Page 14 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼【カ】My Mum's from Planet Pluto ちゃぴ(WYN-1026) 05/5/17(火) 14:19 ┗Re:【カ】My Mum's from Planet Pluto SUGO 05/5/17(火) 14:34 ┗Re^2:【カ】My Mum's from Planet Pluto 小湖(WYN-1014) 05/5/17(火) 15:45 ┗Re^3:【カ】My Mum's from Planet Pluto ちゃぴ(WYN-1026) 05/5/17(火) 20:06 ┗Re^4:【カ】My Mum's from Planet Pluto SUGO 05/5/18(水) 11:39 ┗Re:Re^4:【カ】My Mum's from Planet Pluto tommy(WYN-2085) 05/7/3(日) 12:01 ┗Re^5:【カ】My Mum's from Planet Pluto ちゃぴ(WYN-1026) 05/7/3(日) 16:58 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 【カ】My Mum's from Planet Pluto ■名前 : ちゃぴ(WYN-1026) ■日付 : 05/5/17(火) 14:19 -------------------------------------------------------------------------
こちらも、ショートリストに残っていません。 作者のホームページを見て、ファンタスティックでかわいらしいお話だと思っていたのですが、意外にシリアスなお話でした。 "My Mum's from Planet Pluto" by Gwyneth Rees Macmillan Children's Books あらすじ ママが中学校の校長先生に採用された。その関係で、ダニエルは新しい土地へ引っ越した。小学校の友だちと別々になったばかりでなく、ママと同じ中学校へ入学しなければならない。ダニエルはいやでしかたがなかった。そのうえ、オーストラリアに住んでいるおばあちゃんがガンを患い容態が思わしくないので、パパは最期を看取るためにしばらくオーストラリアに行ってくることになった。 実は、ママは精神疾患があり、妹のマルサを出産したとき悪化して入院していたことがある。そのとき、ダニエルはまだ5歳でほとんど覚えていない。ママは、退院してきてからは薬のリチウムを服用することでバランスを保ち、普通に暮らしていた。パパは、ママの服薬管理に気をつけるようダニエルに頼んででかけたのだが、しばらくするとママは勝手に服薬をやめてしまった。はじめのうち何でもないように思われた。というより精力的になったようでさえあったが……。 感想 母親が精神疾患(躁うつ病)を持つという特異な設定で、精神疾患とはどういうものか、また、周りのものはどうしたらいいかを考えさせてくれる。それと同時に、いじめや他人の目を気にする自意識への立ち向かい方、子どもでもない大人でもない中途半端な立場への苛立ちといった、普遍的なテーマも取り上げられている 物語では母親が少しずつおかしくなっていき、ダニエルは孤立奮闘する。この先どうなるかと興味をひかれて、どんどん読み進めた。物語の中ほどでは、ダニエルを子ども扱いして母親の病状をきちんと説明しようとしないと思えば、病気の母親をダニエルひとりにたくす、勝手な父親に強い憤りを感じた。 作者は子ども専門の精神科医でもあるので、精神疾患患者やその家族の行動や心理を熟知して書いているのだろう。親に精神疾患患者を持つ子どもたちでつくるサポートグループの紹介もされている。 作者のHP http://www.gwynethrees.com/index.php ちゃぴ(WYN-1026) |
ちゃぴさん、こんにちは。 すっごい偶然! 今レビューを書きおえてアップしようと思ったら、ちゃぴさんのレビューがアップされたところでした。同じ作品なのでつなげさせていただきますね。ざっと読ませていただきましたが、同じ作品でも書き手によってだいぶ印象が違いますね〜 "My Mum's from Planet Pluto" by Gwyneth Rees ISBN:0-330-43728-3 2004 MACMILLAN 【あらすじ】 12歳のダニエルには、悩みがあった。ひとつ目の悩みは、新しく通うことになった学校のこと。母親がその学校の仕事につくため、慣れ親しんだ学校から転校せざるを得なくなったばかりでなく、自分の母親が新しい学校の校長なのだ。クラスメートからからかわれないように、学校では絶対に声をかけないようにダニエルは母親に釘をさすが、母親に自分の気持ちを理解してもらえない。 ふたつめの悩みは、ニュージーランドに住む余命わずかな祖母につきそうため、父親が数週間家を空けることになったこと。実は、昔、精神の病にかかったダニエルの母親は、長期の入院経験があり、今も薬を飲み続けている。どんな風に具合が悪かったのか父親から教えてもらえないダニエルは、父親が不在になることがひどく心配だった。だが、自分の母親を看取るため、父親はニュージーランドへと旅立っていった。 学校がはじまるとさっそくダニエルは、校長の子どもということで生徒からも先生からも目をつけられ、いたたまれない日々を送ることになる。加えて、校長という職務のプレッシャーからか、神経過敏になった母親が、薬のせいでふとっているのだと思い込み、主治医の意見を無視して、勝手に薬を飲まなくなってしまったのだ。母親が校長らしからぬ行動をするようになるのを目の当たりにし、ダニエルは日増しに不安を募らせていく。母親にさとられないように父親に相談することもできず、窮地に追い込まれるダニエル……。 【感想】 母親の病気がよく分からないまま、言動がふつうでなくなっていくようすを見守るダニエルのつらさが身にしみて、読みすすめるのがつらい場面もあった。学校の制服を灰色から赤にするといってみたり、自分の娘は赤ん坊のときに取り違えられたといってほんとうの子どもを取り返しに行こうとしたりと、表紙から想像できないほどシビアな現実をつきつけられた気がした。 一方で、自分の母親を看取るためとはいえ、精神的に不安定な母親と子どもたち(ダニエルには7歳の妹がいる)を残して、ニュージーランドに行ってしまう父親なんて信じられないと思っていたが、物語の全体を見渡してみると、父親も決して完全なわけではなく、いろいろ迷いながら学び成長していくんだなぁと、同情的に思えてきた。 そんな中、母親が病気であることを露ほども疑わない7歳のマーシャは、天真爛漫でほっとする。妹を傷つけまいと必至に行動するダニエルがけなげで、心の中で応援していた。アルコール中毒の母親を持つクラスメートのアビーの存在も、ダニエルには大切な存在だ。母親のことをばかにされても気にしないタフなアビーは、ダニエルの精神的な支えとなり、マーシャとともに物語全体を明るくしている。 ひとつだけ、疑問なのがこの表紙。流れ星に乗っている人が母親だとすると、地球にいて手を振っているのが家族のはずだけれど、どうみても子どもは女の子ふたり。ダニエルは確かに男の子のはずなのだけれど……。ちなみに、このタイトルは、物語の最後の方にダニエルがいじめっこのクラスメートにいう言葉。 SUGO *=*=WYN-1012=*=* |
ちゃぴさん、SUGOさん、こんにちは。 この作品は結構ツボに入った一作でした。ぜひ、日本でも だしてほしいですね〜。 社会背景を反映してか、精神疾患を抱える主人公、友人、 家族などを扱った作品は近年すごく多いですが、真実味が あるのはほんとうに少ないです。その点、作者自身が精神科医 であるから、病気の経過や家族の反応が現実的であるように 思えました。今回読んだ作品の中では結構トップ層に入ります(^^)。 ところで、SUGOさんの疑問点の表紙ですが、 これは、ダニエルと妹とアビーです(^^)。 ネクタイをしてうんぬんって出てきましたよね、たしか。 |
SUGO さん、小湖さん わたしも、表紙を疑問に思っていました。 そうかー。もうひとりの女の子はアビーだったんだ。気がつきませんでした。 ダニエルのズボンとネクタイはスクールカラーなのですね。 実は、わたし、はじめダニエルを女の子だと思いこんで読んでいて、途中で気づいて、なんでダニエルという名前なのに女の子と思いこんだのだろうと考えたら、表紙のせいでした。(^^ゞ わたしは、ほとんどダニエルに感情移入して読みました。なので、お父さんに対して腹がたってんならなかったのですが、親の立場から読めば、お父さんの行動はよくわかります。病状が悪化していく様子はよくわかりませんが、どの人物もリアルに描けていると思います。 ネタばれになるのでくわしくはかけませんが、赤ちゃんの髪の毛のこと、知らなかったです。 ちゃぴ(WYN-1026) |
ちゃぴさん、小湖さん アビーは思いつきませんでした! ありがとうございました>小湖さん お仲間がいてよかったです〜>ちゃぴさん 本文でもHeとでてくるので男の子だと確信していたものの、真ん中はお父さんだと信じて疑いませんでした(^^;)太目のお母さんもかわいい感じなので、てっきりお父さんも若めに描いたのかと。 作者が精神科医ということも知りませんでした。どうりでリアリティがあるわけですね。わたしは、ダニエルでもなく、母でもなく、第三者の立場で読んでいたかな。赤ちゃんのエピソードは、ほかの本でも読んだことがあるような、ないような……です。 SUGO *=*=WYN-1012=*=* |
ちゃぴさん、SUGOさん、小湖さん 私も今日、ついさっきこの本を読み終わりました。 とても吸引力のある話ですね。一気に読み終わりました。 個人的には、どうしてダニエルの父親が、もっと早いうちから母親の病気のことを説明しておかなかったのだろう? と思ったりもしましたが、実際、自分が彼の立場だったら、やっぱり同じように黙っていたと思います。だから、父親を責める気持ちにはなりませんでした。難しい問題ですね。 あまり日本で取り上げられることのない題材だけに、ぜひ、邦訳されてほしいです。 tommy(WYN-2085) |
tommy さん この先どうなるかと気になって、どんどん読める作品ですよね。 > 個人的には、どうしてダニエルの父親が、もっと早いうちから母親の病気のことを説明し > ておかなかったのだろう? と思ったりもしましたが、実際、自分が彼の立場だったら、 > やっぱり同じように黙っていたと思います。 わたしも、ダニエルの立場で読んで、父親がきちんと説明してやらないからこういうことになるんだ!と憤って読みました。ダニエルといっしょに父親を誤解して、えーっ? 信じられなーいと、不信感にも陥りました。 でも、父親の立場だったら、できるだけ子どもに知らせたくないと思うでしょうね。 理解するって、互いを知ること。でも、いちばん近い親子だと、それが逆に難しかったりする。自分のかくしたい一面を見せたり、見るって勇気がいりますよね。 ちゃぴ(WYN-1026) |