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2011年4月号
   =====☆                    ☆=====
  =====★   月 刊  児 童 文 学 翻 訳   ★=====
   =====☆   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ☆=====
                                No.129
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児童文学翻訳学習者による、児童文学翻訳学習者のための、電子メール版情報誌
http://www.yamaneko.org                         
編集部:mgzn@yamaneko.org     2011年4月15日発行 配信数2370  無料 
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●2011年4月号もくじ●
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◎賞情報:2011年カーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞候補作品発表
◎注目の本(未訳読み物):"Mockingbird" キャスリン・アースキン作
◎賞速報
◎イベント情報
◎お菓子の旅:第55回 アンザック・ビスケット
◎読者の広場

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●賞情報●2011年カーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞候補作品発表
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 4月1日、カーネギー賞およびケイト・グリーナウェイ賞のショートリスト(最終
候補作品)が発表された。英国図書館協会が主催するこの賞は、イギリスでは最も権
威ある児童文学賞である。昨年11月にロングリストが発表され、カーネギー賞に60作
品、ケイト・グリーナウェイ賞に52作品が挙がっていた。受賞作品の発表および、授
賞式は6月23日。ショートリストは以下の通り。ロングリストは、やまねこ翻訳クラ
ブウェブサイトの「速報(海外児童文学賞)」コーナーに掲載中。
 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=award

▼カーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞公式ウェブサイト
http://www.carnegiegreenaway.org.uk/home/

▽カーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞について
               (本誌1999年7月号情報編「世界の児童文学賞」)
http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/1999/07a.htm#a1bungaku

▽カーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞受賞作品リスト
                        (やまねこ翻訳クラブ資料室)
http://www.yamaneko.org/bookdb/award/uk/carnegie/index.htm
http://www.yamaneko.org/bookdb/award/uk/greenawy/index.htm

【カーネギー賞候補作品】〜 Carnegie Medal 〜(作家対象)

"Prisoner of the Inquisition"   by Theresa Breslin (Doubleday)
"The Death Defying Pepper Roux"  by Geraldine McCaughrean
                          (Oxford Children's Books)
"Monsters of Men"         by Patrick Ness (Walker)
"The Bride's Farewell"       by Meg Rosoff (Puffin)
"White Crow"            by Marcus Sedgwick (Orion)
"Out of Shadows"          by Jason Wallace (Andersen Press)

 ロングリスト60作品からショートリストに残ったのは6作品。作品の舞台や時代設
定など、バラエティに富んだ選出となった。
 "Prisoner of the Inquisition" は、本賞受賞歴のある Theresa Breslin が手が
けた作品。異端審問が始まった15世紀末のスペインを舞台に、行政官の一人娘ザリー
タと行政官に父を処刑されたサウロの波乱のドラマを描いている。本誌2010年10月号
「注目の本(未訳読み物)」を参照のこと。
 "The Death Defying Pepper Roux" は、過去に本賞受賞のほか、本賞の Highly
Commended に選ばれたこともあるベテランの Geraldine McCaughrean によるもの。
14歳の誕生日までに死ぬと予言された主人公の少年 Pepper Roux が、定められた運
命に立ち向かうべく、目まぐるしい冒険を繰り広げる。
 Patrick Ness の "Monsters of Men" は、"Chaos Walking" 3部作の完結編。一昨
年、去年に続き、これで本シリーズ全てがショートリストに入った。人間対先住民の
激しい戦いを描いた最終巻では、戦争により人間らしさが失われていく恐ろしさをあ
ぶりだしている。果たしてこの星に平和が訪れる日は来るのか?
 "The Bride's Farewell" は、過去に本賞を受賞している Meg Rosoff の作品。19
世紀のイギリス南部を舞台に、未来のない結婚から逃れるため家を捨てた若い娘
Pell の過酷な運命と恋を描いた冒険物語で、明かされる過去の秘密も気になるとこ
ろ。
 Marcus Sedgwick は、"White Crow" で2年連続のショートリスト入り。イギリス
の寂れた海辺の町を舞台に、現代と18世紀のふたつの時代を絡み合わせたモダン・ゴ
シック・ホラーだ。現代に暮らすふたりの少女と18世紀の聖職者の語りを通して、こ
の町の伝説とされてきた200年前の出来事が暴かれる。
 Jason Wallace はデビュー作の "Out of Shadows" でショートリストに残った。ロ
ーデシア紛争後、成立して間もないジンバブエ共和国の学校に転校した13歳の白人の
少年の目を通して、人種問題や友情、勇気を描いた骨太な物語。作者はジンバブエで
過ごした子ども時代の経験に着想を得てこの作品を書いた。

▼Theresa Breslin 公式ウェブサイト
http://www.theresabreslin.co.uk/

▼Geraldine McCaughrean 公式ウェブサイト
http://www.geraldinemccaughrean.co.uk/

▼Patrick Ness 公式ウェブサイト
http://www.patrickness.com/

▼Meg Rosoff 公式ウェブサイト
http://www.megrosoff.co.uk/

▼Marcus Sedgwick 公式ウェブサイト
http://www.marcussedgwick.com/

▼Jason Wallace 公式ウェブサイト
http://www.jwallace.co.uk/

▽メグ・ローゾフ作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室)
http://www.yamaneko.org/bookdb/author/r/mrosoff.htm

▽"Prisoner of the Inquisition" のレビュー(本誌2010年10月号「注目の本」)
http://yamaneko.org/mgzn/dtp/2010/10.htm#myomi

                                (蒲池由佳)

【ケイト・グリーナウェイ賞候補作品】〜 Kate Greenaway Medal 〜(画家対象)

"FArTHER"             by Grahame Baker-Smith (Templar)
"Me and You"           by Anthony Browne (Doubleday)
"April Underhill, Tooth Fairy"  by Bob Graham (Walker)
"Jim"               by Mini Grey (Jonathan Cape)
"The Heart and the Bottle"    by Oliver Jeffers (HarperCollins)
"Big Bear Little Brother"     by Kristin Oftedal (Macmillan)
"Ernest"             by Catherine Rayner (Macmillan)
"Cloud Tea Monkeys"        by Juan Wijngaard (Walker)

 本年は、52作品のロングリストの中から8作品のショートリストが選ばれた。ベテ
ラン勢が並ぶなかに新人も顔を見せるなど、バラエティ豊かなラインアップである。
 Grahame Baker-Smith は、"FArTHER" で昨年に続いてショートリストに入った。空
を飛ぶ夢を抱いていた父親は、戦争に召集され戻ってこない。息子はその夢をかなえ
ようと、不可能と思われることに挑戦していく。前作同様コラージュや写真などを駆
使したすばらしい作りに、目を奪われた。
 ベテランの Anthony Browne が、「3匹のくま」を作者お得意の現代の街中に舞台
を移して再現したのが、"Me and You" だ。左ページにセピア色のコマ割りで女の子
の話を、右ページにパステルカラーでクマの話を同時進行で描いている。女の子が逃
げだした後に Browne ならではの展開があり、印象的な作品に仕上がった。
 同じく本賞常連の Bob Graham の "April Underhill, Tooth Fairy" も選ばれた。
人間の子どもの抜けた歯を持ち帰り、代わりに枕元にコインを置いていく歯の妖精
(トゥースフェアリー)が主人公だ。はじめての仕事に出かけていく妖精の姉妹に焦
点を当て、やさしい色合いと線画で成長の節目を温かく描きだしている。
 "Jim" は、数々の賞を受賞してきた Mini Grey が、1907年に発表された Hilaire
Belloc の有名な詩を仕掛け絵本にしたもの。ジムは、ある日言いつけをやぶって乳
母から逃げ出しひどい目にあう……。ポップな楽しい絵本で定評のある作者が、教訓
的な内容を、現代の子どもたちにむけてどう料理したのか、お楽しみに。
 Oliver Jeffers の "The Heart and the Bottle"(『心をビンにとじこめて』三辺
律子訳/あすなろ書房)に登場するのは、大好きな祖父を亡くし、もう傷つかないよ
うにと心を閉ざしてしまった少女。大人になって心を開こうと思っても、なかなかう
まくいかなくて……。単純化した線画にセンスが光る Jeffers らしいタッチで、幅
広い年代に語りかけてくる絵本だ。
 "Big Bear Little Brother" は、ノルウェーのオスロを拠点に活躍する期待の新人
イラストレーターの絵本。シロクマと男の子の友情を描いた Carl Norac の話に添え
られた Kristin Oftedal のシンプルで美しい絵が、読み手の心をゆさぶる。
 一昨年にノウサギの絵本で本賞を受賞した Catherine Rayner。今年はロングリス
トに2冊あがった中から、"Ernest" がショートリストに残った。とてつもなく大き
な体のヘラジカが、絵本の中になんとかおさまろうと友だちのリスと奮闘する姿がユ
ーモラスに描かれている。ヘラジカで、再び受賞を狙えるか?
 最後は、Juan Wijngaard の "Cloud Tea Monkeys"。お茶摘みの仕事をする母親が
病気になってしまい、困った少女をサルが助けるという不思議な話は、ヒマラヤ地方
に伝わる民話にヒントを得て Mal Peet 夫妻が創作したものだ。Wijngaard の静かで
写実的な絵が物語に見事に呼応して、魅力的な絵本に仕上がっている。

▼Oliver Jeffers 公式ウェブサイト
http://www.oliverjeffers.com/

▼Kristin Oftedal 公式ウェブサイト
http://kristinoftedal.com/

▼Catherine Rayner 公式ウェブサイト
http://www.catherinerayner.co.uk/

▼Juan Wijngaard 公式ウェブサイト
http://juanwijngaard.com/index.html

▽アンソニー・ブラウン作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室)
http://www.yamaneko.org/bookdb/author/b/abrowne.htm

▽ボブ・グラハム作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室)
http://www.yamaneko.org/bookdb/author/g/bgraham.htm

▽ミニ・グレイ作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室)
http://www.yamaneko.org/bookdb/author/g/mgrey.htm

▽オリバー・ジェファーズ作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室)
http://www.yamaneko.org/bookdb/author/j/ojeffers.htm

▽キャサリン・レイナー作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室)
http://www.yamaneko.org/bookdb/author/r/crayner.htm

                               (植村わらび)

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●注目の本(未訳読み物)●アスペルガー症候群の少女が語る心の内
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『ケイトリン』(仮題) キャスリン・アースキン作
"Mockingbird" by Kathryn Erskine
Philomel Books, 2010 ISBN 978-0399252648
235pp.
★2010年全米図書賞児童書部門受賞作品
★2011年ゴールデン・カイト賞フィクション部門オナー(次点)作品
Amazonで詳細を見る

 10歳の少女ケイトリンはバージニア州の小さな町で父と兄と暮らしていた。自閉症
のひとつであるアスペルガー症候群を持つケイトリンにとって、兄デヴォンはいちば
んの理解者だった。ところが突然、デヴォンは学校で起きた銃乱射事件に巻き込まれ
て亡くなってしまう。ケイトリンは兄のいない世界に戸惑うが、深い悲しみに沈む父
に娘を支える心の余裕はない。それでもカウンセラーの先生のサポートを受けながら
学校生活を送るうちに、ケイトリンは自分なりに少しずつデヴォンの死を受け止める
ようになる。そんなあるとき、下級生の少年マイケルと出会った。実はマイケルも同
じ事件で母を失っていた……。
 アスペルガー症候群を持っているために人とコミュニケーションを取るのが苦手な
ケイトリン。相手の表情から感情を読み取れなかったり、自分の気持ちをうまく表現
できなかったりするせいで、周りから誤解されてしまうことが多い。その一方で、自
分が関心を持ったことに対して熱心に追求しようとする姿勢はどこまでもひたむきだ。
人一倍の集中力はまず兄の死を受け止めることに向けられ、自ら悲しみを乗り越える
方法を見つけることへとつながっていく。物語はケイトリンの語りで進むため、読者
は彼女の心の内を知り、なぜそのような行動を取るのか、彼女の視点に立って理解で
きる。はじめのうち、ケイトリンの気持ちがなかなか理解してもらえないことにもど
かしさを覚えるが、やがて、強い意志を持って前へ進もうとしている彼女の姿に周り
が心を動かされていく様子に胸が熱くなる。
 作者自身がアスペルガー症候群の子どもを持つ母親であること、2007年にバージニ
ア工科大学で起きた銃乱射事件に強い衝撃を受けたことが、この作品の書かれたきっ
かけだったという。作者はあとがきで、アスペルガー症候群への理解を深めてほしい
と願うとともに、人が理解しあう努力を怠れば暴力につながることさえあると、相互
理解の大切さを訴える。ふたつの異なる題材に込められた思いはひとつだ。ケイトリ
ンは、マイケルと出会って初めて「友達」の存在を意識する。周りとかかわることで
成長していく彼女の姿そのものが、お互いを理解し、支えあう喜びを教えてくれる。

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【作】Kathryn Erskine(キャスリン・アースキン):米国バージニア州在住。子ど
も時代の多くをヨーロッパ、アフリカ、カナダなど、海外で暮らした経験を持つ。弁
護士として15年間活動したのち作家に転身し、主にYA小説を手がける。本書
"Mockingbird" が3作目となる。

【参考】
▼キャスリン・アースキン公式ウェブサイト
http://www.kathrynerskine.com

▼キャスリン・アースキンのインタビュー(Publishers Weekly 内)
http://www.publishersweekly.com/pw/by-topic/childrens/childrens-book-news/
article/42755-q-amp-a-with-kathryn-erskine.html

▼「アスペルガー症候群を知っていますか?」(東京都自閉症協会ウェブサイト内)
http://www.autism.jp/asp_index.html

▽全米図書賞受賞作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室)
http://www.yamaneko.org/bookdb/award/us/nba/index.htm

▽ゴールデン・カイト賞受賞作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室)
http://www.yamaneko.org/bookdb/award/us/gkite/index.htm

                                (平野麻紗)

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●賞速報━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

★2011年ボローニャ・ラガッツィ賞発表
★第16回日本絵本賞発表
★2011年度ドイツ児童文学賞ノミネート作品発表
                   (受賞作品及び特別賞の発表は10月14日)
★2011年度アストリッド・リンドグレーン記念文学賞発表

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●イベント速報━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

★展示会情報
 島根県立石見美術館「世界の絵本をめぐる旅」
 群馬県立近代美術館「司修のえものがたり―絵本原画の世界」 など

★講座・講演会情報
 世田谷文学館「石井登志子さん講演会」 など

★コンクール情報
 インターカレッジ札幌「第8回翻訳コンクール」 など

 詳細やその他のイベント情報は、「速報(イベント情報)」をご覧ください。なお、
東日本大震災の影響により、予定は変更される場合があります。また、空席状況につ
いては各自ご確認願います。
http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=event

                           (笹山裕子/冬木恵子)

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●お菓子の旅●第55回 祖国から戦地へ愛をこめて  〜アンザック・ビスケット〜
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All we had to eat was tinned meat and dry hard biscuits. The meat was very
salty and the biscuits were so hard that we had to soak them for a few
hours to be able to scrape the outside off.
                    "A Fortunate Life" by A.B.Facey
                       Penguin Books Australia(1981)
                    Amazonで詳細を見る
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 みなさんは、 "ANZAC(アンザック)" という言葉を聞いたことがありますか?
第1次世界大戦中のオーストラリアとニュージーランドの兵士による連合軍団、
Australian and New Zealand Army Corps の頭文字をとったものです。アンザックの
名が広く知られるようになったのは、1915年4月25日、ダーダネルス海峡に面したト
ルコのガリポリ半島での上陸作戦。間違った入江に上陸してしまったアンザックは混
乱状態の中でトルコ軍の激しい銃撃に遭い、多くの命を失いました。しかしその後も
8か月間、苦境に耐えて戦い続け、その果敢さは両国の誇りとなったのです。
 引用文はアンザック兵だったオーストラリア人の筆者が、ガリポリの塹壕での様子
を語る場面から。パンの代用として配られたビスケットはアンザック・タイルと呼ば
れ、非常に固く味気のないものでした。でもそのことが、今回ご紹介するアンザック
・ビスケットが生まれるきっかけになったともいえます。手紙で戦地の食の乏しさを
知った祖国の母、姉妹、恋人たちは、栄養価の高いものをとスコットランドのオーツ
ケーキからヒントを得たビスケットを作って送りました。長期の船旅でも保存がきく
ように、また戦時中で卵の入手が困難だったという事情から、ゴールデンシロップ
(砂糖を精製するときに出来る副産物の糖蜜)を使用したのも特徴です。最初は「兵
士のビスケット」という名前でしたが、1920年以降、勇敢な兵士にちなんでアンザッ
ク・ビスケットと呼ばれるようになったと言われています。女性たちは募金活動の一
環としてもこのビスケットを作り、戦地へ送る物資の購入資金に役立てました。
 4月25日は祖国に命を捧げた人々を追悼するアンザック・デー。"Lest We Forget
(決して忘れないように)" の言葉とともに、アンザック・ビスケットは兵士を支え
た人々の思いを伝えるシンボルとして、これからも受け継がれていくでしょう。

*-* アンザック・ビスケットの作り方 *-*
                画像はこちら(やまねこ翻訳クラブ喫茶室)

材料(約30枚分)
 オートミール(乾燥したもの)  90g   ココナッツ粉末         90g
 小麦粉            150g   砂糖             120g
 バター            125g   ゴールデンシロップ    大さじ2
 重曹           小さじ1   熱湯           大さじ2

1.オートミール、ココナッツ粉末、ふるった小麦粉、砂糖をボウルに入れて混ぜる。
2.鍋にバターとシロップを入れ、弱火で溶かす。
3.熱湯で溶かした重曹を2の鍋に加えて混ぜたあと、1のボウルに入れて全体に行
  きわたるように混ぜあわせる。
4.3を約大さじ1杯分すくってクッキングシートを敷いた天板の上に置いて上から
  押さえ、直径約5〜6センチの円形に整える。ぽろぽろするようなら片手で握り、
  球状にしてから天板に置くとよい。
5.160度に温めておいたオーブンで約10〜15分焼き、全体に焼き色がついたら取り
  出す。そのまま約15分おいて冷ましてから、天板からはずす。

★参考図書、ウェブサイト
"A Rose for the Anzac Boys" by Jackie French(Angus&Robertson, 2008)
"Anzacs at Gallipoli" by Jane Pearson(Echidona Books, 2006)
"Anzac Biscuits: A Culinary Memorial" by Sian Supski
http://research.humanities.curtin.edu.au/groups/awp/pdf/ANZAC_BISCUITS_
G2015.pdf

★「やまねこ翻訳クラブお菓子掲示板」
        http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=okashi

                   (かまだゆうこ/冬木恵子/加賀田睦美)

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●読者の広場●海外児童文学や翻訳にまつわるお話をどうぞ!
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 このコーナーでは、本誌に対するご感想・ご質問をはじめ、海外児童書にまつわる
お話、ご質問、ご意見等を募集しています。mgzn@yamaneko.org までお気軽にお寄せ
ください。

※メールはなるべく400字以内で、ペンネームをつけてお送りください。
※タイトルには必ず「読者の広場」とお入れください。
※掲載時には、趣旨を変えない範囲で文章を改変させていただく場合があります。
※質問に対するお返事は、こちらに掲載させていただくことがあります。原則的に編
集部からメールでの回答はいたしませんので、ご了承ください。

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●お知らせ●

 本誌でご紹介した本を、各種のインターネット書店で簡単に参照していただけます。
こちらの「やまねこ翻訳クラブ オンライン書店」よりお入りください。
http://www.yamaneko.org/info/order.htm
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           ・☆・〜 次 号 予 告 〜・☆・

 5月号では、現在進行中の新企画を掲載の予定です。
 詳細は毎月10日頃、やまねこ翻訳クラブHPメニューページに掲載します。
          http://www.yamaneko.org/info/index.htm
 どうぞお楽しみに!

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▽▲▽▲▽   海外児童書のシノプシス作成・書評執筆を承ります   ▽▲▽▲▽

  やまねこ翻訳クラブ(yagisan@yamaneko.org)までお気軽にご相談ください。

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     ☆☆ FOSSIL 〜 Made in USA のライフスタイルブランド ☆☆
 独創的なデザインで世界100ヶ国以上で愛用されているフォッシルはアメリカを代
表するライフスタイルブランドです。1984年、時計メーカーとして始まったフォッシ
ルは時計をファッションアクセサリーの一つと考え、カジュアルな「TREND」ライン
からフォーマルなシーンにも使える「CERAMIC」など、年間300種類以上のモデルを発
売し続けています。またフォッシル直営店では、時計以外にもレザーバッグ、革小物、
ファッションサングラスなどのラインも展開しています。
TEL 03-5992-4611
http://www.fossil.co.jp/     (株)フォッシルジャパン:やまねこ賞協賛会社
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          吉田真澄の児童書紹介メールマガジン
             「子どもの本だより」
     http://www.litrans.net/maplestreet/kodomo/info/index.htm
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        http://www.litrans.net/maplestreet/index.htm
新刊情報・イベント情報などを掲載いたします。詳細はmaple2003@litrans.netまで。

       出版翻訳ネットワークは出版翻訳のポータルサイトです
             http://www.litrans.net/ 
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          http://www.litrans.net/whodunit/mag/
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編集者の方々へのインタビューもあります!    〈フーダニット翻訳倶楽部〉
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●編集後記●余震などで落ち着かない日々を送る中でも、メルマガ編集部は活気に満
ちています。今月号の編集作業に意欲的に取り組む一方で、新企画の立ち上げに活発
に意見を交換したり。みんなの気持ちがひとつになることが、とても心強く感じられ
ます。(い)
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発行人 佐藤淑子(やまねこ翻訳クラブ 会長)
編集人 井原美穂/植村わらび(やまねこ翻訳クラブ スタッフ)
企 画 大作道子 尾被ほっぽ 加賀田睦美 かまだゆうこ 蒲池由佳 児玉敦子
    笹山裕子 平野麻紗 冬木恵子 村上利佳 横山和江
協 力 出版翻訳ネットワーク 管理人 小野仙内
    えみりい ながさわくにお はなみ
    html版担当 shoko
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