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2020年6月号
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  =====★   月 刊  児 童 文 学 翻 訳   ★=====
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                                No.199
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児童文学翻訳学習者による、児童文学翻訳学習者のための、電子メール版情報誌
http://www.yamaneko.org                         
編集部:mgzn@yamaneko.org     2020年6月15日発行 配信数 2510 無料
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●2020年6月号もくじ●
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◎特集:第67回(2020年)産経児童出版文化賞翻訳作品賞 受賞作品レビュー
 『あおいアヒル』 リリア文・絵/前田まゆみ訳/主婦の友社
 『マンマルさん』 マック・バーネット文/ジョン・クラッセン絵/長谷川義史訳
                              /クレヨンハウス
◎賞速報
◎イベント速報
◎お菓子の旅:第73回 ブドウから生まれた保存食 〜チュルチヘラ〜
◎読者の広場

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●特集●第67回(2020年)産経児童出版文化賞翻訳作品賞 受賞作品レビュー
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 産経児童出版文化賞は、子どもたちに優れた本を与えることを目的に、1954年の学
校図書館法の施行とともに制定された。大賞を含む7つの賞からなり、そのうち翻訳
作品賞は2007年より設けられている。前年の1年間に初版として刊行された児童書が
対象で、毎年5月5日の「こどもの日」に発表される。
 今月号では、2020年の翻訳作品賞を受賞した2作品のレビューをお届けする。

▼産経児童出版文化賞公式ウェブサイト
https://www.eventsankei.jp/child_award/index.html

▽産経児童出版文化賞受賞作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室)
http://www.yamaneko.org/bookdb/award/jp/sankei/index.htm

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『あおいアヒル』リリア文・絵/前田まゆみ訳
主婦の友社 定価1,300円(本体) 2019.10 48ページ ISBN 978-4074397761
"The Blue Duck" by Lilia
KINDERLAND, 2017
(奥付にはハングルによる原書タイトルの記載もありますが、ここでは省略します)
Amazonで検索する:ISBN  Amazonで検索する:書名と作者名

 ある美しい秋の日、あおいアヒルはあおい池で、1匹のあかちゃんワニと出会う。
母親とはぐれてしまったワニは、アヒルになつき、いつしか本当の親子のようになっ
ていく。アヒルは一生懸命ワニの世話をし、たくさんのことを教え、ワニも立派に成
長した。しかしいつの頃からか、アヒルはいろいろなことを忘れ始める。ワニのこと
さえ分からなくなり、とうとう歩けなくなってしまった。それでもワニのアヒルへの
愛情は薄れることはなく、記憶を失い動作も完全にあかちゃんのようになってしまっ
たアヒルに対し、自分が受けてきたものと変わらぬ愛を注ぎ続ける。
『あおいアヒル』の“あお”とは何か。まずその表現に興味が湧いた。絵には水色と
もいえるような青が使われている。アヒルは、くちばしと脚だけが青く、それ以外は
白い。絵からだけではヒントがつかめず、ふいに、英語タイトル "The Blue Duck"
の、"Blue" に目を留めた。Blue には、憂うつさや悲観を表す意味がある。最初にア
ヒルが感じた、ワニの母親になれたこの上ない喜びと、成長したワニとの日々で、少
しずつ記憶をなくしていく悲しみが、アヒルの表情から読み取れる気がした。“あお”
とはつまり、アヒルの憂えた気持ちの隠喩なのではないだろうか。そんなことを考え
ながら物語を読み終えたとき、ワニの優しさに、思わず胸がいっぱいになった。

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【文・絵】リリア(Lilia):韓国在住の絵本作家。ブエノスアイレスで育ち、のち
に韓国で絵本にイラストをつける仕事に携わる。本書は、認知症の祖母を介護する家
庭で育った自らの体験をもとに描いた作品。

【訳】前田まゆみ(まえだ まゆみ):京都市在住の絵本作家、翻訳家。学生時代、
神戸女学院大学で英文学を学びながら、絵の基礎を学ぶ。主な訳書に『翻訳できない
世界のことば』、『誰も知らない世界のことわざ』(いずれも、エラ・フランシス・
サンダース著/創元社)、『こいぬのミグルーだいかつやく』(ウイリアム・ビー文
・絵/創元社)などがある。

                                 (安部聰)

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『マンマルさん』マック・バーネット文/ジョン・クラッセン絵/長谷川義史訳
クレヨンハウス 定価1,800円(本体) 2019.05 45ページ ISBN 978-4861013683
"Circle" text by Mac Barnett, illustrations by Jon Klassen
Candlewick Press, 2019
Amazonで検索する:ISBN  Amazonで検索する:書名と作者名

 関西弁訳の『サンカクさん』『シカクさん』に続くシリーズ第3弾。
 滝の近くで一緒に遊んでいたマンマルさん、シカクさん、サンカクさんは、かくれ
んぼを始める。鬼のマンマルさんから、滝の後ろは真っ暗だから隠れてはだめと言わ
れたのに、サンカクさんは「くらいのなんか こわないで!」。マンマルさんが10ま
で数える間に、滝の後ろへ行ってしまった。シカクさんにそれを知らされて、ため息
をつくマンマルさん。仕方なくサンカクさんを探しに滝へ入って行くのだが、真っ暗
な中、やっと見つけたと思って文句を浴びせた相手はサンカクさんではなかった……。
 いたずらでやんちゃなサンカクさんと、真面目だけどどこか抜けているシカクさん、
仕切り屋タイプのマンマルさんが初めてそろったこの展開に、子どもの頃を思い出し
た。マンマルさんが私、シカクさんがすぐ下の弟、サンカクさんが末の弟。いくら頭
にきていても、姉は下のきょうだいを放っておけず、最後には助けてしまうのだ。
 さて、サンカクさんではない「誰か」の正体は最後までわからない。さすがに暗闇
が怖くなったらしいサンカクさんと、滝の中へ入らなくてよかったと安堵するシカク
さん、そして、滝の外へと逃げながらも「誰か」がいる滝の奥に視線を向け続けたマ
ンマルさん。その「誰か」は、見る者によってまるで違う姿をしているかもしれない。

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【文】マック・バーネット(Mac Barnett):カリフォルニア州オークランド在住の
児童書作家。"The Wolf, the Duck and the Mouse"(『おおかみのおなかのなかで』
ジョン・クラッセン絵/なかがわちひろ訳/徳間書店)のオランダ語訳で、2019年に
銀の石筆賞を受賞している。

【絵】ジョン・クラッセン(Jon Klassen):ロサンゼルス在住のイラストレーター、
作家。"This Is Not My Hat"(『ちがうねん』長谷川義史訳/クレヨンハウス)で
2013年にコールデコット賞を、2014年にケイト・グリーナウェイ賞を受賞している。

【訳】長谷川義史(はせがわ よしふみ):大阪府生まれ。『おたまさんのおかいさ
ん』(日之出の絵本制作実行委員会文/解放出版社)で2003年に講談社出版文化賞絵
本賞を、『ぼくがラーメンたべてるとき』(教育画劇)で2008年に日本絵本賞と小学
館児童出版文化賞を受賞している。関西弁訳の翻訳絵本も好評。

【参考】
▼マック・バーネット公式ウェブサイト
https://www.macbarnett.com/

▼ジョン・クラッセン公式タンブラー
https://jonklassen.tumblr.com/

▼長谷川義史公式ウェブサイト
http://www.eonet.ne.jp/~mousebbb/hasegawahp/

▽ジョン・クラッセン作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室)
http://www.yamaneko.org/bookdb/author/k/jklassen.htm

                               (赤間美和子)

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●賞速報━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

★2020年MWA賞受賞作品発表
★2020年国際アンデルセン賞受賞者発表
★2020年ボストングローブ・ホーンブック賞発表
★2020年CBI最優秀児童図書賞(旧ビスト最優秀児童図書賞)発表
★2020年ニュージーランド児童書及びヤングアダルト小説賞候補作品発表
                     (受賞作品の発表は8月12日の予定)

 海外児童文学賞の書誌情報を随時掲載しています。「速報(海外児童文学賞)」を
ご覧ください。
http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=award

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●イベント速報━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

★展示会情報
 安曇野ちひろ美術館
   「<企画展>ショーン・タンの世界展 どこでもないどこかへ」
 軽井沢絵本の森美術館
   「お菓子の家の先には…? 〜『グリム童話』の森へようこそ〜」 など

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、イベントは中止や延期になる場合がありま
す。最新の開催情報は「児童書関連イベント情報掲示板」掲載の各参考ウェブサイト
でご確認ください。
http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=event

                          (冬木恵子/山本真奈美)

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●お菓子の旅●第73回 ブドウから生まれた保存食 〜チュルチヘラ〜
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イリコが戻ってきた。ウォッカの瓶を一本とかびの生えたチュルチヘラを二本持って
きて僕たちの前に坐った。
              『僕とおばあさんとイリコとイラリオン』
               ノダル・ドゥンバゼ作/児島康宏訳/未知谷/2004
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『僕とおばあさんとイリコとイラリオン』は、20世紀後半のジョージア(旧呼称グル
ジア)を代表する作家、ノダル・ドゥンバゼの自伝的な小説で、初めてジョージア語
から直接日本語に翻訳・出版された、記念すべき作品です。ジョージアがソビエト連
邦の一共和国だった1940年代、作者の分身ともいえる少年ズラブを主人公に、前半は
田舎の村でおばあさんとイリコとイラリオンという2人の叔父と過ごす、少々ハチャ
メチャな子ども時代が、後半は首都トビリシでの大学生活が描かれています。
 叔父のひとり、イリコは立派な豚を飼っており、毎年2回仔豚を売って、けっこう
な収入を得ています。豚のお産がまた近づき、家を訪ねてきたズラブとイラリオンを
ウォッカとチュルチヘラでもてなそうとするのが引用部分です。
 ジョージアはワイン発祥の地といわれます。秋にブドウが収穫され、ワイン造りが
始まるころ、ブドウを絞った果汁で作られるお菓子がチュルチヘラです。作り方はシ
ンプルで、果汁を煮詰めたものに穀物の粉でとろみをつけ、糸でつないだ木の実を浸
し、干して乾かすだけ。とろみをつけるのに、東ジョージアでは小麦粉、西ジョージ
アではトウモロコシの粉が使われ、芯にする木の実は、東ではクルミ、西ではヘーゼ
ルナッツが使われます。
 ズラブたちが暮らす村は黒海に近い西ジョージアにあり、イリコが持ってきたチュ
ルチヘラにはヘーゼルナッツが入っていましたが、日本ではクルミのほうが手に入り
やすいので、東ジョージア風のチュルチヘラの作り方を紹介します。ジョージアでは
10〜15日間、日光に当ててしっかり乾燥させたのち、涼しいところで保存して次のブ
ドウの季節までもたせるようですが、湿度の高い日本では乾燥する前にカビが生えて
くる可能性があるので、3日くらいで冷蔵庫に移し、早めに食べるのが無難です。

*-* チュルチヘラの作り方 *-*
                   画像はこちら(やまねこ翻訳クラブ喫茶室)

材料(長さが10cmくらいのもの10本分)
 ブドウジュース(果汁100%のもの) 1リットル
 薄力粉                  60g
 クルミ           適量(100粒+α)
 ※糸を通すときに割れてしまうことがあるので、クルミは多めに用意する。

1.クルミは160度に予熱したオーブンで8分焼いておき、薄力粉はふるっておく。
2.ボタン付け糸くらいの太さの糸をやや太めの針に通して、クルミ10個を数珠のよ
  うにつなげる。これを10本作る。
3.ブドウジュース500ccを鍋に入れ、量が半分になるまで中火で煮詰める。火を一
  度止め、残りのブドウジュースと薄力粉を加えたら、だまにならないよう、泡立
  て器で混ぜながらさらに加熱し、とろみがついたら火からおろす。
4.2.のクルミを3.に浸し、糸を棒などに引っかけて、ぶら下げて乾かす。
5.表面が乾いたら、もう一度3.に浸し、乾かす。この作業を2〜3回繰り返すと、
  クルミの表面にグミのような層ができる。
6.風通しのいい場所に3日くらい干し、よく乾燥させる。食べる前に糸を抜く。1
  本を丸ごとかじって食べてもいいし、スライスしてもいい。

★参考図書・ウェブサイト
『世界遺産になった食文化 5 世界のワインのルーツはグルジア! グルジア料理』
(服部津貴子監修/こどもくらぶ編/WAVE出版)
『THE PASTRY COLLECTION 日本人が知らない世界の郷土菓子をめぐる旅』(郷土菓
子研究社・林周作著/KADOKAWA)
『世界の郷土菓子 旅して見つけた! 地方に伝わる素朴なレシピ』(郷土菓子研究
社・林周作著/河出書房新社)
私の国ジョージア チュルチヘラ
http://my-country-georgia.blogspot.com/2017/12/blog-post.html
つくってみた。(「お菓子の旅」のお菓子を作ってみたレポート)
http://tsukuttemita.jugem.jp

お菓子の話題は喫茶室掲示板へどうぞ。
★「やまねこ翻訳クラブ喫茶室掲示板」
http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=kissa

                              (赤塚きょう子)

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●読者の広場●海外児童文学や翻訳にまつわるお話をどうぞ!
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 このコーナーでは、本誌に対するご感想・ご質問をはじめ、海外児童書にまつわる
お話、ご質問、ご意見等を募集しています。mgzn@yamaneko.org までお気軽にお寄せ
ください。

※メールはなるべく400字以内で、ペンネームをつけてお送りください。
※タイトルには必ず「読者の広場」とお入れください。
※掲載時には、趣旨を変えない範囲で文章を改変させていただく場合があります。
※質問に対するお返事は、こちらに掲載させていただくことがあります。原則的に編
集部からメールでの回答はいたしませんので、ご了承ください。

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●お知らせ●

 本誌でご紹介した本を、各種のインターネット書店で簡単に参照していただけます。
こちらの「やまねこ翻訳クラブ オンライン書店」よりお入りください。
http://www.yamaneko.org/info/order.htm
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           ・☆・〜 次 号 予 告 〜・☆・

 詳細は10日ごろ「やまねこ翻訳クラブ・喫茶室掲示板」に掲載します。お楽しみに!
    http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=kissa

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▽▲▽▲▽   海外児童書のシノプシス作成・書評執筆を承ります   ▽▲▽▲▽

 やまねこ翻訳クラブ( yagisan@yamaneko.org )までお気軽にご相談ください。

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編集者の方々へのインタビューもあります!    〈フーダニット翻訳倶楽部〉
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●編集後記●今年も本誌で産経児童出版文化賞翻訳作品賞の受賞作品を紹介できまし
たこと、たいへんうれしく思います。受賞されたみなさま、おめでとうございます。
発行後すぐになりますが、2020年カーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞受賞作品
の発表が6月17日に予定されています。どの作品が選ばれるのか、結果が待たれます。
こちらもどうぞお楽しみに。(み)
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発 行 やまねこ翻訳クラブ
編集人 三好美香/森井理沙/平野麻紗(やまねこ翻訳クラブ スタッフ)
企 画 赤塚きょう子 赤間美和子 安部聡 尾被ほっぽ かまだゆうこ 蒲池由佳
    くどうあきこ 冬木恵子 山本真奈美
協 力 出版翻訳ネットワーク 管理人 小野仙内
    からくっこ キジトラ ながさわくにお みちこ
    html版担当 ぐりぐら
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・このメールマガジンは、「まぐまぐ」( http://www.mag2.com/ )を利用して配信
しています。購読のお申し込み、解除は下記のページからお手続きください。
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