Page 22 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼【カ】The Gift Boat tommy(WYN-2085) 05/6/18(土) 17:45 ┣Re:【カ】The Gift Boat ちゃぴ(WYN-1026) 05/6/19(日) 20:41 ┃ ┗Re:【カ】The Gift Boat tommy(WYN-2085) 05/6/25(土) 15:29 ┗Re:【カ】The Gift Boat りり(WYN-1006) 05/6/23(木) 8:45 ┗Re:【カ】The Gift Boat tommy(WYN-2085) 05/6/25(土) 15:07 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 【カ】The Gift Boat ■名前 : tommy(WYN-2085) ■日付 : 05/6/18(土) 17:45 -------------------------------------------------------------------------
"The Gift Boat" by Peter Dickinson(Macmillan Children's Books) ギャビンにとって、祖父は家族のなかで一番大切な人だった。共働きの両親や近所のお店で働いている祖母のかわりに、彼がほんの小さい頃から面倒をみてくれていたからだ。二人で魚釣りに行くのも楽しみだし、祖父が作っている船の模型をながめるのも好きだった。 ある日、祖父と魚釣りにでかけたギャビンは、不思議なアザラシの姿を目にする。祖父に話すと、それは”Selkie”と呼ばれる、アザラシの姿をした人間ではないかといわれる。Selkieは繊細で、気難しいところもあるが、困ったときに助けを求めれば、人間を助けてくれるのだという。その話に興味を持ったギャビンは、祖父が自分の誕生日のために作ってくれている船の模型に、"Selkie”と名づけた。だが、その直後、祖父が脳卒中で倒れる。 病院に運ばれてから、いつまでたっても意識を回復しない祖父。これはSelkieのしわざだろうか? 気難しいSelkieは、自分の名前が船の名前に使われたことで、機嫌を損ねてしまったのだろうか? 思い悩んだ末、ギャビンは完成間近の船を自分の手で完成させようと決める。この船とSelkieは、必ず、祖父が倒れたことと関係があるはずだ。そして、船が完成したとき、ギャビンは祖父を呼び戻すべく、特別な行動に出る……。 物語のはじめのほうは展開が早く、ギャビンがアザラシを見てから祖父が倒れてしまうまでがあっという間でした。でも、そのあとが……。 この本は全部で138ページなのですが、祖父が倒れてしまうのが10ページ目、その後は延々と、病院に通って看護をするギャビンと、意識不明のままの祖父の様子が語られます。脳卒中という病気の看護はとても忍耐と根気が要るということは、本文中でも女医さんの言葉として語られているので、実際の症例などに基づいて書かれているのかなと思いますが、それにしても、"Nothing happened"という表現が、何度出てきたことか……。正直いって、焦れてしまいました。 ギャビンが特別な行動に出て、「何か」が起こるのが110ページ目。それからは注意がひきつけられて、最後まで一気に読めました。そして、読み終わったあとは、いい話だったな、と思えました。けれど、やっぱり、中盤の「待ち」の時間が長すぎるという印象はぬぐえません。祖父が倒れるまえに、もう少し、祖父がどんな性格の人だったか、などの描写が詳しくされていれば、もう少し違っていたのかもしれませんが。 過去に受賞歴のある作家ということで、読む前の期待が大きすぎたのかもしれません。また、私がもう少し早読みできればよかったのかもしれません(読書スピードを上げたいと、いつも思っているのですが)。ただ、海辺の描写などは非常に良く、読んでいると潮の香りが感じられそうなほどでした。これからも折にふれて、読んでみたい作家のひとりではあります。 tommy(WYN-2085) |
tommy さん tommy さんのあらすじを読んでいると、セルキー伝説が織り込まれた面白そうなお話と思ったのですが、動きのない中盤が長かったのですね。 妖精というか、妖怪というか、そうしたものの存在には惹かれるものがあります。 > 、私がもう少し早読みできればよかったのかもしれません わたしも、いつも思います(tommy さんとレベルが違うので、いっしょにしたら失礼ですが)。すいすい読んだら、ずいぶん印象が違うかもと。 ちゃぴ(WYN-1026) |
ちゃぴさん >妖精というか、妖怪というか、そうしたものの存在には惹かれるものがあります。 私も、ずっとリアルな場面や描写が続くなかに、うまく伝説の生き物であるセルキーを絡めてあるなあと思いました。登場回数が少ないのが、物足りなかったのですが。 >> 、私がもう少し早読みできればよかったのかもしれません >わたしも、いつも思います(tommy さんとレベルが違うので、いっしょにしたら失礼ですが)。すいすい読んだら、ずいぶん印象が違うかもと。 えっ、ちゃぴさん、そんなことありませんよ〜(原書マラソンでのちゃぴさんの走りっぷり、素晴らしかったですものね!)。でも、この本を一日で読破できていたら、きっと印象も変わっていただろうとは思います(私は10日くらいかかりました。遅すぎ(^^ゞ))。 tommy(WYN-2085) |
tommyさん、こんにちは。 わたしも随分前にこの本を読みました。 けっこう前からディキンソンのファンなのですが、この本はこれまでの凝った作品とかなり趣が違うように思いました。 短いし、リアル部分が多いし、シンプルだし。 (以前はその逆だったということです〜あの、凝りに凝った文章とプロットが好きだったのだけど) いい話ではあるんですけどね。 中盤のもたつきは、わたしはそんなに気になりませんでした。祖父自身が元気に動いてる姿はほんの一瞬で、そのあとは思い出を通して祖父の人となりが語られてましたね。それはそれで面白い試みのように感じました。いつアレが出てくるんだ〜とは思ったけど(出てくることは間違いないと思ってたので、これじゃあページが足りないよ、と)。 また、ディキンソンは1927年生まれで、ギャビンの祖父よりもさらに年上。題材が題材だけに、作者の健康状態が心配になったりしました。 (この前のファンタジー作品でも、老人問題がテーマのひとつだったりしましたが^^;) この作品の舞台となったスコットランドのストーンヘブンには、ほんとにお孫さんがふたりいらっしゃるようです。 作品と作者は切り離して考えるべきなんでしょうけど、どうしてもこの作品の場合は切り離せませんでした。 りり |
りりさん >この本はこれまでの凝った作品とかなり趣が違うように思いました。 >短いし、リアル部分が多いし、シンプルだし。 >(以前はその逆だったということです〜あの、凝りに凝った文章とプロットが好きだったのだけど) そうなんですね! 「凝りに凝ったプロット」ですか。うーん、魅かれますね〜(私もそういうの大好き)。 >いつアレが出てくるんだ〜とは思ったけど(出てくることは間違いないと思ってたので、これじゃあページが足りないよ、と)。 私も、「早く出してよ〜」と思いながら読んでました。全然出てこないから、どんどんギャビンがかわいそうになってきちゃって。 >また、ディキンソンは1927年生まれで、ギャビンの祖父よりもさらに年上。題材が題材だけに、作者の健康状態が心配になったりしました。 >この作品の舞台となったスコットランドのストーンヘブンには、ほんとにお孫さんがふたりいらっしゃるようです。 >作品と作者は切り離して考えるべきなんでしょうけど、どうしてもこの作品の場合は切り離せませんでした。 確かにかなりご高齢ですね〜。 ストーンヘブンの海辺の描写は印象的でした。光景が目の前に浮かんでくるみたいで。本当にお孫さんがいらっしゃるのですね。いつまでもお元気で活躍していただきたいですね。 tommy(WYN-2085) |