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月刊児童文学翻訳

─2000年4月号(No.19 情報編)─

※こちらは「情報編」です。「書評編」もお見逃しなく!!

児童文学翻訳学習者による、児童文学翻訳学習者のための、
電子メール版情報誌<HP版>
http://www.yamaneko.org/mgzn/
編集部:mgzn@yamaneko.org
2000年4月15日発行 配信数1,575


「どんぐりとやまねこ」

     M E N U

◎プロに訊く
第11回 大久保寛さん(翻訳家)

◎出版社研究
第7回 西村書店

◎展示会情報
国際子ども図書館「子どもの本、翻訳の歩み展」、他

◎セミナー・講演会情報
バベル絵本翻訳コンテスト特別講義、他

◎お菓子の旅
第9回 プーさんはイレブンジズがお好き



プロに訊く 第11回

―― 大久保寛さん(翻訳家) ――

 

 今月は、ハードボイルドやミステリの分野でご活躍中の翻訳家、大久保寛さんに、昨年初めて児童書の翻訳を手がけられたときのお話をうかがいました(フィリップ・プルマン作/「ライラの冒険シリーズ」1作目『黄金の羅針盤』/新潮社)。お忙しい中、快くインタビューをお引き受けくださった大久保さんに感謝いたします。

 

【大久保 寛(おおくぼ ひろし)さん】

 1954年、東京生まれ。主な訳書にリチャード・ハーマン・ジュニア『ウォーロード作戦』『米中衝突』(新潮文庫)、ディーン・R・クーンツ『コールド・ファイア』(文春文庫)『ファントム』(ハヤカワ文庫)、ジェイムズ・リー・バーク『天国の囚人』(角川文庫)他多数。埼玉県在住。

『黄金の羅針盤』表紙

 

【大久保さん訳書リスト】
【大久保さんインタビュー ロングバージョン】

 

★翻訳のお仕事は、どのような経緯で始められたのでしょうか。

 ぼくはもともと英語になんか興味がなくて、翻訳家なんていう職業があることすら知りませんでした。

 学生時代は、ジャズが好きで、ロン・カーターのようなジャズ・ベーシストになるのが夢でした。その夢に挫折して、とりあえず、小さな広告代理店に就職してコピーライターをやっていたんですが、そこへ早稲田の女子学生がアルバイトに来ていて、通信教育で翻訳を勉強中で洋楽の訳詞をしたいと話していました。そこで、初めて翻訳家という職業があることを知って、それなら自分もできると、全然英語もできないくせに勝手に思いこみました。さっそく、自分が好きなチャンドラーやハメットのハードボイルド小説のぺーパーバック版を買いこんできて、よくわからないまま読み始めました。それが出地点ですね。

 そのうち、ある翻訳学校で、敬愛するハードボイルド小説翻訳界の巨匠、小鷹信光氏が教えていることを知ったので、さっそく習いに行ったところ、ひと月半ほどしたら、下訳をやってみないかと声をかけられて、二つ返事で引き受け、勤めていた会社を即座にやめ、一冊長編の下訳をやらせてもらい、次の作品でデビューということになりました。

 デビュー当時は、英検のレベルでいうと2級くらいでしたね。今も大差ないですが。


★ハードボイルドやミステリの翻訳でご活躍されていますが、児童書に興味を持たれたきっかけを教えていただけますか。

 自分自身が子どものころは、いわゆる児童書はほとんど読みませんでした。まじめに読んだのは、『昆虫図鑑』くらい。それが、娘が生まれてから、ちょっと何か読んでやろうかなと思って、手にとってみたのがきっかけですね。「子どもの本ってこんなにおもしろかったのか!」という驚きがありました。

 また、原書の絵本を即席翻訳で読み聞かせているうち、いつか自分が訳したものを娘に読んでもらえたらいいなと思うようになったんです。いい作品とめぐりあえたら、ぜひともやってみたいと思っていました。でも、小4の長女は、『黄金の羅針盤』は読んでくれなくて、『ハリー・ポッターと賢者の石』に夢中です。


★児童書としては初の翻訳である『黄金の羅針盤』について、お聞かせください。どのような経緯で、翻訳のお話があったのですか。

 ぼくが児童書をやりたがっていると知っている出版社の方から、依頼がありました。原書を一読して、これは翻訳するのはそうとうたいへんだと感じたのと同時に、おもしろさに感嘆して、ぜひやってみたいと思いました。宗教的なテーマを扱ってはいますが、冒険物として読んでも楽しめる展開のうまさとテンポの良さがある。もともとの自分の嗜好とも合っていました。

 長く翻訳の仕事をしてきて、心から訳したいと思える作品に出会うのはなかなか難しいと感じていましたが、そういう意味で、この出会いは宝くじに当たったのと同じくらいラッキーなことだったと思っています。


★原書を読まれたときに「翻訳するのはたいへん」という印象を持たれたとのことですが、実際訳されて具体的にどのようなご苦労がありましたか。

 まずは、用語のむずかしさですね。かなり大きな辞書にしか載っていないような特別な用法や専門用語が多く、また造語なのか既存の言葉なのかわからないような単語もありましたので、調べものには非常に時間がかかりました。

 また、初めての児童書ですので、その点でも苦労はありました。まず、訳に取りかかる前に、対象年齢を小学校高学年以上と考えて、その年齢向けの本を読んで文体や語彙を研究したり、本になったときにページが黒っぽく読みづらくならないよう、あらかじめ漢字の含有率を設定したりしました。実際訳していく段階では、大人向けの本ばかり訳してきたぼくとしては、英語を日本語になおし、それをさらに子どもにもわかる言葉になおすという二段階の作業が必要になりましたし、結局訳了には通常の1.5倍から2倍の時間がかかりました。


★今月21日、シリーズ2作目の『神秘の短剣』が出版されますが、ずばり、1作目をふまえての読みどころを教えていただけますか。

 ストーリーテリングの妙で読ませる本なので、ネタバレなしに話すのはたいへんむずかしいですね。1作目をまだ読んでいない方もいるでしょうし。

 まず、注目はウィルという新しい登場人物。この少年がライラと出会い、ふたりが"アダムとイブ"の役目をになっていて、この壮大なファンタジーのテーマが、再創世(世界の再創造)であることがわかってきます。でもまあ、そんなことはどうでもよろしくて、謎が謎を呼ぶ巧妙なストーリー展開、危機また危機の連続のハラハラドキドキ、とにかく、近ごろこんなにテンポよく読める物語はめったにないので、話のおもしろさをそのまま素直に堪能してほしいです。

 とくに、14章、気球乗りのリーとダイモンのやりとりは感動的、人間とダイモンの密接なつながりもよくわかり、痛切で涙すらこぼれます。ここだけ読むためにも、『神秘の短剣』は一家に一冊ぜひ必要でしょう。ラストは、明日にも3作目を読みたくなる、「そんなせっしょうなぁ」という終わり方です。


★最後に、文芸翻訳家をめざしている読者のみなさんに、ひとことお願いします。

 ぼくがそうであったように、まず「自分は必ず翻訳家になれる」と思いこんでしまうことですね。「なれる」と思うからこそ、一生懸命努力することもできるわけで。「どうせだめだ」と思ったら、そこで終わりです。ひたすらプラス思考で行きましょう。英語力は、英検2級程度でいいんですから。

(インタビュアー 中村久里子)

 

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出版社研究 第7回

―― 西村書店 ――

 

 出版社研究第7回は、グリムやアンデルセンなどの昔話を芸術的な絵本で数多く出版している西村書店。本社は新潟だが、今回は編集部のある東京支社を訪ね、出版傾向や今年の出版予定などをうかがった。

 

★会社概要 〜医学書から児童書まで幅広いジャンルを手がける〜 『ファージョン自伝』表紙

 西村書店は、1916年に新潟の書店として出発した。1980年の医学書出版を皮きりに出版事業に参入、現在に至っている。医学書が中心だが、美術書、文芸書、人文社会書、自然科学書など幅広く出版しており、ジャンルに対するこだわりはない。

 社長が以前から強い関心を持っていたという児童書は、1985年に出版した『燃える水物語』が1冊目。越後の国で初めて石油が発見されてからの歴史を、地元の小学校の子ども達が版画で表わした絵本である。続いて出された『おじいさんの小さな庭』などの「バーナデット・コレクション」(1986年〜現在も引き続き刊行中)、「ワンス・アポンナ・タイムシリーズ(全20巻)」(ボローニャ国際児童図書展特別賞受賞)(1988年〜92年)で、児童書における西村書店の方向性がはっきりと示された。こういったシリーズの他にも、昔話や民話を中心とした絵本、ラフィク・シャミの読み物などが数多く出版されている。出版業務20周年と国際子ども読書年が重なった今年は、「西村書店の児童書出版への姿勢を打ちだそう」ということで、『ファージョン自伝』(2月刊行)をはじめ、児童書の出版に特に力を入れている。


★出版傾向 〜芸術性の高い絵と質の高い文章を併せ持った絵本を〜

 微妙な色や特殊な印刷技術が使われている絵本については、原書と同じ印刷所で日本語版も刷り上げるという西村書店。今後どんな絵本を出していきたいかとたずねると、「絵の美しいものを出したいと思っていますが、文章の方も同じくらい重視しています」という答えがかえってきた。西村書店の絵本は文章の量が多く、対象年齢は比較的高い。子どもだけでなく、大人にも愛される絵本づくりが行われている。有名な昔話・童話・民話を、絵本で子どもに読み聞かせたいと願う人たちにも、西村書店の絵本は好評だという。

 また、英語圏以外の作品が多いのも特徴だ。昔話を扱ったものにも、それ以外のものにも、ドイツ、フランス、ロシアなどの作家・画家による作品が数多くみられる。旧チェコスロバキアの画家カーライによる『12月くんの友だちめぐり』、ロシアの画家グコーヴァによる『あやつり人形ピッパ』などの個性的な画風、ニュージーランド生まれでナイロビ在住のケナウェイによる『あつがりカバ』などの色鮮やかな動物の世界などは、西村書店ならではのラインナップである。

 絵本から徐々にジャンルが広がっていったという読み物は、今はまだ数は少ないが、「シンプルな文章で、かつ、奥が深く味わいのある――そんな、中学生くらいから大人まで楽しめる作品をさがしています」とのことだ。


★本の発掘と訳者の決定 〜まだ紹介されていない作家をさがして〜

 出版される本は持ち込みによるものは少なく、フランクフルト・ブックフェアなどの国際図書展に出かけていって決めることが多い。シャミの作品を出すようになったのも、西村書店の社長がドイツに行った際に作家シャミと親しくなったのがきっかけだという。「他の出版社があまり出していない国の作品は、発掘のしがいがあります」とのことだ。

 訳者を決める際は、とにかく訳文を見てから。「すでにおつきあいのある訳者のかたから紹介された場合も、まず訳を見てからお返事をするようにしています」。英語以外、特にドイツ語などは常によい訳者をさがしている状態である。


★今後の出版予定

5月 『本なんて大きらい!?』(仮題)〈絵本〉 リタ・マーシャル/文
E・ドルセール/絵
ほし きらら/訳
『秘密の花園』 バーネット/作 野沢佳織/訳
6月 『緑の石食い虫』(仮題) ベルンハルト・クナーベ/著 天沼春樹/訳
7月 『レイチェルのばら』(仮題)〈絵本〉 クリステンセン/文
バーナデット/絵
八木田宜子/訳
9月 『夜から朝への旅』(仮題) ラフィク・シャミ/著 池内紀/訳

 6月に出版予定の『緑の石食い虫』(仮題)は、当時12歳だった少年が夏休みの宿題に書いたもの。作品として出版され、ドイツでベストセラーになった。『レイチェルのばら』のバーナデットは、7月に来日の予定。『夜から朝への旅』は、シャミの作品の中でも傑出した作品との評判だ。

 

株式会社西村書店  
住 所  〒951-8122 新潟市旭町通1-754-39
電 話  (025)223-2388  FAX (025)224-7165
 
東京支社  
住 所  〒102-0071 東京都千代田区富士見2-4-6
電 話  (03)3239-7671  FAX (03)3239-7622

(取材・文 植村わらび)

 

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展示会/セミナー・講演会情報

―― 展示会情報 ――

 

◎安曇野絵本館「アンドレ・ダーハン原画展」
所在地: 長野県南安曇郡穂高町有明2186-117
電 話: 0263-83-6173
会 期: 平成12年5月22日まで
休館日: 火曜日
入場料: 一律700円(飲み物付き)
内 容: 『いぬのザッパさいこうの日!』『ぼくのともだちおつきさま』などの作者として知られるアンドレ・ダーハンの原画展。
 
◎国立西洋美術館「ピカソ 子供の世界展」
所在地: 東京都台東区上野公園7-7
電 話: 03-3272-8600
会 期: 平成12年6月18日まで
休館日: 月曜日
入場料: 一般1300円、高・大学生900円、小・中学生400円
内 容: ピカソの絵の中から子供をモチーフにした油彩、素描など約160点を展示。
 
◎小田急美術館「日本の絵本100年展」
所在地: 東京都新宿区西新宿1-1-3 小田急百貨店新宿店 本館11F
電 話: 03-3342-1111
会 期: 平成12年4月19日から5月7日まで
休館日: 会期中は無休
入場料: 一般800円、中・高・大学生600円、小学生以下無料
内 容: 竹久夢二、いわむらかずお、安野光雅など、明治から現在までの日本の絵本作家が描いた作品の初版本、原画などを紹介。
 
◎国際子ども図書館「子どもの本、翻訳の歩み展」
所在地: 東京都台東区上野公園12-49 国際子ども図書館3F
電 話: 03-3827-2053
会 期: 平成12年5月6日から6月4日まで
休館日: 月曜日
入場料: 無料
内 容: アンデルセン、グリムから現代まで、各国で読みつがれてきた児童書約300点を紹介。翻訳における問題を提起した絵本コーナーもあり。
 
◎国際子ども図書館開館記念「オリニの世界から――韓国絵本原画展」
会 場: 国際交流基金フォーラム
所在地: 東京都港区赤坂2-17-22 赤坂ツインタワー1F
電 話: 03-3954-4313(メディアリンクス・ジャパン)
会 期: 平成12年4月28日から5月13日まで
休館日: 月曜日(祝日は開館)
入場料: 無料
内 容: 『マンヒのいえ』(セーラー出版)など、韓国の絵本25作品の原画を200点以上展示。
 
◎銀座第一ホテルギャラリー「子どもの夢展」
所在地: 東京都中央区銀座8-13-1 銀座第一ホテル 1Fロビー
電 話: 03-3542-5311
会 期: 平成12年5月16から21日まで
内 容: 『見習い物語』『ヒッピー・ハッピー・ハット』など、児童書の挿絵で知られる中釜浩一郎氏が講師を務める絵画教室のグループ展。

(瀬尾友子)

 

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―― セミナー・講演会情報 ――

 

◎バベル絵本翻訳コンテスト特別講義
講 師: 井辻朱美、金原瑞人
日 時: 5月21日(日)13:30〜16:00
場 所: 東京都江東区有明3-1番 TFTビル東館9階 TFTビル研修室(ゆりかもめ国際展示場正門駅直結。臨海副都心線国際展示場駅徒歩5分)
内 容: コンテスト審査員による絵本翻訳の魅力についてのお話
受講料: 1500円(当日精算)
申 込: 往復葉書に住所、氏名、電話番号、年齢、職業を記入の上、下記住所に郵送(4月21日必着)。追って送られる返信葉書が参加状となる。申し込み多数の場合は抽選。
※当日はなるべく課題絵本を持参のこと。
〒135-8071 東京都江東区有明3-1 TFTビル7階
(株)バベル「絵本翻訳コンテスト特別講義」係
 
◎角野栄子&エルス・ペルフロム対談
日 時: 4月17日(月)16:00〜18:00
場 所: 東京都新宿区袋町6 日本出版クラブ会館(JR飯田橋駅徒歩10分)
内 容: 日本とオランダの代表的児童文学作家による子どもの本のお話
参加費: 無料
定 員: 120名
主 催: オランダ文学制作翻訳基金(NLPVF)
 
◎2000年絵本フォーラム in やまがた
講 師: 荒井良二、小野明
日 時: 5月19日(金)10:00〜15:30
場 所: 山形市緑町1-2-36 遊学館ホール
内 容: 第1部 講演と対談「絵本で元気になろう!」
第2部 ゲストとのお話会「絵本をもって集まろう」
☆荒井さんの部屋「私が好きな荒井さんのこの一冊」
☆小野さんの部屋「私が元気の出るこの一冊の絵本」
※参加者は各部屋のテーマに該当する絵本を一冊持参のこと。
参加費: 1500円
定 員: 第1部は300名、第2部は各部屋30名(申し込み順)
申 込: やまがた絵本クラブ 加藤(TEL 023-643-9575)
その他: 無料託児あり(要予約25人まで)

(横山和江)

 

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お菓子の旅 第9回

―― プーさんはイレブンジズがお好き ――
○英国のティータイム○

 

 Pooh always liked a little something at eleven o'clock in the morning, and he was very glad to see Rabbit getting out the plates and mugs;

A. A. Milne "Winnie-the-Pooh" (1926) PUFFIN BOOKS

 

 クマのプーさんといえば、ディズニーのアニメでもお馴染みの人気者。本の『クマのプーさん』や『プー横町にたった家』には、なぜか「11時」という言葉がよく出てきます。実は午前11時は「イレブンジズ」と呼ばれる、イギリスでは一般的なティータイム。食いしん坊のプーさんは、この時間をそれは楽しみにしているのでした。イギリスにはいろんなティータイムがあります。ざっとご紹介してみましょう。

 

★アーリーモーニングティー EARLY MORNING TEA

 1日の始まりのお茶の時間。恋人や夫がベッドまで目覚めの一杯を運んでくれるという、女性にはうれしい習慣です。もともと、使用人が主人のベッドサイドまでお茶を運んだ上流階級の風習が、一般に広まりました。


★ブレックファストティー BREAKFAST TEA

 その名の通り、朝のお茶。イギリスでは、朝食にも紅茶が欠かせません。ブレックファストティーという名称の紅茶がありますが、それは紅茶会社が独自の配合で作っている朝食用のブレンドティーのことです。


★イレブンジズ ELEVENSES

 プーさんも楽しみにしている午前11時の手軽なお茶の時間。仕事や家事の合間に一息つき、リフレッシュすることが目的です。「バタつきパン」(BREAD AND BUTTER)のような、ちょっとした食べ物とお茶をいただくのが普通です。


★アフタヌーンティー AFTERNOON TEA

 午後3時頃から5時頃にかけて楽しむお茶の時間。19世紀のヴィクトリア時代、社交界の花形であったベッドフォード公爵夫人が、午後に友人を招いて催したお茶会から始まったといわれています。サンドイッチ、スコーン、ケーキ、ビスケット、紅茶が伝統的なメニューです。


★ハイティー HIGH TEA

 夕方お茶を飲みながらとる「食事」の時間。スコットランドやイングランド北部の習慣で、ミートティー(MEAT TEA)とも、単にティー(TEA)とも呼ばれています。一般的にはサンドイッチや肉料理などを紅茶と一緒にいただきます。ハイティーのハイ(HIGH)は、「幼児の食事用椅子のハイバックチェアからきた」とも、「居間の低いテーブルで楽しむアフタヌーンティーに対し、背の高いダイニングテーブルでとるところからきた」ともいわれています。


★アフターディナーティー AFTER DINNER TEA

 ディナーのあとに楽しむ、食後のお茶の時間。ドローイングルームと呼ばれる客間や居間に席を移して、コーヒーや紅茶、リキュールなどを飲みながら、会話を楽しみます。

 

 今回はプーさんが大好きなはちみつをかけたパンケーキの作り方もご紹介します。

*-* 材料 *-*
パンケーキ:直径5cmのもの30個分
牛乳 150cc 1個 砂糖 60g
一つまみ 小麦粉 130g バター 大さじ1
サラダ油 適量 はちみつ 適量 ベーキングパウダー 小さじ1

*-* 作り方 *-*

  1. ボールに牛乳と卵を入れて混ぜ、砂糖、塩を加える。小麦粉とベーキングパウダーを合わせて一緒にふるい、ボールの材料に加えて木べらでよく混ぜる。

  2. バターを溶かし、1に加えて混ぜる。そのままラップをかけて室温で1時間ほどねかせる。

  3. フライパンを弱めの中火にかけて熱し、サラダ油を薄く塗って、生地を大さじ1より多めにフライパンの上に丸く落とす。2分ほどして表面全体に小さな穴があいてきたら、返してさらに1分焼く。両面にきれいな焼き色をつける。

  4. 皿に盛り、熱いうちにはちみつをたっぷりかける。

 

★参考文献
『クマのプーさん』
『プー横町にたった家』
A・A・ミルン作
アーネスト・H・シェパード絵
石井桃子訳 岩波書店
『英国おいしい物語』 ジェイン・クック著 原口優子訳 東京書籍
『イギリスのお話は、おいしい。』     白泉社
『英国紅茶と手作りお菓子』 佐藤よし子・上田悦子著   じゃこめてい出版
『英国式ティーレッスン』 山根ユミ著   主婦の友社

(田中亜希子/中村久里子)

 

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やまねこ翻訳クラブ(会員数180名)


 やまねこ翻訳クラブは、海外の子どもの本に関する情報交換、翻訳・シノプシス自主勉強会などを行っている児童書専門サークルです。翻訳と子どもの本に興味のある方でしたらどなたでも入会できますので、ぜひお気軽にご参加ください。

―― ニューベリー賞読破マラソン開催中! ――


出版翻訳ネットワーク・メープルストリート


新刊情報・イベント情報などを掲載いたします。
詳しくはmaple@office-ono.comまで


●編集後記●

「ひたすらプラス思考で行きましょう」という大久保さんのお言葉、元気が出ますね。仲間と励まし合って、これからも楽しくやっていきたいなぁ。(み)


発 行: やまねこ翻訳クラブ
発行人: 林さかな(やまねこ翻訳クラブ 会長)
編集人: 宮坂宏美(やまねこ翻訳クラブ スタッフ)
企 画: 河まこ キャトル くるり 小湖 Chicoco どんぐり BUN ベス YUU りり ワラビ MOMO つー さかな こべに みーこ きら Rinko SUGO わんちゅく みるか NON
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