★ Yamaneko Honyaku Club 10th Anniversary ★ Yamaneko Honyaku Club 10th Anniversary ★
やまねこ10周年記念「世界の児童文学賞ラリー」レビュー集
ニューベリー賞(アメリカ) レビュー集 |
★ Yamaneko Honyaku Club 10th Anniversary ★ Yamaneko Honyaku Club 10th Anniversary ★
最終更新日 2008/04/01 新規公開(レビュー1点公開)
1920・30・40年代レビュー集 /
1950・60年代レビュー集 / 1970・80年代レビュー集 /
1990・2000年代レビュー集 |
このレビュー集について
10周年記念「世界の児童文学賞ラリー」においてやまねこ会員が個々に書いたレビューを、各児童文学賞ごとにまとめました。メ ールマガジン「月刊児童文学翻訳」や「やまねこのおすすめ」などに掲載してきた〈やまねこ公式レビュー〉とは異なる、バラエティーあふれるレビューをお楽しみください。
なお、レビューは注記のある場合を除き、邦訳の出ている作品については邦訳を参照して、邦訳の出ていな作品については原作を参照して書かれています。
1950年ニューベリー賞オナーブック
"Kildee House" (1949) by Rutherford Montgomery ラザフォード・モンゴメリ作 Barbara Cooney バーバラ・クーニー絵 『キルディー小屋のアライグマ』 松永ふみ子訳 学研/1971 福音館書店(文庫)/1996 |
その他の受賞歴 |
人付き合いが下手で、墓石彫りの仕事でもこれまで損ばかりしてきたジェローム・キルディーは、石工の仕事を引退したのを機に、山の上で隠居生活をすることに決めた。山の上にひっこめば、もう近所づきあいも必要ないと思ってのことだった。巨大なアメリカ杉によりかかるようにして小屋を建てると、窓には特大サイズのガラスをはめこみ、山や谷、そしてはるか遠くに太平洋を望めるようにした。自慢の暖炉も備え付けた。そこで、何もしない、静かな生活がはじまるはず……だったのだが、元からそこに住んでいたアライグマやマダラスカンクが、居心地の良い家の中に入り込んできたものだから、話が違ってきた。ジェロームじいさんはアライグマたちと共に時を過ごすようになり、そのうちに動物たちに話しかけたり、一緒に歌を歌ったりするようにな っていく。やがて、山のふもとに住むイッピー家の末娘や、反対側のふもとに住むキャボット家の一人息子ドナルドとも、話をするようになるのだった。
動物物語といっても、いわゆる子どもが出てきて、動物たちと愛情・友情を交わしたり、事件がおこってはらはらしたりするタイプの物語とは違う。ジェロームじいさんは、動物たちから距離をお
き、彼らののやりたいようにさせており、時間がゆったりと流れていく。なかでも、オスのアライグマ”ブッチョウヅラ”とジェロームじいさんが、満腹で暖炉の火にあたりながら
、いい気分になって一緒に歌をうたう場面は秀逸。アライグマは「シューシュー、フーウー、ウーウ」という声を出す。心がほんのりと温かくなってきた。 (植村わらび) 2008年4月公開 |
▲TOPへ ★ Yamaneko Honyaku Club 10th Anniversary ★ このレビュー集について
1920・30・40年代レビュー集 /
1950・60年代レビュー集 / 1970・80年代レビュー集 /
1990・2000年代レビュー集
☆やまねこ資料室内ニューベリー賞リスト☆ ★ニューベリー賞の概要★
メニュー>読書室>レビュー集>特設掲示板レビュー集
>
やまねこ10周年記念「世界の児童文学賞ラリー」レビュー集>ニューベリー賞レビュー集(1930・1940年代)
copyright © 2008 yamaneko honyaku club