ドイツの賞レビュー集 一覧 オルデンブルク児童・青少年文学賞
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このレビュー集について 10周年記念「世界の児童文学賞ラリー」においてやまねこ会員が個々に書いたレビューを、各児童文学賞ごとにまとめました。メルマガ「月刊児童文学翻訳」や「やまねこのおすすめ」などに掲載してきた〈やまねこ公式レビュー〉とは異なる、バラエティーあふれるレビューをお楽しみください。
なお、レビューは注記のある場合を除き、邦訳の出ている作品については邦訳を参照して、邦訳の出ていな作品については原作を参照して書かれています。
やまねこ10周年記念「世界の児童文学賞ラリー」レビュー集
オルデンブルク児童・青少年文学賞(ドイツ) レビュー集 |
★ Yamaneko Honyaku Club 10th Anniversary ★ Yamaneko Honyaku Club 10th Anniversary ★
最終更新日 2008/08/01 レビューを1点追加
★オルデンブルク賞の概要 |
"Bitterschokolade"『ビター・チョコレート』 * "Belgische Riesen"『大きなウサギを送るには』
"Bitterschokolade" (1980) by Mirjam Pressler ミリアム・プレスラー 『ビター・チョコレート』 中野京子訳 さ・え・ら書房 1992 |
その他の受賞歴 |
15歳のエーファは太っているため自分を醜いと思い、ひたすら目立たないように毎日を送っていた。以前仲良しだった友達もほかの子と仲良くなってしまい、学校生活もみじめそのもの。いつも隅で縮こまっているのでクラスでも孤立しており、話しかけてくれるのはフランツィスカという少女だけ。太っているからみんなに嫌われている。そう思い込み、その苦しみを忘れるためにエーファはひたすら食べ続ける。そんなある日、公園でミヒャエルという名の少年と知り合いつきあい始めた。
エーファの体型は父親ゆずりで、家での食事も父親好みのこってりしたもの。これでは痩せるのは難しい。そのうえ何か嫌なことや悲しいことがあるたびに、幼い頃から母親がチョコレートを与えてなだめていたので、彼女にとって食べることは苦痛を癒す手段となっていた。学校での孤独、厳格な父親への不満、性への恐れ。様々なことに悩み苦しむと、彼女は凄まじい食欲で冷蔵庫を空にしていく。この食事の描写は鬼気迫るものがある。 (吉崎泰世) 2008年9月公開 |
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★ Yamaneko Honyaku Club 10th Anniversary ★ このレビュー集について
"Belgische Riesen" (2000) by Burkhard Spinnen ブルクハルト・シュピネン 『大きなウサギを送るには』 畑澤裕子訳 徳間書店 2007 |
その他の受賞歴 |
10歳のコンラートは新興住宅地に引っ越してきたばかり。周りもやはり引越したての家族ばかりで、似たような家族構成の家が多い。コンラートは子どもたちと知り合いになろうと、住宅地の家を訪ねて回ることにした。そんな中の一軒で、フリッツという男の子のような名前を名乗る少女と知り合った。普段は女の子と遊ぶなんてとんでもないと思っているのに、気が強く強引なフリッツに引きずられて、彼女のお父さんの恋人に仕返しをする計画につきあわされるはめになってしまう。
主人公のコンラートは、理由はわからないのに「クラスのみんながそう言っていたから」女の子とは一緒に遊ばないし、「しちゃいけない」と言われたことは絶対しない、よく言えば気立てが良く、悪く言えば優柔不断な男の子。対してフリッツは気が強く、危ないことをわざとやってみたりする、コンラートから見るとやることなすことめちゃくちゃな女の子だ。 (吉崎泰世) 2008年9月公開 |
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