦りにも共感するところが多か ったです。(muzu) ◎主人公ケイトだけではなく、周囲の人々の心の変化が、再生していく庭のようすに 重なって、心にしみました。(えみりい) ◆5位 『アーサー王ここに眠る』フィリップ・リーヴ作 井辻朱美訳 東京創元社 Amazonで詳細を見る  bk1で詳細を見る  Amazonで原書の詳細を見る  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  舞台は紀元500年頃のブリテン島。みなしごの少女グウィナは、吟遊詩人のミルデ ィンに拾われる。ミルディンは、武将アーサーを英雄として世に知らしめようとして おり、よい物語を作るためなら、奇跡の捏造もいとわない男だった。泳ぎの達者なグ ウィナは、水の精として、ミルディンの企てに加えられる。アーサー王伝説という壮 大な物語が作られていくさまを、同じ時代を生きた少女の視点で語った作品。時空を 超えてどっぷりひたりたい歴史ファンタジー。 ◎生きていくための物語の意味を感じました。(蒼子) ◎物語とはどう作られるのかが、見事に表された物語。(ワラビ) ◎やられた! のひとこと。古今東西の英雄譚はこうして作られた、と納得させられ てしまうみごとな語り口。(ぎねびあ) ◎男にも、女にもなる語り手が新鮮。斬新な切り口で、歴史の新説を展開?(おちゃ わん) ◆6位以下の作品 6位『永遠に生きるために』 7位『靴を売るシンデレラ』 8位「ダイドーの冒険」シリーズ(『ウィロビー・チェースのオオカミ』)   『ビーバー族のしるし』(2作同点) 10位『13の理由』   「トビー・ロルネス」シリーズ(『エリーシャの瞳』『最後の戦い』)   『トレッリおばあちゃんのスペシャル・メニュー』(3作同点)      ★☆★☆【2009年 第12回やまねこ賞 絵本部門】☆★☆★ ★大賞 『リスとはじめての雪』        ゼバスティアン・メッシェンモーザー文・絵 松永美穂訳 コンセル Amazonで詳細を見る  bk1で詳細を見る  Amazonで原書の詳細を見る  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  リスはいまだかつて雪を見たことがなかった。冬はいつも眠って過ごすからだ。 「白くて、しめっぽくて、つめたくて、やわらかい」雪って、いったいどんなもの? 眠いのをがまんして、初雪の降る日を必死で待ち続けるリスたちのようすを、繊細な デッサン画で描く。リスたちの愉快な勘違い、コミカルな動きや表情に、思わずくす っと笑ってしまうこと間違いなし。そこまでのページと対照的な静かな結末も秀逸。 ◎なんともいえないおかしさと、えんぴつスケッチ画のアンバランスというかハーモ ニーが最高です。(ワラビ) ◎『リスとお月さま』で、作者のファンになりました。「ちょっとこれみて!」と絵 本好きのメンバーにもみせた作品です。(shoko) ◎『リスとお月さま』に続いて、こちらも笑いました!(コアラン) ◎ハリネズミ君の想像図を見た時の衝撃は、忘れられません。(カコ) ◎知らないことからはじまる勘違いをユーモラスに。でも登場人物(動物)たちもデ ッサン風の絵も大真面目だから笑える。(ちゃぴ) ◎時間が、ゆっくり、ゆっくり、ながれている絵本。どんなに文章の多い絵本より読 むのに時間がかかります。(NON) ☆~~~~~~~~~~~~~~~~~【受賞のことば】 翻訳家 松永美穂さん ~~~~~~~~~~~~~~~☆ |                                    | |初雪の季節、大賞のニュースが届きました。絵本に詳しいやまねこ翻訳クラブの| |みなさんに選んでいただいたことをうかがい、ほんとに嬉しいです! ありがと| |うございました! 『リスとはじめての雪』はドイツの若い絵本作家の作品です| |が、森の動物たちが生き生きと可愛らしく、身近な感じで描かれています。この| |シリーズに出会えてよかったなーと思います。絵本というジャンルを熟知し、有| |益なアドバイスをしてくださった編集者の柴田こずえさんにも感謝いたします。| |これからも、いい絵本を日本の読者に紹介できるようにがんばります♪    | ☆                                    ☆  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ★2位 『オルガ ストロングボーイTシャツのはなし』     『ソフィー ちいさなレタスのはなし』                 イリヤ・グリーン文・絵 ときありえ訳 講談社 Amazonで『オルガ ストロングボーイTシャツのはなし』の詳細を見る bk1で詳細を見る Amazonで『ソフィー ちいさなレタスのはなし』の詳細を見る  bk1で詳細を見る  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 『オルガ ストロングボーイTシャツのはなし』では、オルガは「S」と描かれたT シャツを着て、みんなに何でも命令できる「ストロングボーイ」として君臨する。け れど、世界に1枚しかないはずのそのTシャツをほかの子たちも手に入れて……。 『ソフィー ちいさなレタスのはなし』では、みんなで蒔いたレタスの種が、ソフィ ーの分だけ芽を出さない。悔しがるソフィーが思いついた、いいアイディアとは?! フランス気鋭の作家が、パワー全開の子どもたちを生き生きと描いたシリーズ。 (本誌2009年6月号「注目の本」のレビューをご参照ください) ◎何だか自分にも身に覚えがある……と思わせる子どもたちがツボにはまりました。 (おとむとむ) ◎この作家さんに出会えたことは、今年の一番の収穫。絵がとても楽しい。子どもの たくましさが心地よく、抜群の面白さだった。(おちゃわん) ◎子どものエネルギーが炸裂! しゃれた雰囲気がフランスの絵本らしい。(からく っこ) ◎子どものもつパワーがたくさんつまった絵本。(ワラビ) ◎同じ作者による『オルガ ストロングボーイTシャツのはなし』もよかったのです が、こちらの『ソフィー』により共感しました。この子どもたちの心の狭さ、せこさ が子ども子どもしていて、我が子をみるようでした。(さかな) ★3位 『かえるごようじん』             ウィリアム・ビー文・絵 たなかなおと訳 セーラー出版 Amazonで詳細を見る  bk1で詳細を見る  Amazonで原書の詳細を見る  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ある恐ろしい森におばあさんが住んでいた。頼れるのは1匹の小さなかえるだけ。 かえるは、次々訪れる魔物をみごと退治してくれるのだが……。ポップなかわいい絵 からは想像もつかないような衝撃の結末に、どうか、ごようじんを! (本誌2009年4月号「注目の本」のレビューをご参照ください) ◎今年はなんといってもこれがダントツでした!(みーこ) ◎アクの強さは天下一品! リズムがよくて声に出したい作品。(SUGO) ◎やられた! 意表を突くことにかけては、この本の右にでるものはないと思う。 (おちゃわん) ◎ええーっ、いいのこれ? げげっ、こんなのあり!? いやだ、もう、信じられな い。でも、もう1回見ちゃおうっと。(からくっこ) ★4位 『少年の木 希望のものがたり』               マイケル・フォアマン文・絵 柳田邦男訳 岩崎書店 Amazonで詳細を見る  bk1で詳細を見る  Amazonで原書の詳細を見る  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  鉄条網に囲まれた荒れ果てた地域で、少年はある日、植物の小さな芽を見つけた。 大切に育てていくと、芽はやがて葉を茂らせ、つるをのばし、大きなブドウの木に成 長する。殺伐とした環境で暮らす少年が見つけたひと筋の希望の光に、平和の願いを こめた、力強い作品。 (本誌今月号「注目の本」のレビューをご参照ください) ◎平和へのメッセージを強く感じ、この絵本をたくさんの人に伝えたいと思った。 (SUGO) ◎争いで荒廃した環境のなかでも、小さな希望を大切に育てていく様子に胸をうたれ ました。(muzu) ◎植物って強いなあと思うと同時にこの強さを人間も持たないといけないなあと思い ました。(蒼子) ★5位 『ないしょのおともだち』 ビバリー・ドノフリオ文 バーバラ・マクリントック絵 福本友美子訳 ほるぷ出版 Amazonで詳細を見る  bk1で詳細を見る  Amazonで原書の詳細を見る  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ひょんなことから知り合った女の子とネズミが、家族には内緒でささやかな交流を 楽しむお話。細部まで描き込まれた、幸せのいっぱいつまった大きな家や、キュート な女の子とネズミの絵があたたかく、じっくりゆっくり楽しみたい作品。 ◎すみずみまで楽しい絵、主人公たちの生き生きとした表情、そして時間が流れたす えの結末に感じ入りました。少人数で女の子が多いおはなし会で何回か読んだのです が、どの子も絵に見入り、本の世界に引きこまれていました。(くらら) ◎女の子とネズミの交流が、穏やかな絵にもじっくりと描かれていてすてきです。 (蒼子) ◎絵が細かいところまで凝っていて、娘と何度も見返しました。(おとむとむ) ◆6位以下の作品: 6位『おはなしのもうふ』 7位『てぶくろがいっぱい』『天のおくりもの』(2作同点) 9位『きずついたつばさをなおすには』 10位『空の飛びかた』『むこう岸には』(2作同点)      ★☆★☆【2009年 第12回やまねこ賞 原書部門】☆★☆★  邦訳の有無にかかわらず、気に入った原書を選ぶこの部門には10名が投票、29作品 が挙げられ、そのうち2作品が2票ずつ獲得した。まずは2009年ニューベリー賞オナ ー(次点)作、キャシー・アペルトの "The Underneath"。捨てネコと猟犬の不思議 な友情を軸に、時を越え、愛や憎しみといった深遠なテーマが語られている。「現代 と、25年前と、もっと昔と、さらに太古の時代にまでさかのぼっていく壮大な物語。 アメリカ南部のバイユーって、どんなところなんだろうと、想像をめぐらしながら読 みました」(ワラビ)、「テキサスのバイユーを舞台に、美しい文章で書かれた重く て深い物語」(コアラン)という感想が寄せられている。  もう1作は、2009年ニュージーランド・ポスト賞児童読み物部門受賞作、ジャック ・ラセンビーの "Old Drumble"。「ニュージーランドの古き良き開拓時代の雰囲気が 味わえました」(みちこ)とあるように、1930年代の開拓地を舞台に、家畜追いとそ の牧羊犬とともに過ごす少年のひと夏を描いた心温まる物語だ。この他にも本誌にレ ビューを掲載した "Greener Grass" や "Bog Child" など、今年は歴史が織り込まれ た作品が選ばれているのが目に留まった。他にも1票ずつだが興味深い作品が集まっ た。カテゴリー別に、投票者のコメントを添えて、いくつかご紹介しよう。 Amazonで "The Underneath" の詳細を見る  Amazonで "Old Drumble" の詳細を見る 【現代の若者たちの姿を描いた作品】 ★ "When the Kehua Calls"(キンギ・マッキノン作)「マオリ族の少年レウィは都 会育ち。両親の故郷に引っ越してきたとたんに、マオリの幽霊におびえる生活が始ま る。マオリ独特の世界を味わいつつ、ごく普通の現代っ子レウィの気持ちを追いなが ら読めました」(みちこ) ★ "Slam"(ニック・ホーンビー作/邦訳『ガツン!』)「10代の妊娠、出産、育児 がテンポよく、でもきちんと描かれていると思いました」(コアラン) ★ "Once Was Lost"(サラ・ザール作)「かつてのようにいろいろなことを信じられ なくなった牧師の娘が、町で起きた大事件に巻き込まれる。理想通りにはいかなくて も、自分の心の在り方で現実は変わってくるし、小さな奇跡は起こるもの、そんなこ とを伝えてくれる作品」(anya) 【アドベンチャー&ファンタジー作品】 ★ "Raven's Gate"(アンソニー・ホロヴィッツ作) 不思議な力を持つ14歳の少年 が、太古からの邪悪な力に立ち向かうスーパーナチュラル・スリラー。「主人公の孤 独が痛々しいけどシリーズ1巻めなので、続きも読んでみたいです」(蒼子) ★ "The Knife of Never Letting Go"(パトリック・ネス作)「徐々に明らかになっ ていく設定が、恐しくなってくるSFファンタジー」(ワラビ) ★ "Quell'estate al castello"(ベアトリス・ソリナズ・ドンギ作)「イタリアで まだ離婚が認められていなかった時代、お金持ちのクラスメートに招かれて、夏休み をお城で過ごすことになった少女の物語。冒険あり、ミステリー的な部分もあり、児 童文学の王道的な作品かも」(hanemi) 【絵本作品】 ★ "Golem"(デイビッド・ウィズネスキー作/邦訳『土でできた大男ゴーレム チェ コの民話』)「切り絵の迫力に圧倒されっぱなし。ゴーレムが訴えかけるものは深く、 考えさせられた」(おちゃわん) ★ "The Secret Circus"(ジョハンナ・ライト作) パリの街で開かれる、ネズミた ちの小さな小さなサーカスのお話。中間色を使った美しい色彩も魅力的。「ヘタうま な感じのゆるゆるなイラストに、ハマってしまいました!」(えみりい) ★ "The Black Book of Colors"(メネナ・コティン作/ロサナ・ファリア絵)「そ の名のとおり、全ページ黒の、かっこよくてとても美しい絵本です。白ぬきの文字、 点字、浮き出る絵だけでできています。目でみる、読むというよりは、さわって感じ てほしい」(shoko) ★ "Chocolata"(マリサ・ヌーニェス作/ヘルガ・バンシュ絵)「アフリカのジャン グルに住むカバの女の子、チョコラータが都会に出かける物語。チョコラータが一生 懸命おしゃれをしようとする姿がかわいらしい」(ゆま)  各作品からは、選んだ人の個性がうかがえる。それぞれが好きな原書を広げ、本の 舞台となった場所へ、過去や未来へ、そして空想の世界へと旅に出かけているんだと 思うと、こちらも大いに触発され、また原書を手に取りたくなってきた。    ★☆★☆【2009年 第12回やまねこ賞 オールタイム部門】☆★☆★  出版年を問わず、過去1年間にやまねこ翻訳クラブ会員が読んだ邦訳児童書を対象 としているオールタイム部門。古典から昨年度出版されたものまで多岐にわたる対象 範囲の中から、毎年数多くの作品の名前が挙がる。今年度ものべ57作品に票が投じら れ、3票を獲得した作品が1位に輝いた。 ★1位 『みーんないすのすきまから』       マーガレット・マーヒー文 ポリー・ダンバー絵 もとしたいづみ訳       フレーベル館 2007         (本誌2009年5月号「特別企画連動レビュー」をご参照ください) Amazonで詳細を見る  bk1で詳細を見る  Amazonで原書の詳細を見る  車のカギをなくして困り果てたパパ。「いすのすきまをみてみれば?」娘にすすめ られるまま、パパはいすのすきまに手を突っ込んだ。すると、次から次へといろいろ なものが飛び出す。えっ、こんなものまで! 何が飛び出すのか想像しながらページ をめくるのが楽しい。リズミカルな文章とカラフルなイラストが織りなす世界に、あ っというまに引き込まれる。2007年(2006年度)ケイト・グリーナウェイ賞ロングリ スト作品。昨年度のやまねこ賞では、絵本部門大賞を受賞している。「すごいのひと 言でした」(蒼子)、「軽快でおもしろい訳文。学校での読み聞かせで読んだら、子 どもたちもくすくす笑いながら聞いてくれた」(ゆま)、「去年読めなくて悔しい思 いをしたのですが、読んでみてやまねこ賞入賞も納得。子どもたちといっしょに、す ごい、えー、といいながら楽しく読みました」(shoko)などのコメントが寄せられ た。 ★2位(各2票/4作同点)  『リスとお月さま』    ゼバスティアン・メッシェンモーザー文・絵 松永美穂訳 コンセル 2007 Amazonで詳細を見る  bk1で詳細を見る   Amazonで原書の詳細を見る  『シロクマたちのダンス』    ウルフ・スタルク作 菱木晃子訳 偕成社 1996         (本誌2009年3月号「特別企画連動レビュー」をご参照ください) Amazonで詳細を見る  bk1で詳細を見る  『マイがいた夏』    マッツ・ヴォール作 菱木晃子訳 徳間書店 2004    (本誌2006年9月号別冊「徳間書店大特集号」のレビューをご参照ください) Amazonで詳細を見る  bk1で詳細を見る  『ホリス・ウッズの絵』    パトリシア・ライリー・ギフ作 もりうちすみこ訳 さ・え・ら書房 2004   (本誌2003年3月号「注目の本(未訳読み物)」のレビューをご参照ください) Amazonで詳細を見る  bk1で詳細を見る  Amazonで原書の詳細を見る 『リスとお月さま』は、2007年ドイツ児童文学賞絵本部門ノミネート作品。想像力豊 かなリスと仲間の動物たちの姿がユーモラスで愛らしい。シンプルながらも細部にま でこだわりが感じられる描写が印象的だ。昨年度のやまねこ賞でもオールタイム部門 2位になったほか、続編『リスとはじめての雪』(ゼバスティアン・メッシェンモー ザー文・絵/松永美穂訳/コンセル/2008)は今年度の絵本部門大賞に輝き、やまね こ会員の心をがっちりとつかんでいる。 『シロクマたちのダンス』は、1993年のアストリッド・リンドグレーン賞受賞作家ウ ルフ・スタルクによる作品。スウェーデンのストックホルムを舞台に、複雑な家族関 係に振り回されつつ、自分らしい生き方を求めて成長していく少年ラッセの姿を描く。 状況は深刻でも、ユーモアと人情味あふれるエピソードが笑いを誘う。 『マイがいた夏』も、同じくスウェーデンの作品だが、こちらは1950年代の自然豊か なゴットランド島を舞台にした、1人の少女をめぐる2人の少年の物語だ。少女への 淡い恋心、少年同士の友情と敵対心など、少年の心情が丁寧に生き生きと描かれる。 1989年ニルス・ホルゲション賞受賞作品。 『ホリス・ウッズの絵』は、絵を描く才能を持ちながら、問題ばかり起こしていた孤 児ホリスの成長を描いた物語。ようやく出会えたよき理解者たちに見守られながら、 ホリスが少しずつ心を開いていく様子が感動を呼ぶ。2003年ニューベリー賞オナー作 品。  ここに紹介した5作品だけを見ても、イギリス、ドイツ、スウェーデン、アメリカ と、各国の児童文学賞受賞作が並ぶ上、絵本もあれば、読み物もある。国やジャンル を問わず、心ひかれるさまざまな本を手に取るやまねこ会員の充実した読書活動がう かがわれる結果となった。また、過去のやまねこ賞入賞作品が、次年度以降オールタ イム部門で選ばれることも多い。今年度の発表を受けて、読みたい本のリストが一気 に膨らんだ方も多いことだろう。次回はどんな作品に票が投じられるのか、また1年 後を楽しみに待ちたい。 【参考】 ▽やまねこ賞受賞作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室) http://www.yamaneko.org/bookdb/award/yn/index.htm                (大作道子/石田景子/かまだゆうこ/平野麻紗)

▲ページのトップへ


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●注目の本(邦訳絵本)●いろ、いろ、色は、希望のしるし
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

『少年の木 希望のものがたり』 マイケル・フォアマン文・絵/柳田邦男訳
岩崎書店 定価1,470円(税込) 2009.09 32ページ ISBN 978-4265068180
"A Child's Garden" by Michael Foreman
Walker Books, 2009
★2010年ケイト・グリーナウェイ賞ロングリスト作品
Amazonで詳細を見る  bk1で詳細を見る
Amazonで原書の詳細を見る

 荒涼としたがれきの山が広がる。だれかの住まいだった家々が崩れている。しかし
よく見れば、はるか向こうに、無傷のビルがいくつもそそりたつ。その足元に小さく
描きこまれた戦車の砲身は、すべてこちらを向いている。まるで切り傷のような有刺
鉄線が、あちらとこちらを隔てている。これは戦場だろうか?
 主人公の少年はこちら側に住む。崩れた家々の片隅に、破れ毛布で体を包み、雨露
をしのいで暮らしている。ある日、彼は植物の「芽」を見つける。日よけの屋根を作
ってやり、空き缶で水を与え、彼はその緑の「芽」を育てはじめた。それはブドウの
木だった。葉をつけ、枝をかかげ、つるをのばし、より大きく、より遠くへ、広がっ
ていった。鉄条網をおおうほどに。がれきの山に住む子どもたちは、ブドウの木陰で
遊び、鳥が集い、蝶も舞う。ところが、あちら側に住む兵士たちは、大きく茂った木
を引き抜き、みぞに捨ててしまうのだ。
 モノトーンの廃墟に、緑の木が育ち、まるで花のような鳥や、蝶が飛びかう。目を
見張るような変化は、美しい色彩で飾られ、だれの心にも希望の到来を予感させる。
それだけに兵士たちの手によって、木がとり去られたとき、悲しみで張り裂けそうな
少年の気持ちが痛いほど伝わってくる。
 兵士たちには色がない。顔は帽子の影となり定かではない。兵士たちに引き抜かれ
ていく木もまた、色を失っていく。ここには炸裂する爆弾も、傷ついて倒れた人も描
かれてはいない。けれども兵士たちの行為は、戦争による憎しみの正体を見せつける。
色のない頁と、美しく彩色された頁の対比が鮮やかに訴えるのは、色を失った世界の
わびしさや悲しさに対して、色のあふれた世界が輝くばかりに美しいことだ。この2
つが人の手で隔てられているかぎり、我々の責任は重い。
 結末は、木の生命力が少年の思いを後押しし、明日への希望を感じさせるものとな
っている。少年の願いがかなう日が必ずくることを祈りたい。世界のどこかで生きて
いる1人の少年に、年末のあわただしさを離れ、ひととき思いをはせてはいかがだろ
うか。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【文・絵】マイケル・フォアマン(Michael Foreman):1938年英国のサフォーク生
まれ。1982年度と1989年度にケイト・グリーナウェイ賞を受賞。最近の邦訳絵本に
『アンデスの少女ミア 希望や夢のスケッチブック』(長田弘訳/BL出版)や、息
子ジャック・フォアマンの詩をもとにした『あ、そ、ぼ』(さくまゆみこ訳/小学館)
がある。

【訳】柳田邦男(やなぎだ くにお):1936年栃木県生まれ。1960年東京大学経済学
部卒業。現在はノンフィクション作家として活躍。最近の翻訳では『でも、わたし生
きていくわ』(コレット・ニース=マズール文/エステル・メーンス絵/文溪堂)、
『その手に1本の苗木を マータイさんのものがたり』(クレア・A・ニヴォラ文・
絵/評論社)などがある。
                               (尾被ほっぽ)

▲ページのトップへ


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●世界の本棚(フィンランド語)●地球の反対側で本になった先住民族の民話
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

『川に見初められた娘 マプチェ族の昔話』(仮題)
レーナ・ラウラヤイネン作/アドルフォ・ベラ写真
"Tytto jonka joki halusi vaimokseen"
text by Leena Laulajainen, photograph by Adolfo Vera
Lasten Keskus, 2008 ISBN 978-9516277366(Finland)
63pp.

 マプチェ族は南米の先住民族で、現在のチリとアルゼンチンの南部にあたる地域に、
1万年以上も前から暮らしてきたという。本書には、チリのマプチェ族に伝わる民話
のうち10編が、彼らの姿とチリの風景をとらえた写真とともに収められている。
 どの話からも感じられるのは、自然に対する強い畏敬の念だ。マプチェの民話の中
では、人間は大地や動植物が形作る世界の一部であること、自然は人間に恵みを授け
てくれるが、人間を滅ぼす力をも持っていることが、繰り返し語られる。漁師が貴重
な薬草の生える岩に敬意を払わずにいると、体が岩に変わってしまう話や、山が火を
噴いて人間への怒りをあらわにし、いけにえとして乙女の心臓を要求する話を読むと、
自然の力の大きさと容赦のなさに息をのんでしまう。こんな峻厳な美しさを持つ民話
をはぐくんだのは、雪を頂くアンデス山脈を擁し、世界有数の地震国でもある、チリ
の厳しい地勢なのだろう。大地をつかさどる蛇と、水をつかさどる蛇との争いによっ
て山と海の地形ができあがったさまを語る1編は、地をとどろかせ、波を逆巻かせて
戦う2匹の大蛇の姿に、地震や津波の恐ろしさが重なり、すさまじい迫力だ。
 もちろん、自然の慈愛に満ちた面も語られている。ある村の娘は川の神に愛されて
水底の世界へ嫁いでいくが、娘の故郷の村に、川はすばらしい恵みを与えてくれる。
また、擬人化した動物や植物の行動に人間の賢さやおろかさを重ね合わせた話は、世
界中で見られる民話の形式と同様だが、コンドルやピューマ、カボチャといった南米
ならではの動植物が登場し、独特の雰囲気をかもしだしていて興味深い。
 作者は各地の先住民族の伝承に関心が高く、複数の作品で取り上げている。90年代
にチリを訪れてマプチェの人々に出会い、彼らがマプチェ語とスペイン語で語ってく
れた物語を、通訳の協力を得て採集した。それをまとめたのが本書だが、この本が出
版された背景にはもうひとつの出会いがある。1973年にチリで軍事クーデターが勃発
した直後、フィンランドは150名のチリ人を難民として受け入れた(※)。その1人、
まだ10代の若者だったアドルフォのために、スペイン語で学べる学校を手配したのが、
公的機関で教育関係の職にあった作者だった。それから30年あまり、フィンランドを
拠点に活躍する写真家となったアドルフォと、著名な作家になった作者との合作が実
現して、この本が生まれたのだ。アドルフォはあとがきで、取材中に目にしたマプチ
ェ族の現状に触れている。先住民族であるがゆえに虐げられ、貧困の中で伝統文化の
継承も困難だという。本書がマプチェ族の存在を世に知らしめ、彼らが伝統を守りつ
つよりよい未来を手に入れる一助となることを、作者たちとともに私も願っている。

※フィンランドは1977年までに合計182名のチリ人を難民として受け入れている

【作】レーナ・ラウラヤイネン(Leena Laulajainen):1939年生まれ。フィンラン
ド児童文学界を代表する作家の1人。1998年に "Kultamarja ja metsan salaisuudet"
(Anna-Liisa Hakkarainen 絵、未訳)でフィンランディア・ジュニア賞とフィンラ
ンドの絵本賞をダブル受賞するなど、受賞歴も多い。邦訳された『魔術師のたいこ』
(荒牧和子訳/春風社)は、北欧の先住民族サーメ人の民話集である。

【写真】アドルフォ・ベラ(Adolfo Vera):1955年チリ生まれ。難民としてフィン
ランドに渡り、1982年に同国の国籍を取得。ヘルシンキ芸術デザイン大学で写真を学
び、卒業後は雑誌の仕事で写真家としてのキャリアをスタートさせた。国内外で個展
を開くなど精力的に活動している。2005年にはペルーの先住民族をテーマにした作品
展をヘルシンキで開催した。フィンランド南部のヴァンター市在住。

【参考】
▼マプチェ族に関する記事(国際協力機構JICA内)
http://www2.jica.go.jp/hotangle/america/chile/000280.html

▼マプチェ族に関する記事(日本ユニセフ協会内、記事での表記は「マプーチェ」)
http://www.unicef.or.jp/children/children_now/chile/sek_chile01.html

▼ Finnish Refugee Council 公式ウェブサイト(英語版トップページ)
http://www.pakolaisapu.fi/en/

▼アドルフォ・べラ公式ウェブサイト(フィンランド語)
http://www.adolfovera.fi/

                               (古市真由美)

【特殊文字】
「Tytto jonka joki halusi vaimokseen」:「Tytto」の「o」の上にウムラウト(¨)
がつく
「Kultamarja ja metsan salaisuudet」:「metsan」の「a」の上にウムラウト(¨)
がつく

▲ページのトップへ


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●賞速報━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

★2009年カナダ総督文学賞(児童書部門)発表
★2009年ブックトラスト・ティーンエイジ賞発表
★第2回JBBY賞および2010年IBBYオナーリスト(日本)決定
★2009年全米図書賞(児童書部門)発表
★2009年アウグスト賞発表
★2009年フィンランディア・ジュニア賞発表
★2009年コスタ賞ショートリスト発表(受賞作の発表は2010年1月5日)

 海外児童文学賞の書誌情報を随時掲載しています。「速報(海外児童文学賞)」を
ご覧ください。
http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=award

▲ページのトップへ


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●イベント速報━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

★展示会情報
 板橋区立美術館「ドゥシャン・カーライの超絶絵本とブラチスラヴァの作家たち」
 ちひろ美術館・東京「絵本は楽しい! 武田美穂の絵本作り展」 など

★講座・講演会情報
 教文館 子どもの本のみせ ナルニア国「間崎ルリ子氏連続講演会」(抽選あり)
 クレヨンハウス「角野栄子さん講演会」 など

 詳細やその他のイベント情報は、「速報(イベント情報)」をご覧ください。なお、
空席状況については各自ご確認願います。
http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=event

                           (冬木恵子/笹山裕子)

▲ページのトップへ


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●世界のお祭り&お菓子の旅●特別編
               公現祭(キリスト教) & ガレット・デ・ロワ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 公現祭とは、人の子としてこの世に誕生したイエスの栄光が、公に人々の前に現れ
たことを記念するキリスト教の祝日です。教派によってなにについて祝うか違いが見
られますが、西方教会では、東方の三博士(王様、賢者、魔法使いなど諸説がありま
す)が星に導かれてベツレヘムにたどり着き、幼子イエスにお祝いを述べたことを記
念します。一方、東方教会では、イエスが洗礼を受けたことを祝います。クリスマス
の翌日から数えて12日目の1月6日に祝うのが正式ですが、1月の第1日曜日に祝う
など、国によっては移動祝日となっているところもあります。
 わたしたち日本人は、一般的にクリスマスプレゼントをもらうのは12月24日(もし
くは25日)だと思っていますが、スペインやイタリアなどではこの公現祭の日にもら
うことも多いそうです。スペインでは、幼子イエスに贈り物(乳香・黄金・没薬)を
持ってきた三博士が、子どもたちにも贈り物を届けてくれると信じられています。公
現祭の前夜1月5日には、スペイン各地で三博士が乗った山車がパレードし、沿道の
子どもたちにキャンディーを投げてくれます。特に首都マドリードで繰り広げられる
パレードは、テレビ中継されるほど有名です。三博士ではなくて、魔女がプレゼント
を持ってくるといわれている地域もあります。イタリアの魔女ベファーナ、ドイツの
ペルヒタなどが代表です。本誌2006年10月号「注目の本(邦訳読み物)」でご紹介し
た『ベネチア人にしっぽがはえた日』(アンドレア・モレジーニ作/長野徹訳/汐文
社)は、このベファーナが公現祭の前夜に、よい子にはお菓子やおもちゃ、悪い子に
は炭を持ってベネチアにやってくるお話です。
 イタリアのミラノには、12世紀後半まで三博士の遺体がおさめられていたとされる
サンテウストルジョ聖堂があり、三博士によるキリスト礼拝を再現したパレードが毎
年行われます。ドゥオーモ広場から出発するこのパレードの歴史は古く、一般市民も
用意された衣装の数だけ参加できるそうです。
 この日、スペインではロスコン・デ・レジェス、メキシコではロスカ・デ・レジェ
スと呼ばれる特別なお菓子を食べる習慣があります。ともに王様の冠を模したリング
状の菓子パンで、ドライフルーツがたくさん飾られ、中に小さな人形などが入ってい
ます。メキシコの首都メキシコシティでは恒例行事として、巨大菓子パンが市民にふ
るまわれるとか。なんと、全長1600メートル、重さにして10トン! 広場に集まった
2300人ものパン職人が力を合わせて作るというからダイナミックですね。
 そしてフランスやベルギーでは、ガトー・デ・ロワまたはガレット・デ・ロワと呼
ばれる「王様のお菓子」を食べて祝います。中にフェーブ(陶製の小さな人形など)
が入っており、それを引き当てた人が紙製の王冠をかぶってその日の王様となります。
ベルギーの絵本『しあわせのおくりもの』(カール・ノラック文/クロード・K・デ
ュポワ絵/河野万里子訳/ほるぷ出版)は、ハムスターの女の子ロラが、プレゼント
でもらったり、「王様のお菓子」を食べて引き当てたりした4つの王冠を、友だちや
人形にわけてあげるお話です。また、日本でも長年愛されている絵本「カロリーヌ」
シリーズには、その名もずばり『カロリーヌとおうさまケーキ』(下記参照)という
お話があります。さて、カロリーヌとゆかいな仲間たちの中で、その幸運な王様にな
ったのはだれでしょう?

*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*
 15ふんほどで、まち いちばんの ケーキやさんの おうさまケーキは ほとんど
ぜんぶ たいらげられました。
 そこで らいおんキッドが、かちほこって さけびました。
「ぼくのに はいっていたぞ! やったあ、ぼくが おうさまだ!」
                       『カロリーヌとおうさまケーキ』
       ピエール・プロブスト文・絵/やましたはるお訳/BL出版(2000)
Amazonで詳細を見る  bk1で詳細を見る

 Un quart d'heure plus tard, la galette du meilleur patissier du quartier
est presque completement avalee.
 Et Kid pousse un cri de triomphe:
 《J'ai la feve! C'est moi le roi!》
(patissier の a にアクサン・スィルコンフレックス、completement と feve の各
ひとつめの e にアクサン・グラーヴ、avalee のひとつめの e にアクサン・テギュ)
         "Caroline et la galette des rois" by Pierre Probst(1989)
                          Hachette Jeunesse(1996)
Amazonで詳細を見る

*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*

 それでは、この特別なお菓子について、レシピと一緒にその歴史などについてご紹
介しましょう。

   **-- あなたも王様になるチャンス! 〜ガレット・デ・ロワ〜 --**

 1月に入ると、公現祭を祝う「王様のお菓子」が店先をにぎわすフランス。「王様
の」というだけあって、紙製の王冠が必ずついてきます。一口に王様のお菓子といっ
ても地域によって素材や味が違い、大きく分けて南部では王冠形のブリオッシュ「ガ
トー・デ・ロワ」、北部ではアーモンドのクリームが入ったパイ「ガレット・デ・ロ
ワ」が食されます。引用のカロリーヌたちが食べていたのが、後者のガレット・デ・
ロワ。カラメル色の表面に、自然への感謝を表す麦の穂や太陽の模様がくっきりと際
立ち、シンプルながらも美しさと気品のある焼き菓子です。その中に隠された「フェ
ーブ」を引き当てた人がその日の王様になれるというのは、さきほどご紹介したとお
り。「王様ゲーム」とよばれるこの遊びの由来は古く、ローマ時代にまでさかのぼり
ます。当時、農耕神サトゥルヌスを称える祭りで、菓子に焼き込まれたソラマメを引
いた人は、身分にかかわらずその日を王様として過ごすことができたといいます。16
世紀には教会で翌年の司祭を決めるために、やはりソラマメや金貨入りのパンを使っ
たとか。それが大衆社会に広まり、いつしか公現祭のお菓子となったのでしょう。物
語でらいおんキッドが引き当てたのは、陶製とおぼしき白い人形のフェーブでした。
このような陶製のものが登場したのは19世紀後半のこと。陶器であっても「ソラマメ」
を意味するフェーブと呼ばれているのは昔の名残なのです。手作りパイ生地でバター
の風味豊かに仕上げた今回のレシピ。陶製のものがなければ、本来のフェーブをひと
粒忍ばせましょう。くれぐれもフェーブは飲み込んでしまわないようご注意を。

*-* ガレット・デ・ロワの作り方 *-*
                画像はこちら(やまねこ翻訳クラブ喫茶室)

材料(直径21cmの円形)
 〈パイ生地〉
  薄力粉        120g  強力粉    80g    塩   小さじ1/2強
  バター(1cm角切り) 150g  冷水     100g
 〈アーモンドクリーム〉
  アーモンドパウダー  60g  バター    60g    粉砂糖     60g
  卵(Lサイズ)    1個  薄力粉  大さじ2    アマレット 小さじ2
 〈仕上げ材料〉
  溶き卵        適宜  粉砂糖  小さじ2    フェーブ    1個

1.パイ生地用の粉類と塩をあわせてふるい、バターを入れて軽く混ぜてから冷水を
  加え、ひとまとめにする。ラップで包み冷蔵庫で20分休ませる。
2.粉を振った台の上で1を15cm×45cmにのばして三つ折りする。向きを変えて同様
  にし、冷蔵庫で20分間休ませる。この作業を計3回行い、約1時間寝かす。
3.アーモンドクリームを作る。バターを練り、粉砂糖、アーモンドパウダー、薄力
  粉の順に加えて混ぜる。卵を少しずつ加え、最後にアマレットで香り付けする。
4.パイ生地の半量を22cm角にのばして天板におき、直径21cmの鍋蓋などをガイドに
  円形の印をつける。その円よりさらに2cm小さい円になるように、3のクリーム
  を中央からしぼり出し、中高にならしてフェーブを埋め込む。外周とクリームの
  間に溶き卵を塗る。残りのパイ生地をのばしてかぶせ、縁をしっかりおさえ、直
  径21cmの円形になるよう余分な生地を切り取る。縁に2〜3cm間隔で1cmの切り
  込みを入れ、表面に溶き卵を塗って冷蔵庫で15分ほど休ませる。
5.表面に好みの模様をナイフで浅く入れ、竹串で数か所空気穴をあけてから、200
  度に熱したオーブンで45分ほど焼く。
6.いったんオーブンから出し、茶漉しで粉砂糖をふりかけ、さらに5分ほど焼く。
  砂糖が溶けたらオーブンから取り出し、金網の上で冷ます。

★参考図書、ウェブサイト
『世界大百科事典』平凡社
『世界のおまつり』ほるぷ出版
『王様のお菓子 ガレット・デ・ロワ GALETTE DES ROIS』(全美乃著/文芸社)
『名前が語るお菓子の歴史』(ニナ・バルビエ、エマニュエル・ペレ著/北代美和子
訳/白水社)
サンテウストルジョ聖堂公式ウェブサイト(イタリア語)
http://www.santeustorgio.it/corteo_dei_magi.html
クラブ・ドゥ・ラ・ガレット・デ・ロワ
http://www.galettedesrois.org/

★「やまねこ翻訳クラブお菓子掲示板」
        http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=okashi

         (村上利佳、加賀田睦美/笹山裕子/かまだゆうこ/冬木恵子)

▲ページのトップへ


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●読者の広場● 海外児童文学や翻訳にまつわるお話をどうぞ!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 このコーナーでは、本誌に対するご感想・ご質問をはじめ、海外児童書にまつわる
お話、ご質問、ご意見等を募集しています。mgzn@yamaneko.org までお気軽にお寄せ
ください。

※メールはなるべく400字以内で、ペンネームをつけてお送りください。
※タイトルには必ず「読者の広場」とお入れください。
※掲載時には、趣旨を変えない範囲で文章を改変させていただく場合があります。
※質問に対するお返事は、こちらに掲載させていただくことがあります。原則的に編
集部からメールでの回答はいたしませんので、ご了承ください。

▲ページのトップへ


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●お知らせ●

 本誌でご紹介した本を、各種のインターネット書店で簡単に参照していただけます。
こちらの「やまねこ翻訳クラブ オンライン書店」よりお入りください。
http://www.yamaneko.org/info/order.htm
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
          吉田真澄の児童書紹介メールマガジン
             「子どもの本だより」
     http://www.litrans.net/maplestreet/kodomo/info/index.htm
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★☆       出版翻訳ネットワーク・メープルストリート       ☆★
        http://www.litrans.net/maplestreet/index.htm
新刊情報・イベント情報などを掲載いたします。詳細はmaple2003@litrans.netまで。

       出版翻訳ネットワークは出版翻訳のポータルサイトです
             http://www.litrans.net/ 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     ★☆メールマガジン『海外ミステリ通信』 隔月15日発行☆★
          http://www.litrans.net/whodunit/mag/
未訳書から邦訳新刊まで、あらゆる海外ミステリの情報を厳選して紹介。翻訳家や
編集者の方々へのインタビューもあります!    〈フーダニット翻訳倶楽部〉
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
*=*=*=*=*=*= やまねこ翻訳クラブ発行メールマガジン&ウェブジン =*=*=*=*=*=*

★やまねこアクチベーター(毎月20日発行/無料)
  やまねこ翻訳クラブのHOTな話題をご提供します!
                 http://www.yamaneko.org/mgzn/acti/index.htm

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●編集後記●今年のやまねこ賞作品、どのようにご覧になったでしょうか。投票者数
は、読み物部門27名、絵本部門23名と小規模ですが、やまねこ翻訳クラブとして自信
を持って送り出せる結果になったと自負しております。読書室掲示板では、もう、次
年度に向けて新しい本の話題が出されています。是非、こちらにも遊びにいらしてく
ださい。http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=dokusho(う)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
発行人 美馬しょうこ(やまねこ翻訳クラブ 会長)
編集人 植村わらび/赤間美和子/井原美穂(やまねこ翻訳クラブ スタッフ)
企 画 石田景子 大作道子 尾被ほっぽ 加賀田睦美 かまだゆうこ 児玉敦子
    笹山裕子 平野麻紗 冬木恵子 古市真由美 村上利佳
協 力 出版翻訳ネットワーク 管理人 小野仙内
    ながさわくにお 蒼子 えみりい
    html版担当 shoko
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
・このメールマガジンは、「まぐまぐ」( http://www.mag2.com/ )を利用して配信
しています。購読のお申し込み、解除もこちらからどうぞ。
・バックナンバーは、http://www.yamaneko.org/mgzn/ でご覧いただけます。
・ご意見・ご感想は mgzn@yamaneko.org までお気軽にお寄せください。
・無断転載を禁じます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


メニュー「月刊児童文学翻訳」バックナンバー>2009年12月号   オンライン書店

Copyright (c) 2009 yamaneko honyaku club. All rights reserved.

やまねこ翻訳クラブロゴ