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99年やまねこ賞発表! の続き

「ウエズレーの国」表紙
「夕あかりの国」表紙
「ストライプ たいへん! しまもようになっちゃった」表紙

 今回の本コーナーは、「やまねこ調査隊」に続けて、「第2回 やまねこ賞」の結果を発表する。

 さて、絵本部門の結果だが――

■絵本部門

★大賞『ウエズレーの国』
 ポール・フライシュマン作 ケビン・ホークス絵
 千葉茂樹訳 あすなろ書房
本誌99年10月号で紹介
◎現代のこどもの心を実物大で描いていると思います。ウエズレーの生き方は、実は彼らが一番欲しているもので、こどもたちの自然な姿ですよね。(会員No.66 つー)

◆2位(2作同点2位)『夕あかりの国』  アストリッド・リンドグレーン作 マリット・テルンクヴィスト絵 石井登志子訳 徳間書店
本誌99年7月号で紹介
◎絵もお話も、じわっと心にしみてきます。ちょっぴり寂し気な、でもあたたかい、ぼんやりとした夢を見ているような感じの世界です。たそがれ時の空の色がすてき。(会員No.76 どんぐり)

◆2位(2作同点2位)『ストライプ たいへん! しまもようになっちゃった』
 デヴィッド・シャノン文と絵 清水奈緒子訳 セーラー出版
◎こってりした絵はすみずみまで見所満載。メッセージ先行になりそうなテーマを、おもしろおかしくユーモラスに描いていて、理屈抜きに楽しめて、でもしっかり心に残るものもある。(会員No.18 くるり)

◆4位『くまのオルソン』
 ラスカル作 マリオ・ラモ絵 堀内紅子訳 徳間書店(本誌99年11月号で紹介

◆5位『クレリア えだのうえでおきたできごと』
 マイケル・グレイニエツ絵と文 ほそのあやこ訳
 セーラー出版

 読み物部門大賞の『ちいさくなったパパ』は、分類上読み物となっているが、スタルクの文章を日本の画家はたこうしろうが絵本化したもの。5位の『見えない道のむこうへ』も、絵本に近い構成の作品だ。ちなみに、特集記事の翻訳書ベスト10「絵本・児童書・ヤングアダルト」(※)では上位入賞を果たした『ハリー・ポッターと賢者の石』『黄金の羅針盤』は、99年末の発行であったため、やまねこ賞の対象時期からははずれている。

 未訳部門大賞と3位は、言わずと知れた「ハリー・ポッター」シリーズ第3作と第2作。当分この人気は衰えそうもない。

 絵本部門2位の『ストライプ』と未訳部門の NO, DAVID! は同じ作家によるもので、独特のユーモア感覚が人気。5位『クレリア』は、いつのまにかいなくなってしまう不思議な虫の物語で、読んだ子どもたちの間ではクレリアさがしがちょっとしたブームになったという。

(ながさわくにお)

(※ 月刊『翻訳の世界』2000年4月号の特集「100人に聞く99年イチ押し翻訳書」の「ジャンル別ランキング E 絵本・児童書・ヤングアダルト部門」のことを指しています。)

「キッズBOOKカフェ」(月刊『翻訳の世界』2000年4月号掲載)のホームページ版です。

表紙の画像は、出版社の許可を得て掲載しています(無断転載不可)。

4月号「洋書でブレイク」

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4月号「やまねこ調査隊」

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