メニュー「月刊児童文学翻訳」バックナンバー>2019年12月号   オンライン書店
※1月は定期休刊です。号外を1月下旬に発行予定です。どうぞお楽しみに!

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2019年12月号
   =====☆                    ☆=====
  =====★   月 刊  児 童 文 学 翻 訳   ★=====
   =====☆   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ☆=====
                                No.196
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児童文学翻訳学習者による、児童文学翻訳学習者のための、電子メール版情報誌
http://www.yamaneko.org                         
編集部:mgzn@yamaneko.org     2019年12月15日発行 配信数 2500 無料
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●2019年12月号もくじ●
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◎特集:第22回やまねこ賞──会員が選んだ、今年の児童書ベスト5は?
◎特別企画:レビューを書こう(第7回レビュー勉強会より)その1
      "Pet" アクワエケ・エメジ作
◎賞速報
◎イベント速報
◎10月号「読者プレゼント」当選者発表!
◎読者の広場

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●特集●第22回やまねこ賞
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 さる11月1日から17日までの間、やまねこ翻訳クラブ恒例のやまねこ賞の投票が、
当クラブ内オンライン投票所にて開催されました。やまねこ賞は、前年10月から本年
9月までに出版された邦訳児童書を対象に、会員がベスト5を選び、大賞作品を決定
するものです(読み物部門、絵本部門)。これに加え、会員が過去1年間に読んだ原
書と、新刊以外の邦訳児童書を対象とする、別賞(原書部門、オールタイム部門)も
設けています。新刊を対象とする読み物部門と絵本部門の大賞に輝いた作品の翻訳者
には、賞状と副賞の図書カードが贈られます。

▽やまねこ賞投票所
http://www.yamaneko.org/yn_award/index.htm
※本号に掲載しているコメントは、投票時に任意で寄せられたものの一部で、原則と
して投票時のままです。投票の様子は「これまでのあゆみ
( http://www.yamaneko.org/yn_award/index.htm#ayumi )」からご覧いただけます。

「読み物」「絵本」の分類については、原則として各出版社、書店などの種別を参考
に、当クラブの判断で決定しています。
 やまねこ翻訳クラブは、会員・非会員を問わず、海外児童書を主とした本の話題が
書き込める「読書室掲示板」を運営しています。
http://www.yamaneko.org/dokusho/index.htm

     ★☆★☆【2019年 第22回やまねこ賞 読み物部門】☆★☆★

★大賞 『貸出禁止の本をすくえ!』
              アラン・グラッツ作 ないとうふみこ訳 ほるぷ出版
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 小学校4年生のエイミー・アン・オリンジャーは、言いたいことも上手く言えない
内気な女の子。家では妹ふたりに部屋を占拠され、大好きな本をゆっくり読むことも
できないため、毎日図書室に通っている。ところがある日、お気に入りの『クローデ
ィアの秘密』を含む11点が図書室の棚から消えていた。「子どもにふさわしくない本」
として、PTAによって貸出禁止本に指定されたのだ。エイミー・アンは友達の助け
を借りて、貸出禁止本を集めた「ロッカー図書館」を作り、貸し出しを始めるが――。
内気な少女が大好きな本のために立ちあがり、たくましく成長していく物語。

◎この本を課題本にして読書会をやりたい。その際、参加者は自分が貸出禁止にした
い本1冊とその理由をあげること。(hanemi)
◎えっ、あの本も、あの本も! と驚きながらエイミー・アンと同じ目線でページを
繰った。彼女らの取る行動はなるほどだし、本のために戦ううちに内に秘めた思いを
出せるようになる主人公の姿やラストの作戦ににんまりした。(shoko)
◎エイミー・アンの静かな闘いが胸熱! おもしろくて一気読みした。途中、悔し涙
や感動の涙が何度もこみあげた。(Chicoco)
◎内気な主人公の心の声がいつしか本物の声に変わっていくところがよかった。(あ
ぐりんこ)
◎痛快な物語。主人公だけでなく、作り手などこの物語に関わるすべての人々の、本
への愛を感じた。(ゆま)

☆~~~~~~~~~~~~~【受賞のことば】 翻訳家 ないとうふみこさん ~~~~~~~~~~~~~☆
|                                    |
| 訳書の出版が今年に集中してしまったのですが、「ワンツースリー」という、|
|盆とクリスマスと正月が一度に来たような結果をお知らせいただいて驚愕してい|
|ます。数多くの本を読んでいるやまねこのみなさんに「面白い!」と思っていた|
|だけたことが何より幸せです。この本の原書は、2017年の暮れにぽっかり時間が|
|空いたとき、十数冊まとめ読みした中の1冊。エイミー・アンに深く共感して持|
|ち込みました。色々な角度から読めるところも魅力だと思っています。    |
☆                                    ☆
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◆2位 『ゴースト』ジェイソン・レノルズ作 ないとうふみこ訳 小峰書店

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 酔った父親に銃を向けられ、命がけで逃げた経験から、足が速くなった中学1年の
少年キャス。ある日、陸上チームの練習を見かけて、冷やかし半分に走ってみせたと
ころ、監督に才能を見いだされ、チームにスカウトされる。生意気でけんかばかりし
ているキャスだったが、厳しくもあたたかい監督のもとで、チームの仲間たちと活動
に打ちこんでいくうちに、次第に変わっていく。「貧困」、「銃社会」といった重い
テーマを扱いながら、軽妙な語り口で読ませる、青春スポーツ小説。

◎するすると読んでぐっと泣けてしまう。本もランもエンタテインメントですね。作
者も訳者もうまい。(NON)
◎少年の成長ストーリー。一気に読みました。周りの大人がいい。(コアラン)
◎弱さと向き合う主人公の気持ちがグッと伝わってきて、まさに駆け抜けるように一
気読みしました。(おとむとむ)
◎まわりの大人たちの愛で、子どもの人生が大きく変わることを改めて感じました。
(モーモー)

◆3位 『ジュリアが糸をつむいだ日』
             リンダ・スー・パーク作 ないとうふみこ訳 徳間書店
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ジュリアは7年生、キムチが苦手な韓国系アメリカ人だ。農業クラブの自由研究で、
親友と一緒にカイコを育てて絹糸をとることになったが、気が進まない。なぜって、
あまりに韓国っぽいから……。自身のアイデンティティーに悩みながら、カイコの飼
育を通して、ジュリアはさまざまなことに気づいていく。等身大の語り口で、少女の
心情を細やかに描いた成長物語。

◎自分が韓国系アメリカ人であることについて、また差別や偏見について、悩み、迷
いながらも自分なりの答えを見つけようとしていくジュリアの姿がすがすがしい。
(asayaka)
◎ほのぼのした物語のようで、人種差別というテーマが込められていて、深みのある
話だなあと思いました。(モーモー)
◎差別は無知から生まれる。そのことに気づくまでの心の動きを丁寧に追っているの
がとてもよかったです。(匿名希望)

◆4位 『カッコーの歌』フランシス・ハーディング作 児玉敦子訳 東京創元社
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 舞台は第1次世界大戦直後のイングランド。著名な建築家を父にもつ11歳の少女ト
リスは、沼に落ちて昏睡状態に陥っていたが、「あと7日」と囁く声で目を覚ました。
トリスは少しずつ記憶を取り戻していくが、人間離れした異常な食欲に悩まされるよ
うになり、毎朝ベッドに枯葉や木の枝が落ちていたり、部屋の人形が口をきいたりと、
奇妙な出来事が立て続けに起こる。わたしはいったい何者なの――? 謎を解くカギ
は、トリスを偽物と呼んで毛嫌いする、妹のペンが握っていた。『嘘の木』の作者に
よる、重厚なダークファンタジー。優れたファンタジー作品に贈られる英国幻想文学
大賞を2015年に受賞したほか、同年のカーネギー賞ショートリストにも選ばれている。

◎ファンタジーでありながら、この時代設定でありながらリアルに身近にせまってく
る登場人物のうずまく感情に本を閉じられなくなった。前作『嘘の木』同様、信念を
つらぬく主人公の勇敢なまなざしに生きる強い力を感じた。(Incisor)
◎不穏な始まりで霧の中をさまよううち、どんどんあり得ないことが積み重なり、
は??と思っていると突然、驚きの展開が……。ちょっと類書がないよね、という物
語。(BUN)
◎続きが知りたくて一気読み。予想外の展開にあっと驚き、独特の世界観がくせにな
る。(mikiron)

◆5位 『瓶に入れた手紙』ヴァレリー・ゼナッティ作 伏見操訳 文研出版
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 エルサレムに住むユダヤ人の少女タルは、自宅近くで自爆テロが起きたことに深く
傷つき、パレスチナの誰かに届くことを願って書いた手紙を瓶につめ、ガザ地区で兵
役につく兄に海へ投げてほしいと託した。手紙を入れた瓶は、ガザ地区に住むパレス
チナ人の青年に拾われる。手紙をきっかけにふたりは……。
(本誌2019年10月号「お菓子の旅」をご参照ください)
▽本誌バックナンバー(2019年10月号)
http://yamaneko.org/mgzn/dtp/2019/10.htm#okashi

◎ただ天にゆだねるのでなく奇跡を起こそうとする力が希望につながる。絶望しかな
いと背けていた目が見開いた。そこに生きる人々の人生がたちのぼり心の温度が感じ
られた。遠い国ではなくなった。あらためて文学の力を感じた。(Incisor)
◎パレスチナ、イスラエル、ガザ地区……。世界史やニュースで見た、単語やバラバ
ラのニュースの断片でしかなかった地名が、物語を読むことでわたしの中でほんの少
しだけ厚みを持ったものに感じられた。あとがきまでしっかり読みたい。(shoko)
◎日本から遠いため、よく知られていないイスラエル・パレスチナのことを知るため
に最適な1冊。(hanemi)

◆6位以下の作品
6位『サイド・トラック 走るのニガテなぼくのランニング日記』
7位『ベストマン』
8位『わたしがいどんだ戦い 1940年』
9位『最後のドラゴン』
10位『その年、わたしは嘘をおぼえた』『バレエシューズ』(2作同点)

      ★☆★☆【2019年 第22回やまねこ賞 絵本部門】☆★☆★

★大賞 『おおかみのおなかのなかで』
   マック・バーネット文 ジョン・クラッセン絵 なかがわちひろ訳 徳間書店
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ある日、ねずみはおおかみに食べられてしまいます。でも、おおかみのおなかの中
ではあひるが快適な暮らしを楽しんでいました。テーブルにチーズ、ワインまで手に
入れて、おなかライフをエンジョイする2匹。ここにいれば、おおかみを恐れる必要
もありません! 作者の名前を見るだけで、期待値マックスの1冊。シュールな展開
を支える、ユーモラスなイラストがじわじわとおかしみを生み出していく。黒や茶色
を基調とする抑えた色合いがおしゃれで、画面構成の巧みさもさすが。

◎おもしろい発想、抜群に面白いストーリー展開。(ちゃぴ)
◎いきなりねずみが食べられて、お腹の中であひると出会う。そこへ物語定番の狩人
がやってきて! まさかの展開に、にやっ。実はオオカミのある習性はこのせいだっ
た!?(shoko)
◎あらら、そうなるの!と楽しい絵本。(コアラン)
◎ほんとうにそれでいいの!?とあひるとねずみに衝撃を受けつつ、住めば都ってこ
ういうこと?と思ったり。はじめからおわりまでおもしろい。(asayaka)

☆~~~~~~~~~~~~~【受賞のことば】 翻訳家 なかがわちひろさん ~~~~~~~~~~~~~☆
|                                    |
| 目利き揃いのやまねこ集団に選ばれるとは、なんと光栄な!        |
| 文のマック・バーネットと絵のジョン・クラッセンは親しい友人だそうです。|
|信頼にもとづく文と絵のかけひきは、まさに絵本の醍醐味。翻訳者としては、ど|
|こまでシンプルな言葉で読者に伝えられるかと悩みましたが、どうやらちゃんと|
|伝わったようですね。                          |
| 信頼に足る良き読者たちを得て幸せです。                |
☆                                    ☆
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◆2位 『ショッキングピンク・ショック!
         伝説のファッションデザイナー エルザ・スキャパレリの物語』
   キョウ・マクレア文 ジュリー・モースタッド絵 八木恭子訳 フレーベル館
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 家族の中で「みにくい子」と呼ばれるエルザは「美しいって、なんだろう?」と、
いつしか考えるように。顔中を花畑にしようと、耳や口、鼻の中に花の種をまきます。
もちろん花は咲きませんでしたが、エルザの中でアーティストの芽はぐんぐん育って
いました。1920年代から30年代のファッション界に衝撃を与えた伝説のデザイナー、
スキャパレリの伝記絵本。同時代の芸術家たちとともに道を突き進んでいく型破りな
エルザの姿が、1人の女性の真摯な生き方として伝わる。
(本誌2019年6月号「産経児童出版文化賞翻訳作品賞受賞作品レビュー」をご参照く
ださい)
▽本誌バックナンバー(2019年6月号)
http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/2019/06.htm#hehon1

◎自分の感性を信じ、前向きに歩み続けたスキャパレリの魅力とエネルギーが絵本全
体を通して伝わってくる。おしゃれで、元気がもらえる絵本。(asayaka)
◎絵に魅了されました。(たろたろ)
◎伝説のファッションデザイナー、スキャパレリの人生を知ることができてよかった。
劣等感をはねのけて、自由な美しさを生み出していくスキャパレリが愛おしい。ピン
クが鮮やかな装丁も素敵。(キジトラ)

◆3位 『ひみつのビクビク』
       フランチェスカ・サンナ文・絵 なかがわちひろ訳 廣済堂あかつき
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ビクビクは、いつもそばにいて、わたしを守ってくれる秘密の友だち。でも、家族
でこの国に引っ越してきてから、ビクビクはどんどん大きくなって、わたしの邪魔を
するようになった。白くて大きなビクビクに包まれていると、傷つくことはないけれ
ど、挑戦もできないんだ。心のビクビクを大切に抱えながら、新しい学校になじんで
いく女の子を応援したくなる本。難民親子の旅を描いた前作『ジャーニー 国境をこ
えて』(青山真知子訳/きじとら出版)のその後とも読める。

◎新しい環境に不安を感じている女の子の気持ちを『ビクビク』という生き物で表現
しているのが面白いと思います。『ビクビク』と訳したことに感動しました。(ぽむ
ぽこ)
◎ひとにも動物にも、みんなにビクビクはいる。やさしさに泣きそうになった。
(Chicoco)
◎誰もが持っている恐怖心や臆病な気持ちを、「ビクビク」という生き物で表現する
発想がみごと。読んだあとは一歩踏みだせそう。(mikiron)

◆4位 『てつだってあげるねママ!』
     ジェーン・ゴドウィン&ダヴィーナ・ベル文 フレヤ・ブラックウッド絵
                         小八重祥子訳 きじとら出版
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 今夜はパパのお誕生日パーティー。おねえちゃんになったハティは、お客さまの似
顔絵カードを描いたり、ケーキづくりを手伝ったり。でも、お昼寝の時間はママに甘
えたい。いっしょにごろんとしていたら、ママのほうが眠っちゃった! 散らかった
部屋の描写とおつかれママに共感の声多数。子どもならではの発想力で乗り切るハテ
ィのがんばりが微笑ましい。

◎大好きなママのためにお手伝いをがんばる! 絵をよく見ると、くすりと笑うとこ
ろもあって、それがまたかわいい。おつかれママの目線で読むのもいい!(Chicoco)
◎自分もまだ甘えたいけど、おねえちゃんとしての自負もあるハティの心情が、よく
伝わってきます。絵は、ほのぼので味がある。(BUN)
◎読むととにかく温まる。実際の子育て風景に近いとともに、客観的に子育て風景を
見ることによって、子どもや育児をより一層愛おしく感じることができる(自らの日
常を反省(苦笑))(なおじ)

◆5位(2作同点) 「あしたのための本」シリーズ
                プランテルグループ文 宇野和美訳 あかね書房
            『民主主義は誰のもの?』マルタ・ピナ絵
            『独裁政治とは?』ミケル・カサル絵
            『社会格差はどこから?』ジュアン・ネグレスコロール絵
            『女と男のちがいって?』ルシ・グティエレス絵
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 フランコ独裁政権の終焉から間もないスペインで出版されたシリーズが、新装版と
して生まれ変わったもの。4冊の絵本それぞれに4人のイラストレーターが新しく絵
を施し、2016年ボローニャ・ラガッツィ賞ノンフィクション部門最優秀賞を受賞。ユ
ーモアのある個性豊かなイラストと、分かりやすい言葉で民主主義や平等について語
りかける作品だ。現代日本の子どもたちにも身近なテーマとして考えることができ、
各巻末に掲載された識者4人の解説が、さらなる理解を促してくれる。

◎大切なことをシンプルな言葉で問いかける絵本。巻末のコラムもいい。(コアラン)
◎原書が最初に刊行された1978年のスペインよりも、今の日本のほうがひどい。日本
はもはや先進国でも民主主義国家でもないことがよくわかる。(hanemi)
◎40年前に書かれた文なのに、いまの状況をいいあてていてぞくっと来る。佐藤卓己
氏のエッセイも不可欠な一部になっていて、読みごたえがあります。(BUN)※『独
裁政治とは?』への投票

◆5位(2作同点) 『おなじ月をみて』
              ジミー・リャオ文・絵 天野健太郎訳 ブロンズ新社
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 男の子ハンハンが窓辺で待っていると、ライオンがやってきました。けがをしてい
る前足の手当てをしてあげるハンハン。同じように、けがをしたゾウ、ツルもやって
きます。温かいタッチのイラストでファンタジーのように語られる物語は意外な展開
を見せ、月が照らす夜空の青が冴え冴えと、深い印象を残す。ハンハンが本当に待っ
ていたのは――? 台湾の国民的絵本作家が贈る、平和への思いが込められた作品。

◎天野健太郎さんの遺作。じんとしました。(匿名希望)

◆7位以下の作品
7位『おーい、こちら灯台』『ヒキガエルがいく』(2作同点)
9位『めをとじてみえるのは』
10位『お話の種をまいて プエルトリコ出身の司書プーラ・ベルプレ』
  『すてきってなんだろう?』(2作同点)

 ★☆★☆【2019年 第22回やまねこ賞 原書部門・オールタイム部門】☆★☆★

 原書部門とオールタイム部門は、読み物部門・絵本部門と区別して、やまねこ賞
「別賞」と呼んでいるもの。原書部門は出版年ほかの制限はなく、オールタイム部門
は会員がこの1年で読んだ邦訳児童書のうち、新刊以外を対象としている。いずれも
1人最大5作品までを、読み物・絵本の区別なく、順位をつけずに投票できる。
 今年の原書部門では、29作品が各1票を得、その内訳は、読み物17作品、絵本11作
品、グラフィックノベル1作品だった。票がばらけるのは、会員の幅広い読書傾向の
表れで、英語のほか、フランス語、イタリア語、スペイン語の原書にも票が投じられ
た。原書部門でタイトルの挙がった "Long Way Down" は、今年の読み物部門で邦訳
『エレベーター』(ジェイソン・レナルズ作/青木千鶴訳/早川書房)も票を獲得し
ている。また、"The Boy at the Back of the Class" は、つい先月、邦訳『5000キ
ロ逃げてきたアーメット』(オンジャリ・Q・ラウフ作/久保陽子訳/学研プラス)
が刊行された。
 オールタイム部門では、古典から近年の話題作まで52作品(読み物26作品、絵本26
作品)に票が投じられた。今年1位になった作品は、昨年のやまねこ賞読み物部門で
7位だった『エヴリデイ』(デイヴィッド・レヴィサン作/三辺律子訳/小峰書店)
で、4票を集めた。2位は3票獲得した2作品、『ザ・ヘイト・ユー・ギヴ あなた
がくれた憎しみ』(アンジー・トーマス作/服部理佳訳/岩崎書店)と『ジャーニー
国境をこえて』(フランチェスカ・サンナ文・絵/青山真知子訳/きじとら出版)が
並んだ。これらは昨年のやまねこ賞で読み物部門と絵本部門でそれぞれ2位だった作
品だ。
 両部門のその他の作品や、各作品への投票者のコメントについては、「やまねこ賞
受賞作品リスト」、及びやまねこ賞投票所の「投票の様子」をご覧いただきたい。

【参考】
▽やまねこ賞受賞作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室)
http://www.yamaneko.org/bookdb/award/yn/index.htm

▽やまねこ賞大賞受賞作品一覧(やまねこ翻訳クラブ資料室)
http://www.yamaneko.org/bookdb/award/yn/ichiran.htm

            (服部理佳/三好美香/森井理沙/小島明子/蒲池由佳)

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●特別企画●レビューを書こう(第7回レビュー勉強会より)その1
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 2019年10月から11月にかけて、約1か月半の日程でやまねこ翻訳クラブの第7回レ
ビュー勉強会が開催された。課題本は、2019年全米図書賞児童書部門のロングリスト
10冊の中から各自で選択。日程の前半は課題本の選定とレビューの準備、後半は互い
のレビューにコメントをつけあい、推敲する時間に充てられた。参加者は、一定の分
量の中で作品の魅力を最大限に伝えるため、あらすじをどうまとめるか、感じたこと
をどう表現するかなど、じっくり検討しながら改稿に取り組んだ。
 勉強会開催中の11月20日に発表された2019年の全米図書賞児童書部門受賞作は、
Martin W. Sandler による歴史ノンフィクション "1919 The Year That Changed
America"。参加者が課題本に選んだ作品は受賞を逃したが、それぞれに特色があり、
今後発表される児童文学賞でも受賞が期待される注目作だ。本誌では、参加者同士が
切磋琢磨して完成させたレビューを今月号と来年3月号の2回に分けてお届けする。
勉強会の成果をぜひともご覧いただきたい。

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"Pet" 『見えない獲物』(仮題)
by Akwaeke Emezi アクワエケ・エメジ作
Make Me a World, 2019, 204pp. ISBN 978-0525647072 (HB)
★2019年全米図書賞児童書部門ファイナリスト作品
Amazonで検索する:ISBN  Amazonで検索する:書名と作者名

 17歳の女の子ジャムが暮らす町ルシールでは、かつてたくさんの「化け物」が人々
を苦しめていた。でもそれは、ジャムが生まれる前の話。町の子どもはみんな「ルシ
ールにはもう化け物は居ない」と、学校で教わって育つ。好奇心旺盛なジャムは化け
物について調べてみたが、どんな見た目で何をしたのか、記録が全く見つからない。
学校の先生や大好きな両親に聞いても、言葉を濁して教えてくれなかった。
 そんなある日、ジャムはけがをして、母親が描いた絵の上に一滴の血を垂らしてし
まう。すると、絵の中の生き物がキャンバスから抜け出てきたではないか! 気味の
悪い生き物は自らを「ペット」と名乗り、化け物を狩りに来たと告げる。ジャムは戸
惑うが、化け物が親友の家に潜伏していると知り、ペットと共に化け物を狩る決意を
する。ジャムは親友を、ルシールの町を守れるのだろうか?
「天使」と呼ばれる人間が市長を務める町、教育による安心感の刷り込み、封印され
た悲劇、という舞台設定。3人の親と同居する親友の不思議な家庭環境。さらに、主
人公は性別適合手術の経験者で、言葉を話せるのになぜか手話で会話し、特殊な聴覚
で「家」の言葉がわかる――。これでもかと言わんばかりに詰め込まれた意味深な設
定に、冒頭から呆然とする読者は私だけではないはずだ。家庭や個性の設定に理由の
説明が無いのは性的マイノリティである作者からの、多様性を当然と受け止める理想
の社会の例示だろうか。読み始めは戸惑うが、化け物の正体が見えてくるにつれて日
常が足元から崩壊していくジャムの不安や葛藤がとても鮮やかに描かれていて、いつ
の間にかこの設定を受け入れ物語に引き込まれてしまう。他人の子を救うために自分
の子を危険にさらしたくないジャムの両親の思いなど、作中の大人ひとりひとりが抱
える悩みや汚さもさらに物語に現実味を持たせる。大人の読者であれば、ジャムと大
人たちの両方の気持ちがわかる分、両者のすれ違いに切なくなるだろう。現実の社会
問題と絶妙にリンクした設定の中で、ジャムは、大切な人たちを守るため懸命に化け
物と戦い、傷つきながらも未来を信じてある決断を下す。その姿に、読了後ため息と
共に、「自分も強くならなくては」と思った。

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【作】Akwaeke Emezi(アクワエケ・エメジ):小説家兼映像作家。1987年ナイジェ
リア生まれ。2018年に自伝的小説 "Freshwater" で小説家デビュー。多数の言語でド
ラマ化され、初めて本を出版したフィクション作家の作品に贈られる PEN/ヘミング
ウェイ賞の2019年最終候補作となった。新進気鋭の若手作家を称える2018年全米図書
協会 "5 Under 35" にも選ばれている。本作が初めての児童文芸作品となる。

【参考】
▼アクワエケ・エメジ公式ウェブサイト
https://www.akwaeke.com/

                                 (沖智子)

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【参考】
▽2019年全米図書賞児童書部門受賞作、ファイナリスト、ロングリスト一覧
                        (やまねこ翻訳クラブ資料室)
http://www.yamaneko.org/bookdb/award/us/nba/nba2010.htm#nba2019

▽本誌2003年11月号情報編「特別企画 レビューを書く(翻訳学習者編)」
http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/2003/11a.htm#kikaku

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●賞速報━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

★2020年度アストリッド・リンドグレーン記念文学賞候補者発表
                   (受賞者の発表は2020年3月31日の予定)
★2019年ドイツ児童文学賞発表
★2020年ケイト・グリーナウェイ賞ノミネート作品発表
★2020年カーネギー賞ノミネート作品発表
(カーネギー賞および、ケイト・グリーナウェイ賞ロングリストの発表は2020年2月
   20日、ショートリストの発表は3月19日、受賞作品の発表は6月17日の予定)
★2019年度ニューヨークタイムズ/ニューヨーク公共図書館・ベストイラスト賞発表
★2019年全米図書賞児童書部門受賞作品発表
★2019年コスタ賞児童書部門ショートリスト発表
     (受賞作品の発表は2020年1月6日、最優秀賞の発表は1月28日の予定)

 海外児童文学賞の書誌情報を随時掲載しています。「速報(海外児童文学賞)」を
ご覧ください。
http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=award

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●イベント速報━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

★展示会情報
 北海道立文学館「特別展 人形劇からとび出した人形たち」
 えほんミュージアム清里「リサとガスパールのクリスマス2019
                     リサとガスパール絵本原画展」 など

★講演会情報
 クレヨンハウス「とよたかずひこさん講演会 絵本と紙芝居いったりきたり」
 ブックハウスカフェ「ひさよの大人の絵本講座
              第11回 冬・雪にちなんで『詩』を味わう」 など

★東日本大震災チャリティ関連
 京都・大阪・広島
 「絵本作家による おうえんフェス2020&おうえんカレンダー原画展」 など

 詳細やその他のイベント情報は、「児童書関連イベント情報掲示板」をご覧くださ
い。なお、空席状況については各自ご確認願います。
http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=event

                          (山本真奈美/冬木恵子)

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●10月号「読者プレゼント」当選者発表!●
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 本誌10月号の「読者プレゼント」に、たくさんのご応募をいただきありがとうござ
いました。厳正なる抽選の結果、下記の方が当選されました。

            ★☆★ MOMOさん ★☆★

 おめでとうございます!
『ムーミン谷の夏まつり』(ムーミン全集[新版]4)に、新版の翻訳編集をされた
畑中麻紀さんのメッセージカードを添えてお送りしました。

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●読者の広場●海外児童文学や翻訳にまつわるお話をどうぞ!
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 このコーナーでは、本誌に対するご感想・ご質問をはじめ、海外児童書にまつわる
お話、ご質問、ご意見等を募集しています。mgzn@yamaneko.org までお気軽にお寄せ
ください。

※メールはなるべく400字以内で、ペンネームをつけてお送りください。
※タイトルには必ず「読者の広場」とお入れください。
※掲載時には、趣旨を変えない範囲で文章を改変させていただく場合があります。
※質問に対するお返事は、こちらに掲載させていただくことがあります。原則的に編
集部からメールでの回答はいたしませんので、ご了承ください。

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●読者のみなさまへ●

 ご愛読いただきまして、ありがとうございます。当メールマガジンは、来年も発行
月を3月、4月、6月、7月、9月、10月、12月の年7回とさせていただきます。ま
た、1月には号外を発行する予定です。毎月の発行とはなりませんが、毎号、充実し
た内容でお届けできるよう、編集部一同、努力してまいります。今後ともご愛読のほ
ど、よろしくお願い申し上げます。

                         「月刊児童文学翻訳」編集部

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●お知らせ●

 本誌でご紹介した本を、各種のインターネット書店で簡単に参照していただけます。
こちらの「やまねこ翻訳クラブ オンライン書店」よりお入りください。
http://www.yamaneko.org/info/order.htm
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           ・☆・〜 次 号 予 告 〜・☆・

 ニューベリー賞・コールデコット賞・プリンツ賞の発表にともなう号外を1月下旬
に発行する予定です。どうぞお楽しみに!

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▽▲▽▲▽   海外児童書のシノプシス作成・書評執筆を承ります   ▽▲▽▲▽

 やまねこ翻訳クラブ( yagisan@yamaneko.org )までお気軽にご相談ください。

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★☆     出版翻訳ネットワークは出版翻訳のポータルサイトです     ☆★
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     ★☆メールマガジン『海外ミステリ通信』 隔月15日発行☆★
          http://honyakuwhod.blog.shinobi.jp/
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編集者の方々へのインタビューもあります!    〈フーダニット翻訳倶楽部〉
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●編集後記●1998年の創設以降、毎年会員による投票を行い、12月に発表しているや
まねこ賞。会員が1年の読書の総決算として選んだおすすめの作品ばかりですので、
年末年始のお休みに、ぜひ読んでみてください。今年も「月刊児童文学翻訳」をご購
読いただき、ありがとうございました。2020年もどうぞよろしくお願いいたします。
(ひ)
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発 行 やまねこ翻訳クラブ
編集人 平野麻紗/三好美香/森井理沙(やまねこ翻訳クラブ スタッフ)
企 画 赤塚きょう子 牛原眞弓 尾被ほっぽ 沖智子 かまだゆうこ 蒲池由佳
    くどうあきこ 小島明子 佐藤淑子 服部理佳 冬木恵子 山本真奈美
    横山和江
協 力 出版翻訳ネットワーク 管理人 小野仙内
    からくっこ ながさわくにお
    html版担当 ayo
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