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やまねこ調査隊

第16回 投稿・持ち込みでつかんだチャンス
――ないとうふみこさんに聞く

「宇宙人が来た!」表紙
宇宙人が来た!
ゲイル・ゴーティエ作 ないとうふみこ訳 土屋富士夫絵
(徳間書店 本体1300円)
ぼくのうちには、宇宙人が次から次へとやって来るんだ――。ウィルとロビーの兄弟と、へんてこな宇宙人たちの、ゆかいな物語。大人の読者のあいだでは、「ママ」の人気も高い。

 やまねこ調査隊、今回の取材ターゲットは、『宇宙人が来た!』(ゲイル・ゴーティエ作/徳間書店)の訳者ないとうふみこさん。「内藤文子さん」と書けば、本誌の前身である『翻訳の世界』を長くお読みの方にとっては、もと“誌上講座の常連”としておなじみかもしれない。また、現在は児童書翻訳サークル・やまねこ翻訳クラブに所属、当調査隊のメンバーとしても活躍している。

 ないとうさんが『翻訳の世界』(※)の誌上講座に投稿をはじめたのは、今から10年以上前のことだった。通信教育を1年受講したあとは、お子さんが小さかったこともあり、翻訳学校へは通わずにずっと誌上講座で勉強してきた。「当時はいろいろなジャンルの講座がありましたね。ほとんど毎月、出していました。出さないと、次の号を開く楽しみが半減してしまって(笑)」と、ないとうさん。誌面にはじめて名前が載ったのは“悪い例”としてだったそうだ。そのときはショックだったが、めげずに投稿を続けるうち、次第に優秀者の欄に名前が載るようになった。なかでも、「とくに相性がよかった」のがロマンス小説の講座。講師の小林町子氏に実力を認められ、ハーレクインの翻訳者としてデビューした。その後、97〜98年にかけて連載されていた人気講座「サイバースペースのデイヴ・バリー」への投稿がきっかけとなり、講師の東江一紀氏に師事、現在も勉強を続けている。

 もともと子どもの本が好きで、よく読んでいたという。絵本の原書を出版社に持ち込んだことから、リーディングを依頼されるようになった。1か月に10冊の絵本を全訳するというペースだ。いろいろなタイプの絵本をたくさん訳し、自分の得手・不得手がわかってきたころ、編集者から「よみものを訳してみませんか」と声がかかった。児童書としてははじめての訳書となる『宇宙人が来た!』だ。一人称で書かれた地の文をいかに自然な子どもの口調にするか、そのままでは流れがわかりにくい箇所をどう工夫するかなど、編集者と何度もやりとりを繰り返しながら訳し上げたとのこと。 「これからも、お話自体がおもしろい、楽しい作品を訳していきたいですね」と語ってくれたないとうさん。次の作品が楽しみだ。

(生方頼子)

(※)現『eとらんす』。

「キッズBOOKカフェ」(月刊『eとらんす』2000年10月号掲載)のホームページ版です。

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10月号「洋書でブレイク」

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